蒼炎の乱②-謀勇一騎
「海原!」
リンは巨大な波のようなものを発生させ迫りくる敵を押しのけ、火を消化する。
「四象景律、花。椿。」
「きな。」
ローリエの合図とともに魔物が目の前に集まる。俺の剣が入り、魔物はゴォェと気色の悪い声を出す。
「きったね。」
俺は殺した魔物を押しのけ追撃を試みる。
「四象……?!」
ローリエの追撃により俺の剣は折れてしまった。
「蒼炎、おっせぇなぁ!勇者!」
「ゾンネ・ケルン。」
俺は即座に対応し、魔法を掻き消す。俺が再び攻撃を仕掛けようとすると「アズマ様!」と声がかかる。
何度も何度もうるさいんだよ。もう…いいだろ。
「アズマ様、聞いてください。大切な人を失うというのは辛いことです。でも、それにとらわれ続けていたらあなたが壊れてしまう!一度、頭を整理してください。さっきからアズマ様の攻撃は通用していません。アイツの思うつぼです。今、あなたは何のために!誰のために戦っているんですか?!もし分かっていないなら…せめて、今だけはイーストのために戦ってください…!これは……これは!単なるお願いではなく、イーストの王女としての!命令…です…!」
リンは不安そうな顔で泣きながら、話していた。そうか、俺は今そんな酷い状況だったのか……。今思えば、ナミの時も…そうだった。そしてリンに助けってもらった…。
「リン、ごめんな。ダサくて。でも任せとけ。お前の国を救ってやるよ…!あのクソ野郎から!」
「急に覚悟を決めてかっこいいですね。アズマ君。でも君は"本当に乗り越えられた"と思っているんですか?」
ローリエは俺を再び煽ってくる。その不敵な笑みに怒りが湧いてくるが今はもうどうでもいい。
「流石に親友の死はまだキツイかな…だから北の勇者は死ぬほどに憎んでるし殺したい。ちーのことも許せない…!でも、それは完全に俺の都合だ。俺の都合で世話になってる大切な人の故郷を壊すわけにはいかないからな!」
自分のやれることを全力で…
「ナミ、借りるぞ。」
俺はイメージをする。ナミの墓に供えたあいつの愛用の剣を。
ーレイ・レガリアー
絶加コピーの本質は触れた相手の絶加のコピーだが、アズマという一人の異世界人が、勇者がこれまでの経験により絶加の進化をもたらした。レイ・レガリア、自身の魔力を使用し武器を生成する。作られた武器は想いの強さによりオリジナルに近づく。
「リン。雑魚どもを頼んだ。コイツは俺がやる。」
「分かりました!アズマ様。お願いします。」
リンはその場を後にし魔物の捜索に向かった。一人だが物凄く心強い。すぐ近くにナミを感じるような…。
暖かい風が吹いたーーー。
「四象景律。木蔦。」
俺はこの暖かみが消えないうちに動いた。これが今俺に力をくれている気がしたから。
「今さら、愛だとか、友情だとかほざき始めた奴に俺を倒せると思っているんですかぁ?!火力最大!業炎蒼焦!!」
ローリエの様子から見て先程のの攻撃がだいぶ効いているようだ。
ナミ……お前は俺と違って強いし優しい。そんなお前が親友でいてくれて、嬉しかった。ナミと肩を並べるためにもここでやりきらなきゃいけない。
「四象景律-花。金木犀!」
金の吹雪が散りゆき、とてもいい匂いがした。
「ドワァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!」
「あぁ、なんだ。全然、金色じゃねぇじゃん。壊すなよ。せっかくのムードを……。」
ローリエが血を吹き出しているのを見て俺は笑ってみせた。
「アズマ様ー!こちらは片付けられたと思います!」
どうやらリンも終わらせたようだ。
「リン、おつかれ。一応確認しておくか?」
俺は冗談交じりに言った。
「いやいや、そんないい加減な仕事はしませんよ。アズマ様こそ大丈夫なんですか?」
リンも冗談を交えながら笑顔で応えた。
俺とリンが話しているとドカンと音が鳴り目の前に二本の剣があった。
「なんだこれ…?」
俺はリンに聞く。
「これ…もしかしたら、兄様が造った剣かもです。」
リンはまだ驚きが隠せない様な顔で言った。
「取り敢えず、その話は後にしよう。今は他のブロックの援軍に……」
『アズマ君!聞こえる?!』
どこに援軍に行くか聞こうとしていた矢先にコウさんから連絡がくる。
「どうしました?」
『突然、魔物の姿が消えてしまった。まだ暴れてるやつは対処可能だし被害状況等把握のためリンには一度王宮に戻ってきてほしい。』
「分かりました。」
「コウさん、俺は…?」
俺は援軍にでも行けばいいのか?
『ローリエを確保していれば、ローリエの連行をお願いしたいんだけど…』
「分かりました。リンと一緒に向かいます。」
『ということはローリエを…』
コウさんは少し信じがたい様子なのが声色から分かった。
『取り敢えず、よろしく頼んだ!』
「切った……。すいません。兄様が……。」
リンは俺と同じことを思っていたようでそれを口に出していた。
「忙しいからしょうがないでしょ。そんなことより、さっさと行こうぜ。」
アズマVSホーノ・ローリエ
勝者、アズマ。
サウスの四象景律-花の金木犀を東が使用できた理由には今回語られたコピーの進化に関わっています。東は経験値を積んでいき絶加だけでなく、武器、更には技をコピーできるようになりました。武器、技のコピーの制限はありません。■から教わった三連雅の使用も"技のコピー"の素質があっての事だったのかもしれませんね。




