淋しさ故の涙
「あ゙ー、くっそまだ頭いてぇ……。」俺は天井を見ながら呟く。
戦争終結から一週間。あの後、俺は救護班に助けられ王宮内の医務室にてまだ休んでいた。
イースト護衛騎士団付属医療班、オスナの〈聖母〉ゲール・スナオさんによれば絶加の力に俺が耐えきれなかったらしい。
確かにあの時は変な感じだったんだよな…。今までにないようなあの感情……あんなに感情をむき出しにしたことなんてなかったもんな…。俺にとってあの二人がそんな大切な……
「失礼します!」そんな事を考えているとコンコン、と誰かがドアをノックする。その声は聞き覚えのある……リンだ。
「アズマ様、大丈夫ですか?」
「あぁ、まだちょっと頭と体が痛いなぁってくらいだから。」俺は心配してきたリンに今の状態を説明する。
「そうですか……。これ、果物なんですけど食べますか?」リンの差し出したかごを見てみるといっぱいに果物が詰まっていた。
「ありがと。」俺はかごから一つの果物を取りそのまま齧る。
「おいしい…」一口齧るとシャキッとした心地の良い食感に加え甘酸っぱい果汁が口の中に広がってくる。
りんごみたいな感じでも味は別物だった。俺は手が止まらなかった。どこにでもあるような果物だった。市場でも見たことのある。でも、なぜだか止まらなかった。
「気に入ってもらえてよかったです…!」リンはそう言って、俺の目元に指を添えた。
「リン、どうした…?」
「何でもありませんよっ!残りの果物もここに置いておきますね…!ゆっくり休んでください!」リンは近くの棚にかごを置く。
「アズマ、私……」
リンが部屋を立ち去ろうとした時
"リンは何かを言おうとしていた気がする"
「おーい!見舞いに来たぞー!」シオンさんが勢いよく扉を開けた。
「あ、シオン様。お疲れ様です。」リンはシオンさんに会釈をする。
「リン様もお疲れ様です。」シオンさんもリンに会釈をする。
「リン…!何か言おうと……」
「アズマ様、こんなことに巻き込んで申し訳ありません……。これからもお願いします…!」俺の言葉を遮り、リンは頭を下げる。
「そんなの今に始まったことじゃないよ。こちらこそ、よろしく!」
「ありがとございます!では、失礼します!」リンは部屋を後にした。
リンは笑っていたが、どこか寂しげな表情をしていた…。
「お前、何で泣いてんだ?」シオンさんが俺に聞いてきた。
「え?泣いてます?」
「アズマ……好きです………」は床を見つめながら呟いた。
文字数がぴったり千文字!!!




