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勇者戦争  作者: sizu.
第五章 北の勇者編
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侵入

「ゲン……本当にいいのか…?」


タイグはゲンに問う。本当に"戦争"が正しいのか、ゲン本人はそれでいいのか。


「あぁ、構わないさ。でも俺は戦争をタイグには強要しないよ。君にも選ぶ権利はあるから。」


ゲンは淡々と語る。今までとは明らかに違っていたゲンの姿には少し恐怖を覚えていた。


「でもっ!お前が一番嫌がっていただろ!俺は!お前がそれでいいのかを聞いてんだっ!!」


タイグは声を荒げたが無駄だったのかもしれない。


「いいと言ったはずだ。もう……どうだっていい。」


ゲンはもう全てを諦めていた。それを察したタイグはもう言うことをやめた。


「すまん。お前が良ければいいんだ…。」


タイグはゲンのもとを後にした。






「ゲン……どうか、したの……?」


ゲンは僧侶であるナオのもとを訪れていた。


「ナオ。明日から本格的にイーストを落としに行く。あそこは内乱から少ししか経っていないから軍の数や物資はこちら側が優勢だ。そこでお前には"あれ"を使ってほしい。その後はいつも通り、クシュとタイグのサポートに回れ。そして幹部だったり、兵士を対処次第、兵士の治療か他の場所へ周れ。他の奴には伝えてある。頼んだぞ。」


ゲンはナオの目を見ているようで見ていなかった。どこか遠くの人を睨めつけるように一直線を見つめていた。


「は…い。」





ーーエゴン。お前は先にイーストに潜入し、誰でもいいから暗殺してこい。可能なら王族を殺せ。ーー


ゲンに言われエゴンは素早い足取りでイーストへと向かっていた。



「流石に警備ありますよね…。はぁ、取り敢えず行きますか。」


エゴンは透明になり門をくぐる。


「増。増。」


エゴンは三人になった。元のエゴンは指示を出す。


「王族を探してください。見つけ次第、殺してください。」


「了です。」


エゴンは三方向に分かれ、散策を始めた。



侵入してから数分後、エゴンの一人は第二王女を見つけた。そばで座って寝ているのは第三王女か……。


「見つけました。殺します。」


エゴンはナイフを取り出し、忍び寄る。


「何をしている。」


「は?!」


エゴンは思わず振り向いた。そこには有名なイースト護衛騎士団団長ワルパフ・カイゴウの姿があった。


「四象景律(ししょうけいりつ)……」


「ギャァァァ!」


侵入者は私の姿を見るなり叫んで窓から飛び出した。


「万剣穿空(ばんけんせんくう)。」


私は無数の剣を放った。全部当てたはずだが侵入者の姿は跡形もなかった。


「この時期の侵入者……。ノースか…?そして姿は消えた。エゴン・パールンか。」





「分身が一人消えた…!ワルパフ・カイゴウ!これは無理ですよ…!ん?あれ?!え?!」


エゴンは脱出を試みようと走っていると突然転んだ。


「足になんかついて……赤黒い…?まさか血?!」


「流石は盗賊さん。いい観察力。あたしのこと知ってる?」


え…この人凄い可愛い…!そして綺麗…!いやいや、相手は敵です…!!こんなことで動揺しては…。というか、あんな人見たことないような…。


エゴンは思考を巡らせていたが上手くはいかない。なぜなら、第六支部長チギリ・ブラトは五カ国の中ではトップ級に容姿端麗なのだから。


「あたしはイースト護衛騎士団第六支部長、チギリ・ブラト。ワルパフ団長は相変わらず仕事が早くて助かるよー。すぐに行動できた。」


尚、本人は自分自身が男女問わず好意を寄せられている事に気付いていない。無意識のうちに…!!


「がわ゙い゙ぃ゙!!」


「え、えぇ…。褒めてくれてありがとう…!でも、言われるほどでは…」


なぜ、謙遜する!!エゴンは心の中で叫んだ。


「殺したい……!」


「あなたはエゴン・パールン北の勇者パーティーのシーフだよね?じゃあ申し訳ないけど、拘束します。」


「へぇ?」


エゴン・パールン、拘束。



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