勝利と裏切り
「きゃあ!た、助けてぇ!」
「やめてくれ!どうか子供だけはァ!」
「飛び交う悲鳴、子を庇おうとする親。他にも人の欲が飛び交ってぇ、いいねぇ。それを主菜にぃ!主食をぉ!頂く……。あぁ、今夜はよく眠れそうだぁ。」
一人の男は声を張って言う。そしてパンを食べていた。
「私だって勇者になれる実力があったというのにぃ見ず知らずの異世界人を召喚っ……。更には無断で召喚したのがバレ、捕まりそうだなんてぇ。なんで私はあんな王に忠誠を誓おうとしていたんだぁ…。危ないねぇ。」
"国内最強冒険者パーティー"、三獣天。〈一天〉ケーノ。絶加、獣化:狼。
「酷い有様ですよ。今日は残業…的な?」
イースト護衛騎士団副団長〈疾風〉シン・ジェクト、現着。
「さーてやるか。ウインド、アネ・モイ。」
四方向から風が吹き荒れ、魔物を一掃する。
「人もいるか……。ちょっと乗り気じゃないかな……。」
俺は頭をポリポリとかいた。人を殺すのは自分の流儀に反しているし、一般市民の避難も完全には終わっていない。
「旋風!!」
突如、狼のような魔物?が飛び掛ってきた。
「魔物が喋った…?」
「何を言う?!私は三獣天、ケーノだ!」
「あー最強パーティーってやつ……。そんな君がなんでこんなことを?」
俺は犯人や動機を探るため聞く。
「私は気づいたんです。魔物の断末魔では主食を美味しく食べれない…。ですが!人の不幸は蜜の味というように!人の苦しむ姿がァ一番主食をおいしく食べられるとわかったのですゥ。」
とんだサイコパス野郎だ……。真面目にヤバいやだったなんて…。
「それなら自分の悲鳴で飯を食べておけばいい。」
「それはないな。センス。」
ケーノはいきなり真顔になって言った。
「取り敢えず首謀者を君と仮定させてもらいますよ。」
シンVSケーノ
「みなさん!逃げてください。緊急避難所まで走って!」
リンは魔法を使いながら大声を発し、避難を促していた。
「にしても、この魔物達…筋肉質だな…。」
「そういう種を選んだんじゃないんですか?」
「知らねぇ〜。」
俺は魔物を倒しながら、雑談をしていたが、そこには見覚えのある姿が映った。
「ちー…?」
「ホンッ!ポギャァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙。」
あいつは…ちーだ…!ちーは丸っぽい感じなのだが突如そこから筋肉質な体と手足が生えてきた。
「嘘だろ……。」
「フンギィ!!」
東VSちー
「蒼炎か……。」
「コウさん…。わかったんですか?首謀者。」
「絶加が、蒼炎……?」
脳内にある言葉を口にする。するとエヌさんが口を開く。
「魔法の属性であるものは加護にはならない。」
「それって…!」
「え?!知らないんですか?蒼炎は炎です。炎は火属性なので絶加として授かるはずがないんです。」
この襲撃時の蒼い炎……出身地は不明……絶加としてありえないはずの蒼炎……緊急会議に不参加……。
「ホーノ・ローリエ……。でも…何で……。」
「私、本で昔読んだことがあります…。昔、サウスの幹部にローリエと名乗っていた者がいてその人はノースのスパイだったという文献がサウスにありました。でもその出来事はちょっと昔の事なので……。」
エヌさんが言うローリエとホーノ・ローリエは別人……?血縁関係が…?
「あ!あと、その本には他にも書いてあったことがあって、ローリエは異国の地の花で花言葉は勝利。ですが、花だけの状態のの意味は裏切り。」
「えっ?!それじゃあ、ずっと……自分がスパイと言っていたようなものなんじゃ……。サウスとの戦争開始時にノースの攻撃が増したのは……!あー、そうだよなぁ。ローリエについてなんて誰も知らないよな……。エヌさん、ありがとうございます。助かりました。」
首謀者に繋がった…!俺はエヌさんにお礼を言い、通信魔法を発動する。
「蒼炎の乱の首謀者は…ホーノ・ローリエ。見つけ次第拘束してください。最悪の場合、その場で殺すことを許可します。」
『了解。』
すぐに返答が返ってくるがその声には不安や戸惑いが混じっていた。
「まだ、気づかれていないといいんですけどね。まだ始まったばっかりですし。フフフフ。」
ホーノ・ローリエはとある場所から蒼炎と悲鳴に包まれたイーストを見渡していた。




