蒼炎の乱-ウト襲撃
「ジャック・ビート!」
北靖騎士団副団長であるオトは波状攻撃を放ってくる。なかなかに強力だ…。
「アイツは俺に任せろ!皆は民の為残党の調査にかかれ!」
俺は後方で援護を試みようとする兵士に指示を出す。
兵士は「はい!」と前のめりな姿勢だと思えるほどの大きな返事をした。
「貸与、飛!」
ブーメランを取り出しその場で回転させる。
「音をかき消したか…。まぁ、破天荒と聞くしそれくらいはやってのけるか。」
俺はブーメランを前方に投げ、後を追うように距離を詰める。
「波状強化…!」
オトは再び音を剣にのせ、先程飛ばしたブーメランを弾く。
「馬鹿したな。」
俺はオトに聞こえるくらいの声で言う。それは何故か。アイツの波状強化は一度の攻撃又は、防御で解除される。そして波状強化を行うには溜めが必要。つまり連続では使えない。
「四象景律-節。冬凪。」
斬撃を入れようとした時ドォォン!と鈍い音が響いた。
「ガハッ!」
俺は音波攻撃をモロに食らってしまい吐血した。
「波状強化については流石。いつ気付きました?」
波状強化のからくりがバレているのまで想定していたのか…?
「元の情報あってのことだ。一度目の使用の時周りを覆う空気の揺れのようなものが一回で切れていたし、次の使用までのラグがありすぎたからな。それにしても、今の音は白目向いたぞ。」
「それは良かった。刺さると思ったんですよ。」
オトは俺を嘲笑うように言った。
「第一王子さん、実は今日ですね。俺にとっての記念日なんだ。だからササッと終わらせたいんだよねぇ。首、くれない?そしたらすぐ引くからさ。」
オトは突如顎をさすりながら言った。
「断る。お前は祖国の敵だ。王子である俺が盾となり剣となる。だが自ら首を差し出すほど愚かではない。正直それが一番手っ取り早いがな。逆に、首をくれたりは?」
「ないな。」
「だろ?だからこうして殺し合う。」
その場に数秒の沈黙が走った。
キィン!と剣同士がぶつかる音がその場に響く。
「超音波。」「四象景律-所、四島のかけ橋。」
剣をぶつけ合った後、互いに後ずさり互いに技を使う。俺は飛んできた超音波をいくつか斬り伏せるが所々にかすり傷を追う。
「そんだけか!」
俺は一気に距離を詰めようとする。
「重低音波。」
だが遅かった。右腹部がごっそり削られており俺はその場に倒れ込んだ。
肝臓、腎臓、膵臓やらの臓器の損壊。正直、苦しかった。
「痛そう…。俺の優しさですぐにあの世へ送ってあげましょう。」
近づいてきたオトを俺は見上げる。
「その必要はないぞ……!こんな状態……初めてなったんでね……もう少し経験させてっ…貰おうか…!」
俺は小刀を投げオトを後退させ、立ち上がった。
「うおっ…。マジか……。よく生きてるね……。」
「うるさい……!あ゙ー、くそ…つかうきなんてなかったんだけどな……。まぁいいか…!」
俺はどのみち助からないだろう。なら一人でも敵を減らせれば…
「本望!!貸与…魔剣…!」
「お前……何して……!?」
「何故に動揺するんだ…?怖いのか?!世の理に反する力が!俺の…命をくれてやる…!貸与なんかじゃない!いただこう!俺の命を代償に…最強の剣をできるだけ多く…!」
俺は俺のイメージなんてどうだって良かったからとにかく叫び散らかした。すると手元に二本の剣があることがわかった。なぜだか剣が軽く感じた。
「超重低音波ぁ!」
オトは明らかに焦っていた。俺なんかの力で焦るとは片腹痛い…!
「四象景律-時。真世。」
これは生涯一度の技。誰もが覚えられる技。でも威力は本人の技量と"人生"が大きく関わる。
一瞬時が止まり、一瞬でオトの後ろに回っていた。
「ぐわぁぁぁぁ!!」
オトは叫びながら全身から血しぶきを出し、ぐちゃぐちゃになるまで圧せられたり、もとに戻ったりしてもう人の形を留めていなかった。
「す……素晴らしい技…だ、な……。それ、と…もう……楽に、し、てく…れ。」
どうやらまだ息があるようだ。だが俺も満身創痍で何を言っているか何一つ分からずその場に倒れた。
「この魔剣は……東の勇者に、託す……。コイツらをどうしようと…。東の勇者の勝手だ……。」
雨だ……。晴れているのに何故だろうか。ん?気のせいか…?視界が霞んでいるせいかその雨は赤く、血のように見えた。
「イーストに……栄光…あ、ぇ………」
モロ・イーストVSオト・ビート
両者、絶命。
数え間違えで蒼炎の乱編はもう少しかかります。よろしくお願いします。




