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運命の恋の隣で  作者:
交わる気配
14/28

第3話 崩れる夜

セイラが天井を見上げた。


「明かりが、さっきよりも……」


次の瞬間、すべての明かりが消えた。


ガラスが割れる音。悲鳴。


刃が一直線にセイラへ向かう。


セイラはシンシアを床に押し倒し、扇で刃を受けた。


「動かないでください。」


扇に炎をまとわせ、刃を溶かし始める。


赤い光の中、白い仮面が浮かび上がった。


「聖女様を我らの元へ」


暗殺者は、溶けかけた刃をセイラの喉元へ向けつつ、

空いた手でシンシアを狙う。


セイラは身を翻し、暗殺者を蹴り飛ばした。


暗殺者は刃を投げる。


布が裂け、袖に血が滲む。


騎士隊がなだれ込み、暗殺者たちを捕らえる。


やがて、明かりが灯された。


袖を押さえるセイラの姿が、浮かび上がる。


「セイラ嬢、お怪我を!?」


「問題ありません。――シンシア嬢は?」


セイラは息一つ乱さず、シンシアに近づいた。


「直ちに全ての出口を封鎖しろ! 一人も逃すな!」


アルベルトが鋭く指示を飛ばしながら、こちらへ向かってくる。


「セイラ嬢、すぐに医官が来ます。少しだけ耐えてください。」


「この程度、かすり傷です。」


二人は短く言葉を交わす。


アルベルトは、座り込んでいたシンシアへと視線を向けた。


「怖かったでしょう、シンシア嬢。」


差し出された手。


シンシアはそれを見つめる。


「レオン、シンシア嬢を客室へ。警備を万全に。」


アルベルトはなおも周囲へ指示を出しながら、その場を離れていった。


セイラは、何事もなかったかのように凛と立っている。


(私は、守られるだけだった。)


震えが、止まらない。


レオンハルトが近づいてくるまで、シンシアは自分の手を抑えることすらできなかった。


――その夜は。


予期せぬ出来事によって、デビュタントは幕を閉じた。

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