王城・国王執務室にて 王国side
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前作「ボーっとしている王太子殿下と婚約した侯爵令嬢は苦労する」も公開中です。
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是非ご覧ください。
ジェスター侯爵家が王都を出発したころ、私は国王陛下の執務室を訪れた。
「どうした?王太子よ」
父上は疲れ切った顔をしている。
王妃、第二王子、シーウェス侯爵は国家反逆罪の疑いにより貴族牢へ、カーライル侯爵は王妃らに加担した疑いがあるがはっきりとした証拠がないため王宮の一室に軟禁、近衛師団、国軍の主だったものを集めて取り調べが行われているが一部はジェスター侯爵が城を出る際に負傷している。
「は、ジェスター侯爵が持参した2つの封筒の中身についてご報告をいたしたく」
そういって私は2つの封筒を父王の前に置いた。
正直、一通はまだしも、もう一通の中身をお伝えするのは気が引ける。
「まず一通の封筒は王妃をはじめとしたものが何を行ったのか、そしてその理由が書いてあります。かなりの量ですが、まずはこちらをご報告いたします」
私はそう言って中身について報告する。事の始まりから説明しなければなるまい。
どこを始まりとするかは悩みどころだが。
まず、国王陛下主導で決まった第二王子アロンドとジェスター侯爵令嬢との婚約に王妃が不満を持った。
王妃はジェスター侯爵が何故今まで辺境伯であったか、何故あのような扱いであったか知らない。
だから歴代の王族がジェスター家以外の5大侯爵家から妻を迎えているのに、可愛がっている第二王子に格下だと思い込んでいるジェスター侯爵家のフローリア嬢が王命で婚約者となったことに納得できなかった。
それを王妃が兄であるシーウェス侯爵に相談した。
シーウェス侯爵は国軍を率いる立場であるが実際に昔あった帝国との小競り合いや魔の森の魔獣討伐などすべてジェスター侯爵家が行っていることに不満があった。
シーウェス侯爵は同じ軍閥で近衛師団長のカーライル侯爵に不満を漏らす。
カーライル侯爵もジェスター侯爵の騎士と近衛騎士が比べられ、他の貴族たちからお飾りと揶揄されることに不満があった。
これらの不満がまとまることにより、事件へと発展していく。
「そのような下らぬ不満でこのような事件を起こすとは・・・」
陛下が頭を抱える。
最初の事件は半年ほど前の前侯爵とフローリア嬢の襲撃事件だ。
フローリア嬢が夏季休暇を領地で過ごすのは恒例であり、その帰路を狙ったのは王妃であった。
王妃はシーウェス家から連れてきた子飼いの部下に命じ王都の地下組織と接触。
盗賊を装ってフローリア嬢を襲わせた。
王妃はさすがに殺すことまでは考えておらず、盗賊に襲われたキズモノ令嬢は第二王子の妻に不適切だとする予定だったようだ。
だが、この件を察知したシーウェス侯爵・カーライル侯爵は令嬢とジェスター侯爵家の騎士を皆殺しにし、盗賊ごときに遅れをとる程度の者が国境の要は不適切。これからは国軍と近衛師団で国の防衛にあたると持っていこうとした。
実際盗賊を装ったものの中に国軍と近衛騎士が紛れていたようだ。
そして婚約破棄騒動。
これも愚かな王妃主導だ。
第二王子が男爵令嬢を真実の愛だのとほざいて連れてきた際、男爵令嬢ごときに負ける侯爵令状など不要と婚約破棄を進めることを思いついた。
当然、男爵令嬢を第二王子の相手として認める気などない。
フローリア嬢との婚約破棄を進めるための駒として考えていたようだ。
しかし、ボクデン・ツカハラ殿の登場、陛下のとりなしで企みは失敗した。
この件にシーウェス侯爵たちは関与していない。
「しかし、何故王妃は第二王子のこととなるとあれほど愚かなのだ?侯爵たちも何を考えておる?」
陛下が深くため息をつく。
「その理由はジェスター侯爵が置いていった2通目の封筒に書いてありました」
私は少しためらったが、仕方なく話しを続けた。
「第二王子、いやアロンドは陛下の血を引いておりません」
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