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041_ダンジョン『石の塔』接待プレイ

感想・レビューお待ちしております。


次の扉を開ける。


「さ、寒いですわ!!」

「…くしゅん」

「ゆ、雪だ」


次のエリアはまさかの雪原だった。

見渡す限りの銀世界。

摩訶不思議が揃うダンジョンとはいえ、この中で雪原を見る事になるとは思わなかった。


「エメさんは平気ですの?」

「はい、私は寒さも熱も感じません。ただあまりにも冷え込む場所ですとフレームが凍り付いてしまう可能性があるので、長居は出来ませんが」

「わたくしもこんな所には長居したくはありませんわ」

「確かにこの寒さで体調を崩したら敵わないな。ちょっと待ってくれ」


アイテムボックスからちょうどいい素材と魔石を取り出し、ゴーレムを錬成する。


「”emeth”」


出来上がったのは毛皮のマント型ゴーレムだ。

それをみんなに配る。


「暖かいですわね」

「…暖まります」

「私にもあるのですか。ありがとうございます、マスター」

「これなら十分動けるな。本当に微弱な[火魔法]が発動し続けている。これを羽織ってる間は体が冷えないように暖めてくれるから、この寒さでも何とか戦えるな」


本当にこういう時には、俺のゴーレム錬成が役に立つ。

こうしてみんなの役に立った時ほど、余計そう思える。


「よしここからは俺とクロエの番だな」

「…えっと、が、がんばります!」


クロエの装備は変わらず鎖のままだが、その性能は以前の物を遥かに凌駕している。

元がゴーレムなのである程度の自律性を持たせ、自動攻撃に防御が行える。

また自身に向けられる敵意にも反応するようになり索敵も行える。

デフォルトでその行動が行えるようにオンになっているが、先程の乱戦のような状態ではオフにする事も可能だ。

ロザミアには過保護過ぎると言われたが、例の一件がある以上はそれくらいは当然だろう。


俺たちは雪原を進む。

吹雪いているのなら前が見えず苦労しただろうが、弱冠の雪がちらつくて程度なので視界には問題なかった。

ある程度進むと、遠巻きからモンスターの集団を発見した。


「…あれは」

「オーガのようですわね。攻撃的な獰猛なモンスターですが大した事ございませんわ」

「オーガはBランクモンスターです。クロエが一人相手するなら苦戦は免れませんよ」

「…えっと、ありがとうございます」

「やれやれ」


俺は鑑定を発動する。



【ステータス】

オーガ

年齢:6歳

ランク:B


Lv:46

HP:789/789

MP:134/134

力:812

体力:683

早さ:456

魔力:116

運:24


【スキル】

[斧術スキル 6][怪力スキル]



確かにそこそこの強さだ。

俺やクロエが普通に相手するなら苦戦するのは間違いないだろう。

だが、今回はこのダンジョンに誰もいないと聞いている。

俺はお得意の技を披露させる。


「ゴーレム召喚!」


既に錬成済みのゴーレムを召喚する。

その数、ざっと100。

全戦力を出したいのだが、そうなるとこの狭いダンジョンで軍隊を動かすと各ゴーレムの性能をフルに出せない。


「ちょ、多すぎではありませんか!?」

「ふっ、これが俺の戦いだ」

「卑怯ですわ!多勢に無勢だなんて」

「これがマスターの力ですので」

「そういう事だ。それにゴーレムでの集団戦を高めたい。今回はうってつけの機会だ」

「そうですわね…、アインにはやらなければならない戦いありますものね」

「それにマスターはとても非力ですので、ゴーレムに頼るのは仕方ないかと」

「うぐ…、綺麗にしまると思ったのに。まぁいい。やれ、ゴーレム達よ!命令は分かってるな?」


ゴーレム達は一斉に立ち上がると瞳が赤く光る。


「マスターからの命令を承認」


数で勝っていたはずのオーガ達だったが、突如として現れたゴーレムの軍隊にたじろいでいる。

ゴーレム達はそんなオーガに構わず、オーガ達を蹂躙する。


「ガ、ガアアァァァ!?」

「グガァァァァァ!!」

「ギャアアアアァァァ!?」


「駆逐する。敵を駆逐」

「モンスターを殲滅する」

「命令を遂行、遂行」


オーガ程のモンスターなら数を率いれば並大抵の騎士団ですら苦戦するというのに、今は狩られる側になっている。

ゴーレムの連携は上手くいっており、オーガからの攻撃を防ぐ物、攻撃をする物、撹乱させる物。

きっちりと役割をこなしてくれる。

基本は自律行動だが、連携が乱れそうな所には俺が直接操作する事でカバーする。

逃げようとするオーガにも容赦なくゴーレムの攻撃が迫り、一匹たりともこの場から逃さない。

そしてものの数分もしないうちに、オーガの大群は見事に全員が瀕死の状態になっていた。


「よし、いいぞ!クロエ!」

「…えっと、はい!」


クロエは瀕死のオーガを鎖で攻撃し、トドメを刺していく。


「ガアアァァァァァァァァァ……」

「グガァァァァァアアアアアア……」

「グギャアアアアアアァァァァァァ……」


これぞ…。


「パワーレベリング!」

「なんと悍ましい戦い方ですわ…」

「もうこれは、接待プレイです」

「…えっと、すいません…」

「クロエさんが謝る必要はございませんわ。そう…アインに出会ったオーガが不運ですのよ」

「よし、次だ次!何、ダンジョン産のモンスターじゃないんなら狩り尽くしても問題ないだろう」

「…えっと、がんばります!」


出会ったオーガ達はすぐにゴーレム達が包囲し殲滅する。

そんな事を繰り返していたら、逆にオープン達の方が逃げ惑うようになってしまっていた。

これではどちらがモンスターか分からないと、エメから怒られてしまった。


「うーん、さすがにオーガの姿が見えないな」

「こんな戦い方してればそうなりますわ!いずれ、アインは全てのモンスターですら狩り尽くしてしまいそうですわね」

「帝国を倒した後はそれもいいかも知れないな。モンスターがいなくなれば平和になるし。いやでもモンスターの魔石が取れなくなってしまうな」

「そんなとこでもマスターは魔石の心配ですか」

「ちょっと待て!何か大きな気配が…、ってなんだあいつは?」


見ると牛頭の巨大な斧をもった大男がこちらへ向けてやってきた。



【ステータス】

ミノタウロス

年齢:9歳

ランク:A


Lv:49

HP:1622/1622

MP:103/103

力:1182

体力:1022

早さ:312

魔力:98

運:5


【スキル】

[斧術スキル 7][剛力スキル][鉄壁スキル][肉斬骨断スキル]


「ミノタウロス…、初めて出会ったな。ランクはAか」

「ミノタウロスですって!?伝説級のモンスターですわよ。まさかここで出会えるとは、でも今はアイン達の番でしたわね」

「そう気を落とさないで、ロザミア。マスターがピンチになればすぐにでも助けましょう!」

「ぜひ負けて欲しいみたいな雰囲気を出さないでくれ。例え伝説級のモンスターでも、ゴーレムの包囲網に勝てないって事を見せてやるさ。やれ、ゴーレム達よ!」


「「「了解」」」


命令を認識するとゴーレム達はミノタウロスを囲み、錬成攻撃で翻弄し始める。


「クロエ、ちょっとばかし強敵だ。オーガみたくトドメを上げさせるのは難しいかも知れないな」

「…えっと、大丈夫ですよ!私も邪魔にならないようがんばります!」

「無理は…いや出来る限りでいい。頼んだぞ、クロエ」

「はい!」


「ブモオオオオオオ!!」


ゴーレム達が繰り広げる連携にミノタウロスは追い付けていない。

ミノタウロスの体躯はオーガよりも一回り大きく、その腕力は凶悪だが動きは速くない。

巨大な斧の一撃をゴーレムが防御すれば、その背後はがら空き。

すかさず他のゴーレム達が一斉に攻撃に入る。

今まで通りの狩り。

そう思っていたがどうやら違った。


「ブ、ブモオオオ」


苦しそうにミノタウロスは膝をつく、


「どうやらもうすぐで終わりそうだな。おもったより大した事は…、何をする気だあいつは」

「ブモオオオオオオオオオオ!!!!」


何かを発動させた。

いやこれは、前にあったレジスタンスが使ったスキル。


「[肉斬骨断スキル]か!!」


ミノタウロスは再び立ち上がると、巨大な斧をゴーレム目掛け振り下ろす。


「ブモオオオ!!!」

「防御」


ガシンッ


ゴーレムの一体がミノタウロスの攻撃を防いだように見えたが、そうではない。


ミシミシ


「ブモオオオオオオ!!!」


ドゴーンッ


「くっ、ゴーレムが!!」

「な、なんて力ですの。アインのゴーレムの防御力はとてつもないはずですのに」

「だが、背後はがら空きだ。行け!」


ゴーレム達は命令通り、背後から攻撃をしかける。

だが。


「ブモオオオ!!」

「これを読んでいたのか!?」


ミノタウロスは振り下ろした斧を、背後目掛けて回転してなぎ払う。

今ので数体のゴーレムが大破してしまった。


「くそ…。だが、数はまだまだあるぞ!」

「…ご主人様!!」

「ク、クロエ!?」


クロエはミノタウロスの前に飛び出すと、斧の攻撃を躱しながら翻弄させる。

そして隙を見て、鎖を投げつける。


「ブ、ブモ!?」


鎖はミノタウロスを縛り上げると、その動きを封じた。


「ご主人様!長くは持ちませんが、今のうちに!」

「さっきとは逆になったな。だが、ありがとう!」


身動きの取れないミノタウロスにございませんわ達は攻撃を仕掛ける。

息も絶え絶えになった奴に、俺は直接攻撃を仕掛ける。


「こいつで終わりだ!!」


空歩で頭上まで飛び上がり、落下の勢いのままゴーレム槍を突き刺す。


「ブモオオオ!?」

「そして、これも喰らえ!!」


雷魔法の発動。

ミノタウロスの体深くに刺さった槍から直接の雷攻撃。

これにはさすがのミノタウロスも終わったであろう。


「ブ、ブモオオオ!!ブモオオオオオオオオオオオ!!!」


ドシンッ


ミノタウロスは倒れ、命が尽きた。

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