表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/26

新型兵器と魔法で無双する件

 体調も万全に戻った俺は学生生活に戻っていた。


「ユーゴ、今日そこはもらう」

「アサヒか…新型の性能試させて貰う」


 アサヒ専用機動兵器、ケイバースは近接特化型の機体構造に加え飛行能力、ショルダーレーザーキャノンなどを搭載した新型機動兵器である。SGAから回収した加速式レーザーソードを発展させた高出力収束レーザーソードを搭載し、アサヒのカウンター剣技を余すことなく発揮する事を目指した機体である。


 俺の新型機動兵器セルドラルも決しそれに劣る機体ではないが、ソードの出力差が大きくテクニックで補う必要がある。


 気がつけば、機動兵器での空中戦も当たり前になりつつあり、俺とアサヒの機体は空中を駆け回り、何合も打ち合う。


 その隙を同じく近接戦闘を得意とするマイが付け狙う


「逃がさないよ、ユーゴ君」


 アサヒのケイバースとほぼ同等のコンセプトであるマイの機体ラファ―エル。ややリーチと貫通力に優れるレーザーランスも用いた一撃離脱戦法にて高速機動戦闘を得意とする。


 この2人の組み合わせが非常に厄介で、アサヒが前に出て攻撃のカウンターを狙いつつ、一枚裏から飛び出してくるマイの対処は非常に骨が折れる。

装甲が薄めで射撃武器に疎い2機なので、速射性を重視した火器で牽制しながら戦う必要がある。


 マイの突進突きを裁いて反撃を入れようとするが間髪入れずにアサヒが割り入りフォロー…


「邪魔だ、ユーゴは俺がやる」

「あんたは引き立て役でしょ。どきなさい」


 フォローではなく、ただの戦果の奪い合いであった。

 もちろん二人は、戦果が欲しいのではなく、俺を倒したい一心である(それが戦果か)。狙いがリンクした際の二人のコンビネーションは特定のエースと戦う場合には非常に有用である事が分かる。


 この半年間で俺達は進級し2年生となった。Sクラスは維持されているが、その間にも戦場に出ることもあり、二人の相性の悪さが目立つ様になった。

 決して戦闘における相性は悪くないのだが、性格の不一致が凄まじい。チームを分けた方が戦果が上がるのではないか?っと思うレベルである。


 二人を射撃で退けると後ろから高速のスナイパーライフルの狙撃が迫る。間一髪回避できた。


「やるな…トーマか」


 トーマはその姿を見せることなく移動しているだろう


 トーマの新機体タケミカヅチはその姿をファントムコートと言うシステムでレーダーから消し、射撃を行う。

 仕様上、レーダーから姿を消している際には高速移動、飛行、射撃兵器が使えないが、立ち回りを間違わなければ非常に強力な兵器である。


「トーマの射程で二人を相手にするのは無理か…サガ、【ミラージュトレース】を使うサポートを」

「了解」


 サガとは俺がSGAから譲りうけたディバイスを改良し作り上げたAI型サポートシステムである。ブレインフィードバックの要領で俺のイメージを機体が反映するならばサガは俺の知覚した内容を反映し解析を行う。


 俺の瞳が発光し、周囲の視野が広がる。

 トーマの位置も手に取るように分かるが、トーマも魔法の才能を持っており俺の思考を読んでくる為うかつな動きはできない。トーマの射線に注意しながら立ち回るためにもサガにミラージュ・トレースの知覚情報から射線管理を任せる。


 俺はその間にアサヒとマイを仕留める必要がある。

 アサヒに対して迂闊な大振りは危険な為、最小限の動きで打ち返す。

 マイはランスの性質上普段は円の動きを行っているが攻撃の直前が直線的な動きとなる為、置き気味に肩部のレーザーガトリングをばら撒くことで牽制できる。だが、力量が拮抗している為決定期を見いだせない。焦って動いた奴からやられる。そんな状況である。


「タケミカヅチ射撃体制」

「OK……今だ」


 トーマの射撃の瞬間に【コンプレッション】で足場を作り、角度を変えながらマイの懐に入り込み二刀流の連撃で切り刻む。突然のテンポアップにマイの対応が遅れた。流石に反応しているが、回避先はトーマの射線になる為、マイの動きが一瞬止まった……と言うか、1回1回味方に射線の情報を流しているのだろうか?手の込んだ事をするな……。トーマの射撃でアサヒのフォローと言うべきか悩む援護が遅れ、マイのラファーエルにダメージを与えた。


「まだよ」


 レーザーランスを突き立てて来るまでは予測できている。

 セルドラルに搭載した新兵器シールドウイングでランスを切断した。


 シールドウイングは機体バックパックに接続される翼状のシールドである。思念誘導兵器だが、俺には高い適正はない為、機体に接続したまま用いる事で範囲こそ狭いが、近距離間合いで二刀流を多用する俺の防御面を強化する兵器。しかし、使い方によっては近接戦闘の手数を増やす事も出来る。


「ずるい、その武器」

「お前達の機体に付けたらスピードが犠牲になるだろ……諦めろ」


 捨て台詞と共に機体を回転させ、シールドウイングでラファーエルを切りつけ、2本のレーザーソードでボディに決定打を与え、戦闘不能に追い込んだ。


 背後からアサヒが狙っているがシールドウイングを羽ばたかせ、【コンプレッション】で作り出した足場を翼で押し出す形で推進力に変え、上空に離脱する。

 これまで機体の足で蹴り出して方向転換する事を基本的運用としていた【コンプレッション】だが、翼を用いる事で移動出来る範囲と角度が大幅に増えた。


「カッコイイなぁ、あの翼…………俺も機動力重視の機体をオーダーすれば良かったぜ」

「攻防に選択肢の多い翼ですね…………それはそうとユーゴ君が1人で戦っているせいで私達は暇ですね」

「あの二人が動き回ってる空中に行くのは俺達の機体じゃなぁ。このままユーゴ無双で終わりそうだぜ」



 ゴウとアオイの新型は飛行可能ではあるが、空中戦闘をアサヒとマイの2人と行うには不利な機体である為、地上で待機している。


「行くぞ、アサヒ」

「邪魔者は消えた、ここからが本番だ」

「マイ無しで俺を抑えられると思うな」


 この戦闘で近接戦闘のスペシャリスト2人の連携の重要性を伝えたい所だが、素直に受け入れるには2人の個性が強すぎたのか。


 カウンター主体のアサヒだが、間合いを空ければ機体特性も合わさって大した脅威にはならない。

 ブースト速度で劣ったとしても、ブースト持続にはこちらに分がある。間合いをレーザーライフルで牽制しながら距離を取れば問題はない。


「タケミカヅチの狙撃まで3秒」

「流石に単純な動きは読まれるか」


 アサヒの勝機はトーマとの連携にかかっているだろう。

 スナイパーライフルをやり過ごすとアサヒのケイバースが間合いを詰める。

 ショルダーレーザーマシンキャノンの牽制に臆する事無く間合いを詰める。


「堕天旋風斬・双牙」


 二刀流のレーザーソード斬撃が飛ぶ、連携の突進撃が来る。


「堕天鳳凰斬」


 飛ぶ斬撃に追いつき、そのまま突っ込んで来る。

 恐らく破壊力は向上しているが、動きが同等レベルの相手に出す技ではない。

 恐らく牽制をかき消すのが目的であろう。もう1段の斬撃が加わるはず。


「ウイングシールド展開」


 シールドウイングを機体から切り離し、空中に展開する。その空間に【ディストーション】を発生させ、アサヒの動きを止めた。


「なんだこれは?」

「簡単に言えば、アサヒ対策のアサヒホィホィとでも言っておくか……」

「馬鹿な、堕天騎士の俺が捕まるなどと」


 2年生になってもまだあの恥ずかしい2つ名を名乗っているのか……


 レーザーソードでトドメを刺そうとした所に戦闘機が迫り、機体を可変させながらレーザーソードで俺のアサヒに対する一撃を止めた。


「やるなトーマ」

「タケミカヅチを設計したの君だ。だから手の内がパれているのは仕方ないけど」

「戦闘方法を散々検証した上でのデザインだが、もうその運用を使いこなしていたか」

「氷川くん、今だ」


 アサヒは自分の特性を理解していると過去のデュエルで言っていた通り、連携重視のトーマとは息が合うようだ。


 タケミカヅチは近接戦闘はあくまでオプション装備の為、決定打は難しい。ファントムコートを使えない近接戦闘では対SGAを想定した今回の新型機体の中では自衛も難しい装備しかない。

 しかし、SGAの可変機を模して戦闘機形態と機動兵器形態を使い分ける事で単なるスナイパー以外の役割も確立出来るようになった。

 スナイパーライフルは2本のレーザーライフルに分離し、それぞれ銃剣として機能する。

 取り回しは決して良くないが、持ち替えるロスはない。


「簡単にはやらせないよユーゴ」

「トーマとのインファイトは新鮮だな」

「如月さんがいない今、隠れて狙撃しても君は落とせない。なら前に出るしかないよね」

「読みの深さと思いっきりの良さは流石だな、たが、動きがシンプル過ぎる」

「俺から目を逸らすとは迂闊だぞユーゴ」

「アサヒから目を離せるパイロットはいないさ」


 高出力収束レーザーソードの一閃が空を切る。流石はアサヒだ、【ミラージュ・トレース】無しでは回避出来る自信はない。

 各パイロットが新型のコントロールをモノにしているのを確認しながら…………いや1部確認出来なかったパイロットもいるが、俺自身もセルドラルとサガと俺と魔法の4つリンクも申し分ない事を確認できた。


「後は未完成のシステムだが」


 機体に充足したエネルギーを変換し、余剰エネルギーを一気に解放する。


「ソニックトランスシステムフルドライブ」

「システムオールグリーン、ソニックトランスシステム臨界点まで60セコンド」


 機体出力を示すメーターが急上昇し、熱を音に変換する際の独特の音が周囲に鳴り響く。

 実用的な機動兵器としてはこの音は課題であるが、十分なエネルギーを得ることには成功した。

 このシステムが稼働している限りはオーバーヒートを気にする事無く、高出力兵器やブースト加速を使い続けられるメリットもある。


「行くぞアサヒ」

「望む所だ」


 【ディストーション】をコクピット内に展開し、ショックに対する対応をしつつ最大の加速を試みる。

 その動きは機動力重視のケイバースを寄せ付けない速度だ。


「馬鹿な、捕えられんだと」

「氷川くん、止まったらやられ……」


 言いかけたトーマのタケミカヅチの背後に回り込み一撃で戦闘不能にさせた。出力が高すぎで1つ間違えばコクピットごと分断しそうなエネルギーである。


「ならば高出力収束レーザーソードに全エネルギーを回し、渾身の疾風斬で受けて立つ」

「良いだろう、単純な力比べだ」


 カタログスペックでは新型とは言え、セルドラルのレーザーソードでは勝ち目がない。だがソニックトランスシステムに対応し、リミッターの外れる今のレーザーソードではどれ程になるのか


 1合目を打ち合うつもりだったが、あっさりとケイバースのソードを打ち消してケイバースに決定打を与えた。


「流石だな、紅き騎士」

「なんだその新たな二つ名は」


 圧倒的なエネルギー差は見せつけたが、リミッターの外れたレーザーソードは一撃で機能停止してしまった。


「ソニックトランスシステム臨界点、システムカット」

「サガ、機体の損傷チェック」

「エネルギーフローに異常発生、関節部ダメージは許容範囲」


 まだ幾つもの課題があるようで切り札と言うかまだ使わない方が良いシステムと言える。

 だが、これでSGAの機体に少し近づけた、そんな手応えを感じる新型のテストであった。



相変わらず中々更新が遅い状況でありますがどうにか更新しております。実は当初予定してい方向と違うベクトルに進めてしまったので物語の方向性に困っておりますが、ボチボチと更新して行きたいと思いますので今後ともお付き合い頂ければと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ