圧倒的防御力の前に怯む件
攻めあぐねた俺たちにスナイパーのトーマから通信が入る。
「今度は僕も最大出力で追撃するからもう一度行ける?」
トーマは一連の攻撃を見て最大出力の追撃を入れると言っている。実際遠距離からタイミングを間違えば俺達も巻き添えを食うことになるが、俺たちの反応とトーマの狙撃テクニック、共感力があれば可能だろう。
「単調になるとまずいな、次は俺が前にでる」
「えー、アサヒで大丈夫」
「寧ろ俺の得意分野だ任せろ」
俺を含めた前衛三機による突撃攻撃を再度仕掛けることになった。
アサヒのケイバースが先行し今度は一直線に並んで仕掛けたが、三機のレーザー近接兵器はフィールドに阻まれる。限界を見極めて離散するタイミングに間髪置かずトーマのタケミカヅチのレーザースナイパーライフルが重なる。
高出力のレーザーで一瞬フィールドが綻んだ様に見えたが、巨大な装甲にはレーザーコーティングがしてあるのであろう。装甲の貫通には至らなかった。
「これでもダメか」
「レーザーの類では無理なかもしれんな」
トーマの声にアサヒが答えた。
「トーマの狙撃が完璧に重なっても全く突き抜ける様子が見られなかったとなると」
「あとは実弾を搭載したゴウくんのジグザイパーにかけるしか」
俺たちの有するレーザー兵器の中での瞬間最大火力はトーマのレーザースナイパーライフルである。これを上回る防御力の前では、通常兵器では突破が難しい。仮に魔法を用いたとしても突破できるか確証はない。ソニックトランスシステムも無駄遣いは許されないと言っていいだろう。
「マイちゃんと氷川くんは引き続き巨大兵器を牽制、村上くんを前線に送る為にユーゴくんはフォローできる?」
「了解」
アオイの指示で俺は一旦後退してゴウの突破口を探る。
「頼むぜユーゴ」
「ゴウ、攻撃プランは?」
「ミサイルをブッパしてからレーザーランチャー…は使わない方がいいよな?」
「レーザーランチャーは効かない可能性が高い事と足が止まるから推奨はできないな」
「だとすると村上式爆砕拳の出番だな」
「なんだそれは?」
何とも内容の伝わらない兵器名である。
現場で、その様な名前を挙げられてもこちらは有効性の判断も出来ない。
「要するに対フィールド兵器だぜ」
「…よく分からんが…期待する」
一見単細胞のような発言が多いゴウだが、状況分析に関しては天性のものがある。扱っている機体の速度が前衛の3機に劣る為、今回は後列に位置しているが、前線で的確に相手に対する決定打を感覚でチョイスできるのが彼の強みである。
まずは重量級のジグザイパーを前線に送り届けなくてはならない。マイとアサヒとの突撃に比べると実弾兵器を主体に対レーザーフィールドで防御対策をしているゴウのジグザイパーは脚が重い。その為、進軍の難易度は上がる。直線突進速度こそ速い為、間合いを詰めてしまえば問題はないが、たどり着くまでの小回りに課題を俺がフォローする必要がある。
トーマやアオイの援護も受けながらも、ミサイルとレーザー砲のシンプルなコンビネーションに苦戦を強いられた。
「ユーゴ、多少は大丈夫だ無理すんな」
「人の心配をしている暇があったら、村上式爆砕拳に回すエネルギーを温存しろ」
「あら?少しネタがバレてる?」
恐らく村上式爆砕拳はジグザイパーの腕部に装備されたアンチレーザーフィールド発生装置を用いた攻撃と思われる。
それでフィールドを相殺するつもりだろう。フィールドを相殺した後の攻撃が最初で最後のチャンスかもしれない。一撃に最大出力を回すためにエネルギーの温存は必要である。
幸い防御用のフィールドを搭載しているためミサイル兵器に対する援護を行えばジグザイパーも前線まで上がる事ができた。
「よっしゃ!この位置なら行ける」
「村上くん行ける?」
「任せとけ」
「マイちゃん、氷川くん同時左右から攻撃をお願い、その後のタイミングは村上くんに任せます」
アオイの号令でマイとアサヒが左右に散り、同時に攻撃をかける。
敵の意識が2人に向かった所でゴウは実弾ミサイルを全開放。
同時にハードポイントからミサイルラックをパージして突進する。個人的にはアサヒ達が仕掛ける前にミサイルを放って欲しかったが派手なのが好きな性格が仇となっている。まぁ高校生はこんなものか。
「行っくぜぇ村上式爆砕拳」
俺の眼前にはまさかの光景が広がった。本当にパンチだ…ゴウらしいと言えばらしいのだが。
ジグザイパーのパンチがヒットしてアームレーザーキャノンが解放される。フィールドは一瞬突破されたが瞬く間に再展開されてジグザイパーのキャノンを弾いた。
「なにぃ」
ジグザイパーは行き場を失ったアームレーザーキャノンの余剰エネルギーにて吹き飛ばされた。
「ジグザイパーでも…まともなダメージが取れない?」
非常にまずい状況だ。俺達は正規軍でこそ無いが機体は軍の最新鋭機。本隊が合流したとしても、この分ではこの巨大兵器に対して本隊も打つ手がない可能性が高い。
実弾兵器さえもフィールドで遮断されている上に対フィールド兵器の村上式爆砕拳も不発。
この強敵に俺たちがどう対処すればよいのか…戦闘中に機体に暗号通信でメッセージが入る。
この戦闘中に送られたメッセージが突破口となるのだった。
ブックマーク、ご評価ありがとうございます。
ブックマークが10件となり何か1つ目標を達成出来たと思っております。本当にありがとうございます。
趣味程度に書いていたつもりですが、ブックマークを見ると少しでも見て下さる方の為に続きを書こうというモチベーションになります。
昔、やっていたスーパー〇ボット大戦のリアル系対スーパー系の様な構図になって来ています。読者の皆様はどちらがお好きでしたか?
是非とも感想欄などで教えて下さい。今後の展開の参考にさせて頂ければと思います。
ちなみに私は俄然リアル系でしたので作品もその風潮となってますね。




