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異世界転生したら、ヒロインが全員ボケだった件  作者: 関澤諭


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11/15

分かった気になった瞬間が一番危ない

 夜。


 街の外。


 焚き火の前。


---


 静かだった。


---


 さっきの出来事が、頭にこびりついていた。


---


 同じ顔。

 同じ言葉。

 増えていく敵。


---


「……」


---


 佐藤悠斗は火を見つめる。


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「考えてる顔してる」


---


 ユイが隣で言う。


---


「してるよ」


---


「珍しい」


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「一言余計だ」


---


 ミナが笑う。


---


「でも分かるよ〜」


---


「何がだ」


---


「なんかさ、全部同じになりそうで怖いよね」


---


「……」


---


 図星だった。


---


 アリスがやわらかく言う。


---


「安心でもありますよ♡」


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「それが怖いんだよ!!」


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 エリナが真面目な顔で言う。


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「争いは減ります」


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「でも全部同じになるんだぞ?」


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 ミルフィーナが手を上げる。


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「じゃあ変身も統一される?」


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「それは絶対嫌だ!!」


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 話が逸れる。


---


「……説明する」


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 シオンだった。


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 全員の視線が集まる。


---


「やっとか」


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 悠斗が身を乗り出す。


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「この世界、なんなんだよ」


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 シオンは焚き火を見たまま言った。


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「この世界は、揃えようとする」


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「それは聞いた」


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「でも、それだけじゃない」


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 少しだけ間を置く。


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「ズレも、同時に生まれる」


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「は?」


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「完全に同じにはできないから」


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「無理やり揃えようとして、ズレる」


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 静かな説明。


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「だから」


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「会話もズレる」


「戦闘も成立しない」


「人も変になる」


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 全部、繋がっていた。


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「……」


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 悠斗は黙る。


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「じゃあ俺は?」


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「揃ってない」


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「つまり?」


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「まだ壊れてない」


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「その言い方やめろ!!」


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 ミナが首を傾げる。


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「でもさ」


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「うん」


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「ずっとここにいたら、どうなるの?」


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 シオンは少しだけ考えた。


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「いずれ揃う」


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「やめろ!!」


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 アリスが微笑む。


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「その時は、みんな一緒ですね♡」


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「怖いこと言うな!!」


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 ユイが言う。


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「悠斗もボケになる」


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「ならない!!」


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「もう半分なってる」


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「なってない!!」


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 ミルフィーナが言う。


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「試してみる?」


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「何を!?」


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「同じこと言ってみて!」


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「やらない!!」


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 全員が見る。


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 妙な圧。


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「……一回だけだぞ」


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 負けた。


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「……今日はいい天気だな」


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 言った。


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 その瞬間。


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 空気が、わずかに揺れた。


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「……!」


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 シオンが反応する。


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「やっぱり」


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「何がだよ!!」


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「影響を受けてる」


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「やめろ!!」


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 悠斗は立ち上がる。


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「俺は普通だ!!」


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「そう思ってる時点で危ない」


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「怖いこと言うな!!」


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 焚き火が揺れる。


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 一瞬だけ。


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 世界が、静かに揃いかけた気がした。


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「……」


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 悠斗は黙る。


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 そして。


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「……やっぱこの世界、壊す」


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 小さく呟いた。


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 冗談じゃない。


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 勢いでもない。


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 ただ。


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 このままだと。


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 全部、同じになる。


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 それだけは、絶対に嫌だった。

第11話を読んでいただきありがとうございます。

今回はこの世界の仕組みについて、少し踏み込んだ説明回になりました。

「揃えようとする力」と「その結果として生まれるズレ」という、この作品の軸が少し見えてきたと思います。

同時に、悠斗自身にも少しずつ変化が出始めています。

ただ振り回されるだけではなく、どう向き合うかを考え始めた段階です。

とはいえ、基本はこれまで通りコメディなので、気軽に楽しんでいただければ大丈夫です。

ここからさらに物語は加速していきます。

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