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この種族は人と龍合わせて一人です。不自然に思えるかもしれませんが、仕様なのであしからず。
「うちの…家紋だ…」
「しかも白銀。これはクルセウスの力に何らかの関係の関係があると思わない?」
「だね…でもなんでこんな学園の校庭にこんな物が…?」
「分からない。ちょっと調べてみたくない?」
「なんだかワクワクしてくるなぁ!」
メダルを天にかざす。目に映る反射光が目に刺さる。眩しさに目がチカチカする。
「で、リム、行くよ。」
「うん………」
目がチカチカして…
「ちょっと!リム!リム!大丈夫⁉、……」
そういえば今日は全然寝られていないんだった…トルンの言葉が遠くなる。
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(トルン視点)
「全く。罰則を食らっても絶対に無理はしないようにって、何回も言われませんでした?」
「はい。不注意でした。すみません…」
「半身はあなた自身です。半身を思いやることはあなた自身を思いやりことです。それを忘れないように。」
「そうよ!まあ、自己管理が出来ないリムくんにも十分な責任はあるんだけどね。あ、あと分かってるとは思うけど、授業に戻ったりでもしたらあなたもこの保健室にお世話になることになるわよ!」
「分かりました…リムの面倒は僕が見とくんで。」
保健室の看護の先生のレフィア先生とヴィラさんに怒られた。
「全く。龍は人よりも日差しやら寒さとかに弱いんだから。先生もこんな猛暑日に…ひどいわね。」
そう。人と龍では、人のほうが環境への適応力は圧倒的に高い。龍は熱伝導性が高い鱗や硬い皮膚を持っていて、熱がこもってしまうからだ。
「ごめんね。リム。」
リムは顔をしかめて眠っている。体に触れるととても熱い。額に乗せた氷はもう溶けてしまっている。気休めにしかならないかもしれないけど、氷嚢の中のぬるま湯を捨てて僕の水魔法技術でできる限り冷たくした水を入れてやる。
「おいおい、あんま辛気臭い顔してんじゃねえよ!居眠りして罰則食らって倒れるは流石にリムもダセえだろ。」
「そうそう、お前一人のせいじゃねえって!先生に一喝された位でへこむなって。」
声をかけられ、振り返る。
「チェインにウリル…わざわざお見舞いありがとう。」
ずけずけと入ってくる。もう授業は終わったのか。
彼は僕の幼馴染。小さい時からライバルで、でも一緒に遊んだり喧嘩したり仲直りしたり。そう。親友だ。そして、彼は水魔法が得意。
「お前は光魔法使いだもんな。照らしても熱中症は治んないだろ。」
「悪いね。助かるよ。」
チェインの手から薄ら青い光が出て、手早く氷と冷たい水を空中に生成する。そこにウリルが土魔法で金属のコップを作り出す。流れるようにやっているが、水魔法は技術が高いほど冷たいものを大規模に生成出来るようになり、土魔法は技術で、作り出す鉱物をより硬く、美しいものに出来る。魔力の色も10段階に分けての6段階程の色の薄さ。このレベルの魔力を持っている物事は多いが、この技は並大抵の技術じゃ出来ない。技巧派のチェインに魔龍系のウリルはとても相性がいい。
「ありがとう。」
僕は光魔法でコップを手に引き寄せる。これが僕の得意技。前に彼に見せた時から、水をくれたりするときに、僕の手の中じゃなくて空中に生成するようにしてきた。僕のこんなのでいいなら何度だって見せてやるのに、遠回りな奴だ。
「はぁー。相変わらずお前は器用だなぁー。」
「ほんと。それ絶対便利だもんな。光魔法階級も7だっけ?日常生活でできること増えるだろ?」
「うん、便利だし、光魔法に関しては僕はちょっとはね。でもそれ以外は致命的だから…」
「ああ、お前、水魔法とか自然魔法はまだ4くらいあるからマシだけど闇魔法とかまだ1だっけか?」
「うっ、そうなんですよ…」
「光魔法使いは闇魔法が苦手っていうのは本当なのかね。」
「絶対関係あるって信じてる。」
「ははっ。だな!」
チェインが子供のように笑う。
そんなたわいない話をしていたら扉が開いた音がした。
「ミリアとセリスじゃん。なんの用だ?見舞いか?お前らも。」
「まあね。でも私はこの子が一人じゃヤダって言うもんだからね。」
ミリアとセリスが後ろを控える。
「大丈夫ですか⁉リム!うわ、結構熱いですね。」
「ちょっと〜!トーア、待って!」
連れられて駆け込んで来たのはシンシアとトーア。
「ほら!愛しのトーアが来たよ!リム!起きな!」
「別に、友達ですから。当たり前です。」
言い返しながらトーアが葉っぱを空中に生やして成長させる。そして、手際良く乳鉢ですり潰す。
華龍の中でも薬草作りの上手いトーアは、こういう時に
「すみません。チェインさんとウリルさん、水を少し下さい。氷にならない程度に冷たい水を。」
「ん、オッケ。よし。これでいいか?」
ウリルが水の入った金属器をトーアに差し出す。
「はい!ありがとうございます!」
それからトーアは草をすりつぶした残骸に水を入れて混ぜる。色がだんだん水色に近づいていく。
「よし。簡易の冷却薬です。結構有名な薬なので良く効くはずです。」
「ほんとか?また前みたいに野菜ジュースの成れの果てみたいなのはできてないよな。」
「大丈夫…です。多分。うん。」
「待って。野菜ジュース(仮)はやめてあげて!リムのライフはもう0よ!」
「嘘です。流石に成功してるんでご心配無く。」
ウリルとセリスの言葉に軽口を返す当たり、本当に成功したんだろう。
「難なら飲んでみますか?少し。」
「いや、流石にいいや。あの体の芯を冷やす奴だろ。あれ今飲んだら体調崩しそう。
「そうですか。」
トーアが水差しに薬を入れてリムに飲ませる。
「あ、リム起きそうだな。全く。心配かけやがって。」
リムが薄目を開けた。良かった。目を覚ましたんだ。
「…ぇ?あれ?トーアだ。僕はなんでここに?」
「あ!リム!おはようございます!熱中症で倒れたんですよ!全く。居眠りするまではいいですけど、それで罰則食らって倒れるなんて勘弁です!」
トーアがリムの回りでぴょんぴょん跳ねる。
「そっか、そうだった。トーア。ありがと。心配かけてごめんね。」
「ううん。いいんです。でもあんまり心配かけちゃ駄目ですよ!ほら、水です。飲んで下さい!」
トーアがリムに微笑む。
「みんなもお見舞いに来てくれてありがとうね。トルンも心配かけてごめん。」
取り敢えず、その日は何もせずに、リムに休んでもらう事にした。
ラブコメが書きたい訳じゃないんだ。(見苦しい言い訳)




