領主館・領主執務室にて
毎日21時更新を目指して頑張ります!
前作「ボーっとしている王太子殿下と婚約した侯爵令嬢は苦労する」も公開中です。
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是非ご覧ください。
「本当に馬鹿なのか・・・」
お父様のつぶやきが、やけに耳に響く。
「なりふり構わっておれぬのだろうがのう・・・」
「ボクデン様」
「む?おじいちゃんで良いぞ?」
「あ、間に合ってます」
私とボクデン様のやり取りの間に使者殿は別室へ案内され休憩している。
当家から国王陛下への返答を持って帰らなくてはならないからだ。
「確かにボクデン殿の言う通りなのだろうね。さて、どうしたものか」
「取れる対応は限られておるの。大きく分ければ2つ。王国を助けるか、助けずに独立してしまうか」
お父様が額に手をやって言うとおじい様が応えた。
「私は助けてやろうかと思っているのだよ」
「意外ですね。私は父上がお怒りになって独立すると思ってました」
「ライアン、もう少し多面的に考えなければいけないよ」
お父様がライアンに時期当主教育も兼ねて話し出す。
「確かに当家、当領地の実力や規模から言えば独立できる。が、王国の動乱がどうなるかによってはこちらに被害が出すぎる」
確かに。王都と我が領地がシーウェス、カーライルによって分断されても当領地はやっていける。人材もそろってるし。
ただ戦乱になって流民を受け入れるのか、天災や荒天があった場合どうするのか。
ライアンは帝国に留学して皇女様と仲良くなったから実感がないかも知れないが、当家と帝国はつい数十年前まで小競り合いをしていたのだ。
国が乱れた際に進軍してこないとも限らないのだ。
「軽率でした」
自分の考えが浅かったことに俯くライアン。
「いや、気にすることは無い。実際に独立してしまうこともできなくはないしね。ただ、博打の要素が入り込むのは私のやり方ではない。どんな状況でも当家は生き延び、領民に害のないようにせねばならない」
「そこでだ。まず国王陛下には援軍、警備は了承する。物資の援助も状況により行うし、フローリアの慰謝料について考えてもいいと回答しようと思う」
「ずいぶん大盤振る舞いだな」
お父様の話しにおじい様が面白くなさそうに言う。
「ただし、当家は公国を名乗り王国所属のまま自治領とさせてもらう。今後の税は4分の1とするが、軍事力はこちらの裁量の範囲で提供することにしようと思う」
「それはほとんど独立ではないのかね?」
お父様の案にボクデン様が笑って尋ねる。
「じゃが、帝国はどうされるおつもりじゃ?」
「帝国にも所属して4分の1の税を払おうと思います」
お父様の言葉に一同呆れる。
「ずいぶん都合のいい話ですわね」
私は心配して尋ねる。
「まぁ、こちらにとって都合のいい話だが、王国は税が減っても独立される訳ではなく、帝国と魔獣への防衛に気を使わなくても済む。帝国は今までなかった税がわずかながら入り、王国からの防衛に気を使わなくてすむ。いい案じゃないか」
お父様が笑いながら話していたが一転真顔になる。
「ボクデン殿、騎士以外の一般兵にも訓練をしていただくことは可能でしょうか?」
「ふむ?」
「結局この案は当家の軍事力に依存します。我々の持つ3000の騎士と6万の軍は我々を除く王国軍全体と匹敵しますが、この先の戦は魔獣からの防衛をしつつ王都を守りシーウェス、カーライルを討伐することになりますので」
「期間はどの程度の見立てじゃ?」
「おおよそ一か月と短期間です」
「承った。もっとも、ある程度はワシが王都に行く前に騎士団長のアルベルトと隠し目付のフレイズに託しておったからのう。まずはどの程度仕上がったか見ておこう」
いつの間にそんなことを。
「ありがたい。それでは兵士はボクデン殿にお任せしましょう。ライアン、君もボクデン殿と一緒に兵士の訓練状況を頼む。父上は我らが出陣した時は留守居役をお願いします。フローリアは私と一緒に使者殿の接待と回答だ」
父上からの命により私たちは動き出した。
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また次のお話しでお会いしましょう。




