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七百三十一話 龍騎士サーズ=ペルセフォス様





「見えましたサーズ姫様! 街道に壊れた馬車が三台、それに群がる飛龍が五匹、他に蒸気モンスターはいません!」


「はは、もう見えるのか。さすが君の目は頼りになる!」



 飛龍、グリーンドラゴンに襲われた馬車を助けに北の街道へ。


 場所はペルセフォス王国から飛車輪で十分ほどで来れたが、馬車だと一時間ぐらいかかる場所。


 ああ、やっぱこの「飛車輪」とかいう乗り物、マジで異世界でチートクラス。



 俺はバニー娘アプティにお姫様抱っこしてもらい、お腹に愛犬ベスを抱いて来た。


 飛車輪組の二人は空を飛び、俺たちはアプティに抱えてもらいとんでもない速度で走って移動。


 速度的には騎士ハイラの飛車輪がダントツで早いのだが、ちょっとでも曲がろうとすると大減速するので、ハイラよりは遅いサーズ姫様の飛車輪や俺を抱えたバニー娘アプティでもなんとか追いつけた。


 ハイラは直線は早いけど、曲がるのが苦手。


 それを補うために建物や障害物を蹴って強引に曲がる「バウンディングダンス」を覚えてもらったのが、こういう建物とかが無い見晴らしの良い大自然だと「蹴れる対象」が無いので、飛び方が元通りだな……。


 まぁ直線のみでもサーズ姫様の飛車輪で追いつけない速度を出せるし、何より上位蒸気モンスターであるバニー娘アプティより速い、ってのはハイラの大きな武器。



「負傷者が見えませんが……もしやもうすでに食われ……」


 少し先を飛ぶハイラが厳しい表情になる。


「……いや、街道横の森の中に冒険者や商人と思われる人物……十人確認!」


 俺が目で見ると、森の中で木を盾に逃げ回っている人たちがいる。


「了解だ。ハイラインは負傷者の確保。私はグリーンドラゴンを叩く!」


「はい!」


 サーズ姫様が青く発光する刀身の剣を抜き、ハイラに指示。


 飛龍たちはなぜか馬車に全部群がっているな。


 森の中では覆い茂る木が邪魔で自慢の翼が使えない。人間を襲うのは諦めて、馬車の荷物に狙いを定めたのか?


 ん? 馬車の大量の荷物って、あれ魔晶石か……?


「サーズ姫様、馬車の荷物は魔晶石です。ベス! 吼えろ、奴等に空を飛ばせるんだ!」


「ベッス!!」


 愛犬が俺の指示通り吼え、衝撃波を発生させる。


 街道の馬車付近の地面にヒット、それに驚いた飛龍たちが五匹、空へと舞う。


 本来なら、空を飛べる飛龍が地面に降り馬車に群がっているところを狙うべきで、わざわざ飛龍たちが得意の翼を使える空へ導くのは、作戦としては悪手。


「ふふ……ふはははは! いいぞ、この瞬間を待っていた! 今の私には、空を飛んでいる対象のほうが狙いやすいのでな……!」


 そう、サーズ姫様が地下迷宮で手に入れたルーインズウエポン『光牙剣ブラウファング』の斬撃は、目標をロックオンし、例えそれが逃げようが自動追尾で追いかけ撃破するというもの。


 まさに空中戦向きのバトルスタイルなんだよね……。


 うーわ、サーズ姫様が狂喜の笑顔。


 あの人、マジで戦闘狂だよなぁ……。


 水着魔女ラビコから「グリーンドラゴンは小型で素早い」と聞いていたが、飛車輪を駆るサーズ姫様と同等ぐらいの速度。


 そしてサーズ姫様の斬撃は、それ以上の速さ。


 つまり、勝ち確である。


 普通の騎士や冒険者では、あの速度で空を飛び回りブレスを吐いてくる飛龍は難敵だろうな。


「初陣には相応しい相手……! 吼えろ光牙剣ブラウファング!」


 かなりの速度で飛び回る五匹のグリーンドラゴンだが、サーズ姫様は彼等の攻撃を全て避け、狙った一匹の背後を取り続けている。


 さすが、空中で小回りの利くサーズ姫様の飛車輪操作術は、蒸気モンスターを上回っている。


「ヒット……! 一匹撃破ですサーズ姫様! すごい、俺の出番なんてなさそうですよ」


「ふはは、わざわざ来てもらって申し訳ないが、ここは全て私に任せてもらおうか!」


 サーズ姫様が放った斬撃が飛び回るグリーンドラゴンを追いかけ、まるでホーミングミサイルがごとく追尾、そして空中でヒット。


 グリーンドラゴンが咆哮し、身体が蒸気となって空へと霧散していく。


「グリーンドラゴンを一撃……! なんという威力か、この剣は……! いいぞ、空中だろうが思い通りに攻撃が当たる! 今までグリーンドラゴン相手に、飛車輪部隊全員で一匹を追い、幾度も魔法を放ち、何度も外しながらやっとの思いで当てて倒していたというのに……一振り一殺! これが私の新たな力……!」


 サーズ姫様が残りの飛龍四匹を次々と落とし、剣を空へと掲げる。


 周囲を見るが、他に蒸気モンスターはいない。


 これにて任務完了か。



 まさか到着して数分で五匹のグリーンドラゴンを倒すとは……。


 確かペルセフォス王国の騎士は「龍騎士」っていうんだったか。


 飛車輪を駆り、空を自在に舞う飛龍を次々と落としていくその姿は、まさに「龍騎士」に相応しい。


 格好いいなぁサーズ姫様。



 つか、サーズ姫様の一人舞台で、マジで俺たちの出番が無いじゃないか。


 いやまぁ、そのほうが良いんだけども……。









































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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます!ふ、ふふ、ふははは!!!…我が軍は圧倒的ではないか!社長達空中散歩しただけで終わりwサーズ様ツヨツヨ!サーズ様の辛かった時代が努力がやっと報われる時が来た。光牙剣ブラウファン…
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