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3話(改)

朝日が昇り鳥が囀る…。

「んっ…ふぁ~あ。」

紅葩の目が覚める。

 いつも目覚めが悪い紅葩だが今日は目覚めが良かった…朝御飯を食べて制服に袖を通す。

「………よし。」

いつもと同じようで、少し違う朝…。

「はよ、雫。」

家の前にはインターフォンを押そうとしていた同じ制服を身に纏っている少女。

 彼女の名前は雪乃 雫(ゆきの しずく)、紅葩の中学からの親友である。

「今日は早いね、紅葩。」

「………まぁ、ね。」

「何かあった?」

雫の言葉に紅葩は昨日の出来事を思い出した。

―――理事長室の扉が開かれる………。

 すると紅葩の目の前、ではなく後ろにいる蓮に向けられての攻撃、クッションが飛んできた。

「………っ。」

「はっ。」

紅葩は驚きながらも避け、蓮は軽々と避けた。

「避けないでよね蓮。」

「ババァ、何しやがっ「天照、蓮はともかく紅葩に当たっていたらどうするんだ?」…おまっ「ごめんなさいね~。」テメェら…。」

黒天学園1番の権力者、理事長は30代位の美人な女性…普通の人とは違う何か不思議な感じがする。

「あなたが椿 紅葩ね…良い眼をしてるわ〜。」

「話ずれてんぞババッ……てっ。」

ペン立てが蓮の頭を直撃…今度は避けれなかったらしい。

「お黙りなさい蓮…よくもあたしの学校を壊してくれたわね。

  それと………ババァだなんてあたしはまだまだ若いわよ?」

「…俺たちの何千倍生きてるくせに若いだぁ?いい加減にしろよ。」

まだまだ言い争いが続きそうな2人…それを止めたのは璃莉、再び蓮を鞭でぐるぐる巻きにして無理やり黙らせた。

「続きをどうぞ?天照理事長。」

「ありがとう。まったく…生意気なガキンチョなんだから。」

「あの…ペン立て、壊れてますけど。」

蓮を殴った時に壊れたペン立て。

 天照は微笑むとペン立てに手を翳す…すると光が破片を包みペン立ては綺麗に元に戻っていた。

目を見開いて驚く紅葩、人間技ではない。

「凄いでしょ〜?ま、10年経ってもこれ位の力しかまだ戻ってないのよ~。」

「…力?いったい何の話?」

「自己紹介がまだだったわね〜あたしは天照 命(あまてらす みこと)、またの名を天照大御神、偉〜い偉〜い神様よ。」

「…………?」

「あら〜?思っていた反応じゃないんだけど〜?」

蒼葵たちが天照と言っていたので大体予想はしていたが…思っていたより天照が人間味が強かった。

そんな天照は何かを投げてきた…紅葩は難なく受け取る…それは。

「…バッジ?」

「紅葩、あなたに与えられた選択肢は2つ。

1つはそのバッジを捨てて今日あった出来事をすべて忘れるか、それとも………。」

「……………。」

冷や汗が流れる紅葩…天照は笑顔のまま。

「覚悟が出来たならそのバッジを持って理事長室に来なさい…待ってるわ〜。」

その言葉を最後に紅葩は理事長室を去った………長い1日だった。―――

紅葩はポケットに入っているバッジに触れる…生徒会メンバーの証であるバッジ。

「私の答えは………。」

紅葩は口角を上げた…それを不思議そうに見つめる雫。

「………紅葩?」

「なんでもない。」

(生徒会に入ったら…雫とはこんな風に歩けなくなるのかな?)

それでも…紅葩の意思は変わらない。

「雫、あの、さ「おい。」っ、蓮?。」

急に手首を掴まれた…犯人は蓮だった。

「バッジは?」

「…何する気よ?」

「捨てる。」

「はぁ?アンタバカじゃないのっ、何考えてんのよ。」

振りほどこうとするが全く離れない。

「…テメェ如きが巻き込まれていい様なモンじゃねぇんだっ。」

「テメェ如き?」

「足手纏いなんだよっ。」

紅葩はキレて蓮の脛を蹴る。

「・・・っ。」

痛みに悶え紅葩の腕は離してしまう。

「ムカつく…雫ゴメンッ、私行く所があるから先行くねっ。

アンタはそこでずっと蹲ってなさいよっ。」

「…っ、待ちやがれ紅葩っ。」

全速力で走る紅葩、その後を追う蓮。

「紅葩………何なの?」

雫はただそれを呆然と見ていた…。

 理事長室では、天照と生徒会メンバーが紅茶を飲んでいる。

「…来たわね。」

天照の口角が上がる…扉の向こうで廊下を走る複数の足音が聞こえる。

 理事長室の扉が壊れる位に勢いよく開かれた。

「待ってたわよ、紅葩。」

何かを決意した、そんな表情と目で天照を見つめる紅葩。

「答えは決まったかしら〜?」

「うん。」

不敵に笑う紅葩…そこに少し遅れて蓮が入ってくる。

「………本気か?」

「…もちろん。」

紅葩を睨む蓮だが…考えを変えるつもりはないらしい、諦めたように溜め息を吐いた蓮は紅葩の頭を乱暴に撫でた。

「じゃあ紅葩、何か聞きたいことはあるかしら?」

「スサノオのゲームについて…蓮は勝ち残った1人だけが人間に戻るって言ってた。」

「そのままの通りだよっ。」

「桜花…先輩?」

「やだなぁ紅葩ちゃん、もう仲間なんだから名前で呼んでよ~敬語もいらないし…ね?璃莉。」

明るく元気な咲良に璃莉は静かに頷いた。

「…咲良、そのままって?」

「ボクたちが殺し合い最後に生き残った者だけがスサノオの力で人間に戻ることが出来るんだよ~。」

咲良の代わりに紫葵が答えた。

「オレたちはそんなことしないけどな~街でずっと一緒だったし。」

「………街?」

紅葩の動悸が早くなる。

「はいそこまで~その話はまた今度ねっ。

とりあえず紅葩に“弟“が黒幕の大ボスだって。」

「…弟?」

「そっ、スサノオはあたしの弟神、天界であいつに逆らえる奴は誰もいなかった…。」

天界とは神が暮らしている世界のこと。

「このゲームに反対してスサノオと戦って…天界からは追い出され、神の力もその時に無くなっちゃった、ってわけ〜。」

明るく言っているが明るく言える内容ではない。

「スサノオの玩具にされた後、天照がアタシたちの所に現れてな。

それから5年、アタシたちは天照と一緒にいる。」

「・・・5年前。」

紅葩の記憶が無い時期と偶然にも重なっている。

「街の住人はバラバラになり、その街は人の記憶から…地図からも消えた。

わたしたちはココの寮でずっと暮らしているのよ。」

「オレたちが仲間、神具(しんぐ)って呼んでるんだけど気配を感じるのは武器を具現化した時だけ…スサノオにそう設定されている。」

みんなの説明にはスサノオに対する憤り、憎しみ、絶望などの感情が感じられた。

「…私には何ができる?」

「何もしなくていいのよ~ただ一緒にここに来てお話しするだけでいいの。

手始めに紅茶のおかわり、いただけるかしら~。」

天照の陽気な声と混じってチャイムの音が聞こえる。

「今日はもう解散ね~今度紅茶入れて頂戴ね〜。」

「お疲れ様~また放課後にねっ。」

「紅葩ちゃんっ「またね~。」」

双子、咲良は2年生で璃莉は3年、剣と紅葩は1年生。

「…蓮は?蓮も………高校生?」

その容姿で高校生と言うには蓮は大人っぽすぎる…剣も充分に大人っぽいが。

「蓮さんも学生ですよ?」

「えぇーーー?アレでっ?」

「………どういう意味だ?」

蓮を指差す紅葩に蓮のこめかみが動く。

「蓮は1度も授業に出てないからな、留年生だ。」

「あ~………。」

「憐れんでんじゃねぇよ、学校になんて興味が無いだけださっさと行け。」

紅葩達も理事長室から去り教室に向かった。

「……………。」

「随分御熱心ね~れ・ん・く・んっ。」

「キメェよババァ…俺も行く。」

「れ〜ん、紅葩の仲間入りは反対なの〜?」

「…当たり前だろう、アイツは…仲間じゃない。」

蓮は窓から飛び降りて行ってしまった。

「………蓮はちゃんと覚えているのね〜人間って不思議よね〜。

まさかあの子が“ココ“に戻ってくるなんてね………これも運命ってやつかしら。」

天照の声は誰に聞かれることもなく消えていった…。

廊下では璃莉と別れ剣と紅葩の2人。

「えっ?蓮って18歳なのっ。」

「今年で19歳だな。」

「信じられない…もっと歳上かと…。」

「蓮は色々と場数を踏んでいるからな…そう見えるだけだ。」

「ふ~ん。」

他愛のない話が続く。

「紅葩はアタシ達が怖くないのか?」

「何?急に…怖かったらココにいないと思うけど…。」

「去年、紅葩と同じように仲が良かった一般生徒にバレたらしい。

仲が良かったにも関わらず、化け物と拒絶されたらしい…。」

「……………。」

紅葩はもちろん剣も去年は中等部で直接の関わりは無い。

「今の紅葩と同じ様に天照に選択を迫られ「逃げた、と。」あぁ、最もそれが普通の反応だろう。」

「でしょうね…私の方が普通じゃないってことでしょ?

まぁ私も記憶喪失っていう変わり者だし変わり者同士惹かれ合うのかもね。」

「…アタシたちが変わり者だ、と聞こえたんだが?」

「事実でしょ?」

微笑む紅葩に剣の口角も上がる。

教室に着き扉を開けると…クラスメート達(特に女子)の視線が一気に刺さる。

「何で…椿さんと剣様が一緒にいるの~~~~~?」

女子生徒の悲痛な叫び。

「何でって…生徒会に入ったから?」

「「「「「はぁーーーーーーーー?」」」」」

クラスメート全員が騒ぎ出す。

「………火に油を注いだようだな。」

紅葩は生徒達に囲まれ身動きが取れない。

「授業が始まるぞ?」

しれっと普通に席に着いた剣。

「剣っ、助けてよーーー。」

紅葩の願いは叶わず、先生が来るまでその状態だった…。

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