生き残りの獣人とマッドな学者について
猫耳・・・?
あぁ、猫族の奴か。
それほど俺が驚かなかった理由としては簡単だ。
想像は付いてるかも知れんがあちらには獣人は珍しくもなんともない。
猫、犬、兎、鳥、果ては魚人なんても居た。
だからこそ俺は驚かなかったが、彼女の驚きようは凄まじかった。
なにせ獣人を見た瞬間、
「猫耳少女キターーーーーーーーーーー!!!」
なんて叫んでいたからな。
地球では存在していなかったから、相当の衝撃だっただろうな。
・・・驚いて叫んだんだよな?
頬を染めて鼻息を荒くしているのは気のせいに違いない。うん。
少女は怪我をしていて衰弱してはいるものの、命に別状は無いようで彼女も胸を撫で下ろしていた。
確かに重要な情報源だ。
その気持ちは分かるな。
・・・あれ?俺ってこんなに冷静な物の考え方をする人間だったか・・・?
どうやら彼女の冷静さを手に入れつつあるのか??
結果を言えば、おれはこの時もう少しこのことについて深く考えてみるべきだった。
そうすればあれだけの混乱は回避出来たはずなのだから。
少女は中々目を覚まさなかった。
しかし悠長にはここに滞在できない。
もしかしたら敵性の何者かが現れるかも知れないのだ。
俺たちは付近の森に退避する事を決定し、移動に移った。
・・・かろうじて間に合ったと言える。
俺たちが森に移動して数十分後、やはり現れたのだ。
俺にとっては見慣れたあいつら・・・モンスターが。
意味が理解できない。
ここはどこだよ?地球の遥か太古の時代の失われた大陸だろう。
あれらはあちらに生息する怪物のはずだ。
どうしてこの大陸に当たり前のように存在している??
どうやら彼女にとっても衝撃再び!といったところか。
目を見開いて双眼鏡を覗いている。
しかし厄介だな。
あんなのが相手ではこちらの武装がどれだけ通用するかも分からない。
おお、居るわ居るわ・・・。
俺が知っているだけでも数種類の魔王級のモンスターがいやがる。
リッチ、マーラ、フレスベルグ・・・。
おい、あれはまさかプート・サタナキアじゃないだろうな!?
そうだったらシャレにならんぞ・・・。
プート・サタナキアとは真正奥義書に記された悪魔の一人で、ルシファー配下の悪魔であり、魔神ルシファー、魔神アガリアレプトとともにどこかの辺境に住んでいるらしい。
話によれば45もしくは54の悪魔を従えていると言われ、その姿を見て生存できる者はいないと恐れられている。
やばすぎる相手だ。
絶対に戦えない・・・。
あんなのに攻められちゃそりゃ町くらいあっさりと滅ぶだろう。
本来あちらの世界では災厄級と呼ばれて、連合国家クラスで戦ってなんとか魔界に追い返せるかどうかってレベルだし。
でもなんか結構手負いに見えるな・・・。
俺がそんな化け物を見て恐れ戦いている間に少女は目が覚めたらしい。
恐ろしい目つきで奴らを睨んでいる。
殺気で気づかれたりする可能性があるからやめて欲しいんだがな・・・。
そんな気持ちを込めて軽く頭を撫でてやると、初めて俺に気づいたかのように目を丸くして俺を見つめること数秒後。
飛び跳ねるように距離をとって威嚇し始めた。




