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まければなにものこらない

18 勝者こそ全て



二日の休日も明けて既に三日


今日はラッセルとの殺し合いの日だ


休日明けからラッセルは学園に戻ってきていた

しかし話すことも無く部活にも来なかった


その目に感情はなく

挨拶をしても会釈をされるだけだった


部活も自由参加とは言っているがソワソワとした雰囲気だった


全体的に軌道には乗ってきたが


やはり今日の殺し合いのせいで気分はあまり、という感じだ



夜がくる


寮の前…



ラッセルと俺とヘラが向かい合う


それらをみる審判代わりの人はネビュラの称号を持つ人物らしい


学園ナンバーフォー、四番目に強い人で魔法学部らしいが…印象に残ってないな


「…ラッセル、頑張ってね」

「…」


ネビュラの人はラッセルに一言声をかけると俺らに向かい合うように言う


「…大丈夫です、私情は持ち込みません、これよりスターダストの称号を賭けた殺し合いを始める

魔法空間での殺し合いにより戦闘後の生死は保証される


勝敗はこのモノリスが反応するまでだ…私はあくまで見届け人のためこの死合における内容はモノリスに吸い取られる、安心して死力を尽くせ」


そういうと星空がそこにあるような台座が光り始め


空間が広がる


俺らはその空間にのまれていった





「久しぶりだな?毎日会ってるのに返事も返してくれないけれど?」


「話すことなんてないわ」


ラッセルはそう返すと両手に杖を握る



いつの間にかもうひとつ杖が増えていた


「おれはもっとお前と話していたいんだが…」


「…じゃあどうしてその子は弾かれなかったの?この空間はあなたしか来れないはず」


そう言いながらヘラを見る


ヘラはナイトグロウを構えたまま何も喋らない


「こいつはお前と同じ奴隷でな、俺の物なんだわ」


「…そう、人をモノ扱いして連れてきたのね、可哀想に


もういいわ、しになさい


スターダストアーマー」


そう呟くとラッセルは分厚い鎧に覆われた


重装の鎧の背後には似たような鎧の幽霊?が現れる


さらにスライムのような丸っこい…召喚獣とスターダストドラゴンが現れる


召喚獣と分かるのは、感覚的にだが、あっているだろう


「つっ…」


そしてはるか遠くの月から

魔物が降ってきていた



もう話す猶予はくれないのか


「いきなさい、セル、ドラゴン」


目の前に幽霊が現れ、たたっ斬られた

ドラゴンが身体を貫き

セルと呼ばれた召喚獣がとばした分体?が体にまとわりついて血を吸い出す


…うえ、キモイ



持ってきたパラジウムの剣で振り落とす

気を抜けば今の攻撃だけで膝を着くだろう


「ナイトグロウ!」


しかしそれからの追撃は来ない


ドラゴンとヘラが距離をとりながら争い始めた



魔物が落ちてきた


ワーム、というのが正しいだろう

足が沢山あってとてもキモイ、うんキモイ


他にもセルと同じような泡みたいなやつと人型のなんかよくわからん生き物だ


それらを付け焼き刃の槍で振り払いながらラッセルに近づく


「悪趣味な魔物だなぁ!」


「うるさい!」


大振りな槍は杖で防がれ、突きは躱された


「ざこが、あの時負けとけばこうもならなかったろうに」


「その雑魚にお前は負けたんだけどなぁ!」


「減らず口を!」


瞬きの間に現れた鎧の攻撃を槍で受け止める


「おねがいしやす!虎さん!」


槍から白い光が放たれ鎧を後退させた


虎さんは出てくれない

そして光もすぐに消えてしまった



まぁ知ってたけどさぁ!


魔物に手頃なボールを投げつける


魔物が多く出し渋ることは出来ない

ボールは空中で放電してその場に落ちた


電気ショックが効く事にひとまず安堵し、ラッセルに近づく


「…電気、くらってやるものか」


そういうとラッセルの背中に羽が生える


そのまま宙へとにげる


「っあ!?ずるいぞ!マジで!降りてこい!」


「…ふん、アーマーに勝手に付属してるんだ、使って何が悪い」


「理由かわいいかよ!くそが!」


電気ショックボールを投げる

起動はさせていない


ラッセルは大ぶりに避けた


明らかな警戒を見せている


落ちる衝撃で壊れてしまうため回収しようとしたところで魔物の邪魔が入る


加えてセルから分体をつけられた

明らかに継続して体力を奪うやつだろう


「武器も三つ使いやがって!」


「お前に言われたくないわ!」


「たしかに!」


槍として使っているタイガースタッフと剣と数に限りこそあれ秘密道具多数


あとヘラ


スターダストドラゴンは一切こっちに来ないし、魔物もやってくれてそうだ


マジありがとう…


「調子が狂うなぁ!」


ラッセルが魔物のセルを掴んで投げてきた

ややこしい!


剣で斬ると分裂する

こちらは分体と持続系じゃないようだが分裂も厄介極まりない



人型の魔物は腹か背中のど真ん中に一撃入れると怯むので対処はしやすいが…ラッセルには近づくことも出来ない


「そのまま俺がくたばるまで見てるつもりか!卑怯者!」


「結構!勝者こそ全て、負ければ何も残らない!」


「じゃあ喰らえ!」


「きゃ!?あがががが!?」


ドローンによる強襲、もちろん電気ショックだが…


無理改造によるものなので魔物用電気ショックのと比べて威力は相当低い


やはりこれでないとダメか…

腰にあることを確認する



「く、ぐう!卑怯な!」


「あぁ!?結構言ったやつは誰だ!」


「…ふっ、わたしはいいの!」


「わがまま!」



唐突に閃いた



分裂したセルの魔物を足場に


「ぐぅ…」


バランスが悪い!


空中に躍りでる!


「おぁ、なっ!」


腰からビリビリ棒を取り出す

振り上げた勢いでカシャカシャと伸びていく



急に跳んだことに反応できておらずラッセルは空中で驚いている…が


振り上げた時に我に返ったようで後ろに移動し始めた


「二度も食らうか!」


「とど…けぇえ!」


ビリビリ棒を投げる



「くううっ!?」



が、身体を捻って躱される


「驚いたけど!それだけだ!落ちて死ね!」


しゃわしゃわと下に音が、魔物の音が集まる



「いい顔で笑ってるじゃん」


嘘だ、ラッセルの表情はまゆひとつ動いてない


「なっ!わ、わたしが!?」


慌てて頬に手を当てている


動揺したな?


腰から銃の形状のスタンガンを取り出す

「あぁ、いい笑顔だー好きだぞ」


このスタンガンは電気の球を飛ばす名前通りスタンガンだ


威力は、対大型魔物


人に当てるようなものじゃない


引き金をひく



身体が落ちる中狙いは上手くいった


パルと偏差射撃の授業受けてて良かった、ということにしとこう



「つぅ!」


ラッセルの顔が引き攣る、本当に初めて顔色が変わる



しかし、召喚獣のセルがその射線上に入った


バチィッ!


落ちている自分も肌がピリつく範囲の威力が…ラッセルに届く前に弾けた



「あっは!ざんねん!惜しかったね!」


ラッセルの顔が歪んでいたが


落ちて…しぬっ!



何とか、ラッセルが落ちるところを見ようと落ちる覚悟を決めて目を開く



ラッセルの背後には人影


「本物はこっちなんだぁ」


クワガタのような直に当てるスタンガンを持ったヘラがラッセルの背後にたっていた


「は?なんだおまっぁ!?カヒュ…」


「見事だ、ヘラ」


何故かヘラに存在する二階相当の位置にある透明な床


それを堂々と歩いて背後をとった



あとはヘラの気が済むまでボコボコルートだ


俺はそれまでに負け判定を貰わなければいい


空中で体を丸めて頭を守る



落ち方は…左側面からだった



落下の衝撃がアホみたいに痛い


バチチチチッ!


遠くでスタンガンの音がする


わしゃわしゃと魔物の足音が近づいてきた


魔物どもに見下ろされるようになりながら


「…勝ったな」


俺は勝ちを確信し、魔物にボコられて意識が遠のいた





「ラッセル!ラッセル!」


ネビュラ…ボロいフードを被った女性の声の人が白い髪の女性を抱き抱えて呼びかけている


「…つぅ」


ズキズキと頭が痛い

しかし全身はまだ高揚感で痛みはまだ感知していない



強がっていられるのもあと少しだろう


「ヘラ、ポーションは余ってるか?」


「…一応あるけど」


ボコした張本人は罰が悪そうだ


魔法以外の攻撃…剣は知らないからなんとも言えないが、少なくとも電気ショックは現実にも反映される


二人でラッセルに近づく


ネビュラが呼びかけているが反応はない


「お、おまえら!ラッセルに何をした!どうして現実で倒れるんだ!」


どうやら本当に記憶は抜けているようだ


「それより勝ちはどっちだ?」


「ぐ、ぬぬ…お前だけど!教えろ!場合によってはこの試合は無効だぞ!」


「言ってることむちゃくちゃだぞ?」


ポーションを口に含んでラッセルに口移しで流し込む


わー、きすだー


…ヘラに持たせたポーションは金によりをかけさせてもらったものだ

部位欠損の再生も始まる効力、期待してるぞ


自分も奥歯に仕込んだりしたけど慣れてないからそうそうに全部使った

なんなら麻酔…はないから麻痺薬?を麻酔扱いで飲んだ、正直ヤバい


エナジードリンクを短時間に一気に飲んだような気分になり後で気絶する気がしている



「はわわわわっ!」


ネビュラが耳を真っ赤にして尻もちを着いている

フードにレースカーテンとあって耳しか見えてないのにその耳が真っ赤だ

なんとまぁわかりやすい


「ぶーぶー私もがんばったんですけどー」


俺より頑張ったとおもうよ?


その戦いぶりは見てないが序盤、中盤、終盤、ついでにトドメ

全部やり切ったよね


「こふっ」


ラッセルがむせた


「んぐっ!?」


離れる瞬間、ラッセルの青い瞳と重なる


「ごほっ…んんっ!あー」


これ以上の過剰摂取はやばいと警笛がなっておるわ


「やーい、初キスむせられてやんのー」


「は、初キスじゃないし!?」

初キスな気がする…

いや、医療行為だからノーカンにしない?


全身が燃えるように痛み始めた


アドレナリンパワーもここまでか


「…ヘラ、勝った時用のやつで頼む」


その場に座り込む


全身から力が抜けていくようだ


「………ん……ぐぅあ…」


「男の子なんだから我慢しなさーい」


おにか?

体内から針が飛び出るような痛みだ


「…ラッセル、何されたの?大丈夫?」


「…ネビュラ、また、負けちゃった」


「ふふん、チェリーはあんたの心を盗んで行ったのよ」


へらぁ!?それ没ってかいた…漢字よめないのかぁぁ!!


魔法世界に

…漢字はない!


最後の記憶はそれだ、我慢するよか、意識を手放した


「なんですか、それ…」


「チェリーが言えって、あとは、えっと?」


「ふふっ……えぇ、盗まれてしまったわ…私の、全て……うれしい」

「…うわぁ」

…そろそろ日が暮れる頃ですかね?

たくさんの人が見てくれてると嬉しいです

…まだ続きますけれど


さらっと新キャラ出したし

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