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1話(改)

黒天(くろあま)学園高等部…小中高大学一貫な学校だが、外部受験も多く取っているこの学園は大変人気である。

入学式、真新しい制服を身に纏い、それぞれのクラスで顔見せだけ軽く済ました後、体育館では校長の長々とした話…。

「…ふぁ~あ。」

特に隠すこともせず堂々とあくびをする少女…彼女の名は、椿 紅葩(くれは)

胸よりある黒い髪を高々と結い上げており、先程のあくびで出た涙の奥には髪よりも黒い漆黒の瞳が潤んでいる。

(話が長いんだよ…あの校長。)

心の中で毒付く内にやっと話が終わり、生徒達は教室に戻る。

紅葩の席は真ん中の後ろ、席に座るとつまらなさそうに机に肘を付いた。

先程の校長の長い話が後を引いており、担任の先生の話を横目に睡魔と戦う…内容が全く入ってこない。

「ねぇ、あの人すごくカッコよくないっ?背も凄く高かったよねっ?」(ヒソヒソ)

「今目が合っちゃったっ…素敵〜。」(ヒソヒソ)

「ずる~~~いっ。」(ヒソヒソ)

近くに座っている女子達のヒソヒソながら甲高い声は紅葩の耳を刺激する。

(………うるさ。)

女子達の話は担任の話が終わるまで続いた。

今日は入学式のため、これで下校時間となる。

「………帰ろ。」

立ち上がった紅葩だが、寝ぼけ眼でふらついてしまいぶつかってしまった。

「・・・・・あ。」

紅葩は顔を上げると眠気は一気に覚めた…まず目に入ったのは髪。

腰まで伸びた長くて綺麗な朱い髪。

目は紅葩より細い(紅葩は真ん丸)が見える瞳は赤い・・・例えるなら夕日の様。

「「・・・・・。」」

紅葩よりも高身長な彼女に自然と上目遣いになる。

しばらく見つめ合っていると周りの視線に気付く、さっきの女子達の視線だ。

どうやら彼女に騒いでいたらしい…視線が刺さる。

確かに彼女達の言う通り、そこらの男子よりカッコよい美人だ…とても同い年の15歳とは思えない、大人びた雰囲気だ。

「ごめん…寝ボケてて。」

「………嫌、気を付けて帰ってくれ。」

「ありがとう。」

紅葩は気まずげに教室から出ていく。

その後ろ姿を少女はじっと見つめていた。

「はぁ…今日は厄日だ。」

廊下を出てしばらく…複数の女子が道を塞いでいた。

女子生徒の中心にいる瓜二つの顔は双子だろうか?顔のタイプは違うがどちらも整っている。

髪は紅葩より短いが、男にしては長めの黒髪を後ろで束ね、蒼色と紫色のオッドアイが左右色違いで笑顔を振りまいていた。

「みんな可愛いね~。」

「僕たちに会いに来てくれてありがと~。」

「「「「「きゃあ~~~~~。」」」」」

「……………はぁ。」

女子達の悲鳴に紅葩は溜め息を吐く。

溜め息に気づいた双子は女子を優しくどかし紅葩の元へ…。

「「「「「きゃあ~~~~~。」」」」」

先程とは違う嫉妬の悲鳴。

紅葩の顎を片方が持ち上げ、もう片方は背中側から顔を覗く…どちらも顔が近い。

「……………っ。」

紅葩は嫌そうな顔をしつつ頬を染めてしまう。

「初心な反応だね。」

「可愛いね・・・。」

「「オレ(ボク)に溺れてみる?」」

その双子の言葉に当人の紅葩よりも脇立つ女子生徒達。

「こら。」

「「イタッ。」」

双子の頭を叩く2つのハリセン…双子は頭をさすりながら紅葩から離れ後ろを振り向いた。

「「ヒドイな~姉さん。」」

姉さん…と言われているが本当の姉弟ではないだろう。

その女子生徒の髪は透き通る青色を団子で纏めていた。

春だというのに白いマフラーを巻いていて終始笑顔の女子生徒。

双子(馬鹿)のことは無視して…帰るのを邪魔してごめんなさい。」

紅葩より頭1つ分小さい少女からの謝罪…糸目からうっすらと見えた銀色の瞳からは感情が読み取れなかった。

「…いえ、助けていただきありがとうございます。」

女子生徒に頭を下げ紅葩はその場を去る…その後ろ姿を女子生徒は見えなくなるまで見つめていた。

「不思議な子。」

「気のせいだよ。」

「そうそうっ…それに不思議なのは璃莉(りり)姉さんだけで充ぶっ「「イタッ。」」

再びハリセンで叩かれる双子。

「あっ、いたいたぁー。」

そう言って近寄ってきたのは茶色の癖っ毛のショートカットで金色の瞳を持つ明るそうな女子生徒と、教室で紅葩とぶつかった赤い女子生徒。

「璃莉どうしたのっ?難しい顔して。」

「なんでもないわ咲良(さくら)(あきら)、貴女も気にしているの?」

「……………そう、だな。」

それが紅葩と彼らの出逢い・・・このメンバーが出逢ったのは単なる偶然では無く、始まりに過ぎなかった。

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