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計画

この世界には魔力というエネルギーはあるが、それを自在に操る“魔法”という術を使用できる者が存在しない。

今日はいつものわちゃわちゃしてうるさい日とは打って変わり、二人とも黙り込んで考え事をする。

二人とも考えている事の方向性は同じだが、なにを考えているかは少し違っていた。


「...」

(セリシィを絵の外に出す方法…)


『…』

(レイに触れる方法ってなんだろ。)


しばらくの沈黙のあと、レイが小さく息を吐いた。


「……なあ」

『なによ』

「解呪とか、そういうのってさ……心当たりないの?」


セリシィは少し考えるように目を伏せる。


『……ないわね。あったら、とっくにやってるもの』

「だよな」


また沈黙が落ちる。


時計の音だけがやけに響く。


『でも』

「ん?」

『呪いっていうくらいなんだから、なにか条件はあるはずよ』

「条件?」

『例えば……誰かが何かをするとか、特定の場所とか、時間とか』


レイは腕を組んで考える。


「RPGかよ……」

『あーるぴーじー?』

「なんでもない」


レイはスマホを手に取る。


「とりあえず調べてみるか」

『またそれ』

「便利なんだよ、これ」


セリシィは少しだけむっとする。


『私のこともそれくらい真剣に調べなさいよ』

「今まさに調べようとしてるだろ」

『…そうだけど』


少しだけ拗ねている。


呪い 絵画 解き方 とレイが検索する。


『そんなので出てくるの?』


検索はヒットしなかった。


「出ないか。」

『当たり前じゃない?』


呪いとは とレイが検索する。

少ないがヒットする。

魔力が変質したものが呪いらしい。


『今度はなによ』

「ちょっと出てきた」

『えっ?』


セリシィが少し目を見開く。


「えっと…魔力が変質したものが呪いだって」


『変質…?』

「普通の魔力がなんかおかしくなったやつ、みたいな感じか」


セリシィは少し考え込む。


『じゃあ、元に戻せばいいの?』

「まー、それができたら苦労しねぇだろ」

『それもそうね』


少しの沈黙。


「でもさ」

「変質ってことは元は普通だったってことだろ」

『……!』


セリシィの表情がわずかに変わる。


「魔力収集機とか?」

『なにそれ』

「あー、ほら。家電とかについてるアレだよ。」

『どういうやつ?』

「空気中にただよってる魔力を集めてエネルギーにすんの。」


セリシィがスマホに目をやる。


『それも?』

「これはちょい違う。インターネットだよ。」

『それがあったら出れる?』

「魔力が変質した呪いを集めれるのかは…わかんないけど。」

『なんで私を出すこと迷わないの。』

「え?どういうこと―」


レイの言葉がセリシィに遮られる。


『私呪いで動いてるんだよ。』

『解呪したり呪い集めて呪いを消しちゃうとただの絵になっちゃうんだよ。』

『レイはさ…それでもいいの?』

「よかねえよ。でも約束したもんは果たさないとだめだろ。」

『っ…』


セリシィは、それ以上言えなかった。

だって、レイの目は本気だったから。


少しの沈黙。


『…ばか』


本当に小さく、吐き出すように言う。


「なんだよ」

『ほんと、そういうところよ』

セリシィはそっぽを向く。


『ありがと』


今度は、聞こえるか聞こえないかくらいの声で。


「は?」

『なんでもない。』

魔力しかないせいで、こんなおかしな現象が起きています。

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