握手
「戻るって…アズマ様は■に会えたんですか?!」
リンはグイグイ詰めてくる。
「あぁ、あの人は神、そして…俺の父だった。」
俺は今まで分からなかった■。父の正体を明かした。すると二人は目を丸くし驚いていた。
「もっと、お父さんと話さなくて良かったの?」
シンさんは気を遣ったような質問を投げてくる。
「正直、もう少し話したかったんですけど…今はこんな戦争をさっさと終わらせたいんで。」
「ありがとう。」
シンさんは優しい笑みをこちらへ向け礼を言った。
「こちらこそ着いてきてくれてありがとうございます。勿論、リンもありがとう。」
「はい!では、戻りましょう!」
リンは先程まで心配した表情を浮かべていたが、少し元気な表情に戻っていた。
そこから一時間程かけて地上まで戻ってきた。神層まですぐ行く道が一直線すぎるんだよな…戻りは普通に攻略って…父さん、そこは変えてくれ…。
そういえば…ナミと迷い込んだ時、父さんは居なかった…。つまり、あそこは神層ではなかったのか…?あるいは神層が広い…?まぁ、今はいいか。
「蒼炎の乱にてノースの北靖騎士団副団長や有名冒険者のサクを殺したことであちら側が攻める理由も、こちら側が攻める理由も大いにあります。外交に関しては姉様の変わりに他の者が行っています。」
コウさんが現在、ノースと戦火を交えるかについての会議中であった。
「失礼します!ま、マーガレット様がお目覚めになられました!」
会議中に医療班が報告に入ってくる。
「そうか、ありがとう。リン、姉様の所に行ってあげな。君は引き続き姉様を見てやってくれ。」
「かしこまりました!失礼します!」
「兄様。ありがとう。」
医療班はリンとともに部屋を後にした。
「コウさん。一つ考えがあるんですけど。」
俺は手を挙げた。北の勇者パーティーを見るに厄介なのを先に消しておいたほうが絶対にいい。
「その考えは?」
「ちょっとした宣戦布告ですよ。俺はノースとバチバチにやり合う。今までも戦ってきたんで。それで、考えっていうのが……」
ノースは四カ国の中で唯一、勇者、魔法使い、僧侶、タンクという王道な勇者パーティーに加えて、拳闘士、シーフの計六名のパーティーにて冒険者として行動したり各々の力を活かし戦争にて戦果を挙げてきた。
「みんな今日もいい戦いっぷりだったな。久しぶりに全員で迷宮探索したけど、合わせられて良かった良かった!」
北の勇者、ゲン・ダリア
「さっすがはゲンさんですね!尊敬です!」
シーフ、エゴン・パールン
「回復…うまく、できた…。」
僧侶、ナオ・ヤシー
「うん。ナオの回復がなければ、あたしは連発できない。魔法を。」
魔法使い、マドー・イショヌ
「ハッハッハ!俺のタイミングはいつもいい!」
タンク、タイグ・モル
「ハハッ!そうだね。タイグはよく周りを見てるしね。」
ゲンは爽やかな笑顔で仲間を褒める。
「ホントそのとおりッス!タイグさんの守りなしでは自分氏は攻めれてないッス!」
拳闘士、クシュ・バース
北の勇者パーティーは全員が実力を持ち、仲が良かった。そして…
「あの…北の勇者様ですか?!」
一人の青年がゲンに話しかける。
「うん、そうだけど。何かあった?」
「あ、あの…僕、北の勇者様みたいに強くなりたくて憧れなんです!握手してもらえませんか!」
青年はゲンに対して手を出した。
「そんなことか、君には何もないんだね!良かった!勿論、喜んでさせてもらうよ。」
ゲンは青年の手を両手で握り何度も振った。そう、北の勇者はそのパーティーは、市民を愛していた。誰よりも、彼らのことを思っていた。
「ありがとうございます!」
「どういたしまして〜。」
ゲンは去っていく青年に手を振った。
「相変わらずモテてんな〜!ゲン!」
タイグはゲンの肩を叩いた。北の勇者達の周りにはまた、笑顔が溢れ出していた。
北の勇者パーティーも本格的に登場し、戦争への道が開かれていくような予感がします。




