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058_閑話・エメの想い

いつもお読み下さり、ありがとうございます。

マスターが私に触れた。

私の心に。

あの日、『石の塔』の頂上で私とマスターだけが異空間に攫われ戦った際に。

私はずっと隠していた、私に心が魂がある事が。

怖かった。

こころのあるゴーレムなんて、マスターから嫌われるのではないかと。

捨てられるかもしれないと。

私はアインから離れたくない。

私がずっと側にいてあげたい。

だって、それが私が死んだ時に想ったただ一つの願い。



死ぬのはあっけなかった。

ほんの一瞬。

痛みと熱。

最後に感じたのはそれだけ。

それだけで私の意識は闇におちていくのを感じた。

そして魂が肉体から離れていく。

怖かった。

闇に、深淵に一人取り残された。

そんな感じ。

涙を流す事も叫ぶ事も出来ず、孤独だけが私の心を支配する。

そんな時に見つけた小さな光。

体にならない体で必死にそれを掴もうと足掻いた。

そこに行きたい。

私を一人にしないで。

お願い、ごめんね、悠くん…。

光は私を包む。

眩しい光だ。

瞼なんかないのに、目を閉じようとする。

そして目を開けた時に、彼はいたんだ。

姿が変わっても分かる。


ああ…、悠くん。

ごめんね。

もう一人にしない。

だから一人にさせないで。


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