8聖女捕らえられる
アリサが王宮から出て一週間後。
「西野アリサ、お前をロージェンナ・フョンビュート公爵令嬢殺害未遂で逮捕する」
王国の警務官が逮捕状をアリサに見せた。
「どう言う事です?そんな事は身に覚えがありません」
「証拠は揃っている。レオンハーク殿下が証人だ。お前はロージェンナ・フョンビュート公爵令嬢に聖女の力が現れた事を嫉妬して毒薬を盛ろうとした。全て証拠は揃っている。観念しろ!」
話を聞くとロージェンナに聖なる力が現れて浄化や結界が出来るようになったと言う。
いつ?
「待て、何かの間違いだ。聖女殿がそのような事するはずが無い!」
アンドリューが警務官に言う。
そこに大神官が現れた。
「大神官、これは何かの間違いです。ロージェンナ様に聖女としての力があったなどと知りません。毒薬の事も知りません。私は無実です」
アリサは堂々とはっきりと言った。
「嘆かわしい。聖女とは名ばかり。お前がどれほど卑しい考えの持ち主かわかっておった。殿下との婚約さえも嫌だと言い仕事もさぼり散々わがまま放題。もう、あなたを聖女だなどと誰も言いますまい」
そこにレオンハーク殿下がロージェンナを連れてやって来た。
「これは聖女様、治療院での治癒はもうお済みで?」
「ああ、大神官、お前もロージェンナの力を見てみるといい。何しろ彼女の聖力はすごいぞ。眩いほどの光であれとは比べ物にならん」
レオンハークが嬉しそうにロージェンナの腰を抱き寄せそっと髪に口付けを落とす。
「殿下、私は無実です。私は彼女に毒など」
「まあ、恐い。私はっきり見ましたわ。アリサ様が王宮の私の部屋から出ていくのを、その後置いてあった水差しの水を飲んでいきなり息が出来なくなって、殿下がいらっしゃらなかったら私‥大神官、アリサを早く牢に連れて行って下さい」
「おお、これは聖女、申し訳ありません。お目汚しを。おい、早くこいつを連れて行け!」
「どうして?私は何も知りません!嫌です。離して!」
アンドリューが私を庇って前に出る。
「殿下、俺も聖女殿がそんな事をするとは信じれません。どうか、もう一度調べて下さい」
「新たな聖女がはっきり証言している。これほど確かな証拠はない。いいから連れて行け!」
この国の王太子がそう命じれば逆らうものがいるはずも無かった。
アリサは騎士団の牢に連れて行かれた。
「アンドリュー、私じゃない。私は知らない」
「ああ、分かっている。絶対に聖女殿をここから助ける。だから信じてくれ」
「信じろと言われても。殿下とロージェンナの事なんとかするって言って何も出来てないじゃない!それで信用しろって言われたって!」
「いや、絶対に何とかする。俺はアリサには恩がある。だから絶対に助けるから」
アンドリューはそう何度も言って牢から出て行った。




