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ルカ・マーフィーは夜魔法の継承者  作者: 如月


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ソジュン

第六の地獄――灼熱。


その黒炎は、ハジメの冷静な判断とマリア、雪梅、アリスの連携によってついに打ち破られた。


砕け散る黒炎。


静まり返る大広間。


誰もが肩で息をしていた。


セドリックも。


アルクも。


レオも。


ルカもアクアも。


満身創痍だった。


だが。


誰の目にも希望が宿っていた。


「やった……!」


アリスが小さく呟く。


ビルも炎の大剣を肩に担ぐ。


「ようやく一つ潰したな。」


オーランドも拳を握った。


「あと少しだ。」


その時だった。


ゼノスが不気味に笑った。


「あと少し?」


全員が警戒する。


だがゼノスは攻撃してこない。


ただ静かに。


大広間の隅を見た。


「そろそろ目を覚ます頃だぞ。」


その言葉に。


アリスの表情が変わった。


「まさか……」


全員が振り返る。


そこには。


オーランドが運び出し、戦闘から離して寝かせていたソジュンがいた。


ずっと意識を失っていたはずだった。


しかし――。


ピクリ。


指が動く。


「ソジュン!?」


アリスが叫ぶ。


ゆっくりと。


本当にゆっくりと。


ソジュンが立ち上がった。


だが。


その姿を見た瞬間。


誰もが言葉を失う。


様子がおかしい。


目に光がない。


表情もない。


呼吸すら感じられない。


まるで。


操り人形だった。


「ソジュン先輩……?」


アクアが戸惑う。


ルカも違和感を覚えた。


「何か変だ……」


ソジュンは何も答えない。


ただ。


ゆっくりと杖を握る。


黒い魔力が溢れ始める。


レオの顔色が変わった。


「あれは……!」


闇魔法。


ソジュンの得意魔法。


しかし。


今まで見たどの闇魔法とも違う。


どこか禍々しい。


どこか歪んでいる。


アリスが一歩前へ出る。


「ソジュン!」


「私よ!」


「アリスよ!」


だが。


返事はない。


ソジュンは無表情のまま杖を振るった。


ドォォォォォン!!


巨大な闇の刃が放たれる。


「危ない!!」


アルクが叫ぶ。


ビルが前へ飛び出した。


炎の大剣で受け止める。


激突。


爆発。


ビルが数歩後退する。


「おいおい……」


「本気じゃねぇか……!」


ソジュンは止まらない。


再び魔法陣を展開。


闇の槍。


闇の鎖。


闇の刃。


次々と放たれる。


「ソジュン!!」


アリスが叫ぶ。


「目を覚まして!!」


しかし。


ソジュンは振り向きもしない。


まるで聞こえていない。


その瞳には何も映っていなかった。


レオが前へ出る。


「どけ。」


静かな声だった。


ネクロノスを握る。


紫色の瞳が揺れる。


ブラック寮で共に過ごした仲間。


何度も一緒に訓練した。


笑った。


喧嘩した。


助け合った。


そんな仲間だった。


だからこそ。


レオは叫ぶ。


「ソジュン!!」


大広間に響き渡る声。


「目を覚ませ!!」


ソジュンは反応しない。


返事もしない。


ただ魔法を放つ。


レオへ向けて。


無慈悲に。


ドォォォォォン!!


闇の魔法が炸裂する。


レオは闇魔法で相殺した。


だが。


心は重かった。


「ふざけんな……」


歯を食いしばる。


「お前そんな奴じゃねぇだろ!!」


それでも。


ソジュンは何も答えない。


まるで魂を抜かれた人形。


ただ命令だけを実行する存在。


その様子を見ながら。


ゼノスは楽しそうに笑っていた。


「いい顔だ。」


「絶望というのはそうやって味わうものだ。」


仲間同士で戦わされる。


助けたい相手に攻撃される。


それこそがゼノスの狙いだった。


そして。


混乱する学園側を見下ろしながら。


ゼノスはゆっくりと槍を掲げる。


次なる地獄を呼び出すために――。

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