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異世界転生したら、ヒロインが全員ボケだった件  作者: 関澤諭


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6/19

全員ボケが同時に動くと世界はこうなる

 走っている。


 全力で。


 理由は簡単だ。


 後ろから“明らかにヤバいやつ”が追ってきているからだ。


---


「待てぇぇぇぇ!!」


 黒いローブの男が、森の中を高速で迫ってくる。


 どう見ても敵。


 どう見ても危険。


 どう見ても関わりたくないタイプ。


---


「なんで俺たち追われてるんだよ!!」


「悠斗のせい」


 ユイが即答する。


「なんでだよ!!」


---


「世界の歪みって言われてた」


「それ第4話のやつだろ!!」


---


「つまり原因は悠斗♡」


「まとめ方雑すぎる!!」


---


「まあいいじゃん!」


 ミナが笑う。


「逃げれば問題ない!」


「問題しかない!!」


---


「大丈夫です♡」


 アリスが微笑む。


「心を開けば分かり合えます♡」


「今それやるタイミングじゃない!!」


---


「むしろ今しかありません♡」


「なんでだよ!!」


---


「感情が高ぶってる時ほど、本音が出ます♡」


「カウンセリング理論を戦闘に持ち込むな!!」


---


 その時だった。


---


 ミルフィーナがくるっと振り返った。


---


「変身します!!」


---


「今!?」


---


「こういうのはタイミングが大事なんです!」


「遅いだろ!!」


---


 ステッキを掲げる。


 光が溢れる。


 音楽が鳴る。


 なぜか。


---


「✨キラキラ変身〜✨」


---


「フル演出!?」


---


 後ろから敵が迫っている中で、完全に変身シーンが始まった。


 回る。光る。ポーズ決める。


 長い。


---


「長い!!」


---


「もう少しで終わります!」


「もう来てる!!」


---


 敵、すぐそこまで来ている。


---


 ようやく変身が終わった。


---


「完成です!」


---


「遅い!!」


---


 その瞬間。


 ゴンザレスが立ち止まった。


---


「どうした!?」


---


「……敵、排除」


---


「やっとまともなやつ来た!」


---


 ゴンザレスが拳を振り上げる。


 敵に向かって――


---


 そのまま地面を殴った。


---


「なんで地面!?」


---


 地面が陥没した。


 全員、バランスを崩す。


---


「なにしてんだぁぁぁ!!」


---


「……地形、変化させました」


「ズレてる!!」


---


 その隙に、敵が距離を詰める。


---


「捕まえたぞ」


---


「やばい!!」


---


 その時。


---


 エリナが前に出た。


---


「ここは私が」


---


「お、やっとまともな戦闘か!?」


---


 聖女の力が集まる。


 光が輝く。


 これは強そうだ。


---


「浄化します」


---


「いいぞ!!」


---


 エリナは手をかざし――


---


 後ろのミナに当てた。


---


「なんでだよ!!」


---


「少し邪念が多かったので」


「盗賊だからな!!」


---


「え!? 私!?」


---


 ミナがキラキラし始める。


---


「ちょっと待って!? 体が軽い!」


---


「成功です」


「対象違う!!」


---


 敵、もう目の前。


---


「終わりだ」


---


 完全に詰んだ。


---


 ――その瞬間。


---


「やめてください♡」


---


 アリスだった。


---


 全員の動きが止まる。


---


 敵も止まる。


---


「あなたは悪い人じゃありません♡」


---


 静かな声。


---


「本当は、誰かに認めてほしかっただけですよね?」


---


 沈黙。


---


 敵の手が、震える。


---


「……」


---


「あなたは、ちゃんと頑張ってます♡」


---


 数秒後。


---


「……そうかもしれない」


---


「効いたぁぁぁぁぁ!!」


---


 敵がその場に膝をついた。


---


「……もう、いい」


---


 完全に戦意喪失。


---


 終わった。


---


 戦闘が。


---


 カウンセリングで。


---


 悠斗はその場に崩れ落ちた。


---


「なんなんだよこの世界……」


---


 ユイが隣に立つ。


---


「だから言った」


---


「何を」


---


「普通は存在しない」


---


 その言葉が、少しだけ重く響いた。


---


 ミナが元に戻る。


「いやー助かった!」


「お前が浄化されてたけどな!!」


---


 ミルフィーナがキラキラしている。


「やっぱり変身は大事ですね!」


「今回何もしてないだろ!!」


---


 魔王が頷く。


「いい連携だった」


「どこがだ!!」


---


 賢者が言う。


「戦術的には不明ですが、結果は良好です」


「まとめ方雑すぎる!!」


---


 タケシが鳴く。


 ゴンザレスが頷く。


---


 そして。


---


 悠斗は、ゆっくりと立ち上がる。


---


「……もう分かった」


---


 全員が見る。


---


「この世界、俺を壊しに来てる」


---


 ユイが答える。


---


「最初からそう」


---


 遠くで風が吹く。


---


 空は変わらず青い。


---


 だが。


---


 悠斗の中で、何かが少しだけ変わり始めていた。


---


 ――ヒロインは、まだ増える。

第6話を読んでいただきありがとうございます。

今回は「全員同時に動いたらどうなるか」を全力でやりました。

カオスが一気に加速してきましたが、ここからがこの作品の本番です。

少しずつですが、「この世界に普通が存在しない理由」も見え始めてきます。

ただし基本はコメディなので、気軽に楽しんでもらえれば大丈夫です。

そして――ヒロインはまだ増えます。

次は、少し間を置いてから“かなりヤバいやつ”が来る予定です。

引き続き読んでいただけると嬉しいです。

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