王城・謁見室にて
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前作「ボーっとしている王太子殿下と婚約した侯爵令嬢は苦労する」も公開中です。
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是非ご覧ください。
カルロが王城に使者として訪れた翌日、お父様と私、そしてボクデン様の3名が王城の謁見室に赴いた。
謁見室には既に国王陛下、王太子殿下、当家とシーウェス家を除く侯爵家が揃っていた。
前日使者であるカルロに国王は翌日早々にでもジェスター侯爵とその令嬢フローリアと会談の機会を持つことを約束し、その旨をしたためた手紙を持ち帰るよう伝えた。これにジェスター家が応えた形だ。
カルロが城を出た後、国王から王妃、第二王子は謹慎を言い渡された。
王妃、第二王子は不服として喚き散らしたそうだが近衛騎士にそれぞれの居室へ連行された。
王妃の兄であるシーウェス侯爵はジェスター家との会談への参加は認められなかった。同じ軍務閥であるカーライル侯爵の参加は認められたものの、発言は許されていない。
会談の初めに国王陛下からそういった説明を受けたが、私は正直それどころではない。
何故お父様はボクデン様を同行させたのだろう?さすがに陛下との会談に武器は持ち込んでいないが、そんなものこの人に関係ないじゃない。私が心配してボクデン様の方をチラ見すると人の気も知れずにこう言った。
「おうおう、なんじゃ心配事か?このおじいちゃんは武器なぞ無くても大丈夫じゃよ?安心いたせ、そこの騎士程度何十人いようと問題にならん」
優しく微笑むボクデン様。全然安心できない!ん?優しさってなんだっけ?
ボクデン様の言葉を聞いて近衛騎士たちが殺気立つ。
「やめよ、その方のおっしゃられているのは正しい。お前たちは意地を張って意味のない死を選ぶつもりか?」
王太子殿下が近衛騎士に冷たく言い放つ。
近衛騎士は有力貴族の子息が箔をつけるために入団するから見た目だけで実力はそれほどでもない。多分、私の方が強いだろう。それでいてプライドだけ高いから嫌になる。
「すなぬな。王国は長きにわたる平和の世に慣れすぎたのやもしれぬ」
国王陛下がそう述べたのだが。それ、お父様の地雷。
「長きにわたる平和ですか。おかしいですねぇ、我が侯爵家は未だに戦い続けておりますが?」
国王陛下の顔が青ざめた。
「もちろんだ、侯爵。我らはジェスター侯爵家の献身に常に感謝しておる」
慌てて王太子殿下がフォローに入る。ばーかばーか。
「まぁ、当家の領地が王国領でないとするなら、それはそれで良いのですが」
お父様がつぶやいた。つぶやきなのに全員に聞こえたね。みんな顔が引きつってる。
「それはさておき、まずは当家からのお願いに対してお答えをいただくことを優先しましょう」
お父様が笑顔でそう言った。
「うむ。そうであるな。まずは第二王子のしでかしについて詫びよう、すまなんだな」
陛下はそう言った。もちろん頭を下げることはない。
「フローリア嬢にもお詫びしよう。第二王子への長年の献身を無碍にしてすまなんだ」
私は黙って陛下に礼をとる。
「侯爵からの手紙ではフローリア嬢と第二王子の婚約は、第二王子の有責にて婚約破棄。慰謝料の請求と細かなことを打ち合わせたいとのことだな?」
陛下は手紙を確認しながらお父様の方を向きながら続けた。
「第二王子有責による婚約破棄は認めよう。慰謝料についても払おうとは思うが金額は相談できぬか?国の予算1年分のうち半分はかなり厳しい。それと細かなこととはどの辺を言うておる?」
「まずは婚約破棄をお認めいただきありがとうございます。慰謝料については妥当な金額だと思っておりますが、ご相談には乗りましょう。詳細はアングファ財務卿とご相談の後、陛下にご決済いただきましょう」
お父様がにこやかにそう答えたので場の空気が少し和らぐ。
「細かい部分とは第二王子殿下の処遇、騒動の際に殿下の周りにいた側近と男爵令嬢の処分についてですな」
お父様が顔から表情を消して続ける。
「第二王子殿下は廃嫡の上で幽閉、それ以外は身分に応じて平民落ち、労働奴隷、死罪が妥当でしょうな」
謁見室が凍り付いた。
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また次のお話しでお会いしましょう。




