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魔王さまのおしごと…迂闊な魔王はどこへ行く  作者: 溶ける男
第一章 魔王はじめました

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5/56

7月19日

読んでくださっている方

更新が不定期で申し訳ないです。

1:00

いつものようにログインして転移クリスタルを使うと、領地は様変わりしていた。

丘の上には、城と呼ぶには不格好なレンガ造りの建物が立っており、その周りに高さ3mくらいの壁が迷路のように広がっていた。

とりあえず城へ向かって歩き出すこと1時間、まったくたどり着けない。

今自分がどこにいるのかさえも分からなくなってしまった。

なんとか壁の上に上り見渡してみると、壁を建築中のビルドベアを発見したので、壁伝いに近付き城に案内するように命令する。

さらに歩くこと20分、ようやく到着した。

城のドアを開けるとエントランスから2階に上がる大きな階段があり、途中から2股に分かれた真ん中には5mくらいの自分のキャラクターにそっくりな像が立っていた。

像は精巧に出来ており、見ているとなんだか恥ずかしかったのでスルーして2階の部屋に入ると、かなり広く、奥の方が一段高くなっていて玉座のようなものが置いてあった。

玉座に座ってみると石造りのためゴツゴツしていて座り心地はよくなかったので、持っていた熊の毛皮をかけることでまずまずの座り心地を確保することが出来た。

ビルドベアたちを2階に集めて、これからの建築計画を立てていく。迷路はこれ以上の拡張は止めるように伝えて、一つの入り口を残して迷路を囲むように円形状に壁を作り、それが終わったら入り口の前の通りを大通りとして、左右に商店街のように色々な建物を建てるように指示を出す。

次は各店の主人となるモンスターを作成しようとアイテムを出したところで、

ガロンさんからウィスパーが入った。

「久しぶりだな、ちょっといいか?」

「どうしたんですか?」

情報交換がしたいということだったので直接会うため指定された場所へ向かうと、ガロンさんともう一人、エルフのような格好をした女性がいた。

「久しぶりですね、そちらの方は?」

「はじめまして、私はソフィアといいます」

「おう、言ってなくてわりぃな。

こいつも魔王の一人でな、あの後知り合ったんだ」

こちらも自己紹介をして話の本題に入った。

どうやら2人とも≪魔王≫は5に上がったようで領地をゲットしたらしいが、そこで現時点での情報交換をしたいとのことだった。

とりあえず各領地を回ってみようということで、ガロンさんの領地にやってきた。

どうやらプレイヤーごとに領地の地形や気候などが違うようで、荒野が広がっていた。

その中にある大きなクレーターの中心に楔を使用して闘技場のような仕様にしたらしく、モンスターが一匹、中心近くに待ち構えていた。

ガロンさん曰く、今のスキルレベルではBクラスのモンスターを1匹出すのが限界のため、10種類の中からランダムでポップするそうだ。

ちなみにBクラスの強さは初級ダンジョンのボスクラスだそうで、素材もそのあたりのを使用しているそうだ。

試しに闘ってみるか?と言われたので、挑んでみることにした。

モンスターの見た目はライオンのような体に、頭がワシと熊とトカゲと三つ横に並んでいて、名前はワクトキメラと言うそうだ。

頭の動物の頭文字をつなげたらしい。案外いい加減だ。

流石はボスクラスらしくプレッシャーが凄い。今すぐ逃げ出したいくらいだ。

まぁせっかくなので、いつものように刀を鞘に納めて前傾姿勢で間合いを詰めるため駆けていくと、相手もこちらに気付き、真ん中の熊が大きく雄たけびを上げた。

ビリビリと痺れるような感覚が全身を通り過ぎる。時間にして1秒にも満たない間だったが、スタンしていたようで先手を譲ることになってしまった。

飛びかかってくるワクトキメラの前足から繰り出される致命的な爪を、何とか刀で受け流して後ろへ飛ぶことで回避することに成功した。

再度間合いを詰めて切り付けてみるが、毛皮で刃が止まってしまう。多少柔らかそうな腹などを狙わないとキツそうだが、そこまでのプレイヤースキルを持ち合わせていないので、打撃武器にシフトした。

距離を取り、ヘビーメタルピックハンマーに持ち替えてバインドを唱える。

影から無数の触手が生えて捕らえていくが、ワクトキメラは腕力でもって触手を引きちぎっていくため、拘束時間がどんどん無くなっていく。

慌ててハンマーを構えて近寄り、熊の頭めがけて垂直に振り下ろし、さらにアーツのフルスイングで横合いから思いっきり殴りつけると、ちょうどバインドの効果が切れたのか、5mくらい飛んで仰向けに倒れた。

こちらが硬直で動けない間に、相手も体勢を立て直す。

熊の頭はつぶれたようで、HPも30%くらい減っている。

あと2つ潰せば勝てそうだと思ったが、甘かったようだ。

頭を潰されて怒ったワクトキメラは、先ほどよりも素早く動き回り、前足での攻撃に加え、ワシの口からは炎弾を吐いてくるし、トカゲのほうからは毒液を飛ばしてくる。

10秒もしないうちにボロボロにされたところで、ガロンさんとソフィアさんに助けられた。

「がはははははっ、こっぴどくやられたな、ヨウ!」

「なにあれ、後半なにもできなかったし」

「ガロンも人が悪いですわ。ボスクラスに1人でそんなに簡単に勝てるわけないじゃないですか」

「そうか?一通りソロで倒せたから大丈夫かと思ったんだけどなぁ。

まぁさっきのは強さで言ったら3番目くらいの奴だが」

そうなのか。軽く言ってくるから行けるもんかと思ってたのに、まだまだ精進が必要なようだ。

次にソフィアさんの領地を訪れると、そこは森林で、奥には大きな樹がそびえ立っていた。

ソフィアはその樹を世界樹と呼んでいるそうで、そこを中心に楔を使ったそうだ。

周りにはモンスター?というか、様々な動物が生息しているようだった。

ソフィアさんが作ったそうで、Fランクの動物系モンスターをモフモフするために大量に作成して、日がな一日触れ合っているそうだ。

どの動物も人懐っこく、近寄ってみると簡単に触ることができ、確かに病みつきになる触感だった。

「これはやばいな。そういう属性は持ってないはずなのに病みつきになりそうだ」

「でしょう、触感にはかなりこだわったからね。

いろんな動物系モンスターを狩って触り心地を確かめた研究成果がこの子たちなのよ」

ガロンさんも大きな熊を撫でながら話を聞いていた。

時間を忘れてモフモフしていると、そろそろ自分の領地に行くことになったので、渋々動物たちから手を離して移動を開始する。

2人を連れて領地へと飛ぶと、迷路部分の壁は作り終えていて、店も作り始めていた。

「がはははははっ、何だここは? 町でも作る気か?」

「えー、人のこと言えませんよ。コロシアムとかモフモフ天国とか!」

「確かに反論はできませんけどね。それであそこに見えるのは城ってことでいいのかしら?」

「まぁそんな感じなんですが…行ってみます?」

ビルドベアに挨拶を済ませ、3人で迷路の入り口に行くと大きな門が出来ていた。

門をくぐり迷路に入って歩くこと30分、ようやく迷路を抜けた。

もう少し迷うかと思ったが、ソフィアさんがこういうのは得意なようで思いのほか早く着いた。

自分だけでは前回と同じように迷ってしまっていただろう。

扉を開けて2階へ案内する途中の像に関してはスルーしてもらったが、若干冷たい目で見られた気がする。だが、気にしたら負けだ!

3人で各領地の感想やスキルの上がり具合について情報を整理・交換していくと、何点か分かったことがあった。

まず、発生させたモンスターの行動も魔王スキルの経験値になるということで、これはオフライン中(ログアウト中)でも効果があるということと、モンスターはリポップしない限りスキルレベルの上昇もあるということだった。

これにより≪魔王≫の上がりも多少早くなるだろう。

そろそろ時間も遅くなったので、ソフィアさんともフレンド登録してログアウトをした。

__________________________________

ヨウ

装備スキル

≪魔王5≫≪初級鍛冶47≫≪中級採掘5≫≪幸運35≫

控えスキル

≪初級皮加工15≫

お読みいただきありがとうございます。

誤字脱字・感想などございましたらよろしくお願いします。

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YouTubeにて主題歌配信中「魔王様はじめました」
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