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Lonely Liar  作者: Laugh
-Episodeβ-
216/344

-Chapter14-

 無理やり怜に同行を強制された俺は、とりあえず部屋を片付けることにする。中々部屋は雑貨が転がっていて、早めに片づけをしないとな、と思いながら部屋の中のゴミなどを掃除した。翌日、俺は部屋のチェックを済ましてから、怜が来ていないか確認の為にドアを開ける。すると、そこには怜と朔が立っていた。そういえば、怜は朔を連れてくるとか言ってたな。

「お、朔も連れてこられた感じか?」

 俺は朔にそう言葉をかける。ふと、俺の後ろに杣がやってきて、俺の後ろから二人を眺めていた。もしかしたら、怜と仲良くなることにまだ抵抗があるのかもしれない。

「えへん! 朔君がどうしてもって言うから、仕方なくね!」

 ……いや、朔を誘うって言ったのは怜じゃなかっただろうか。俺がそんなことを思っていると、

「多分それはないと思うけど」

 杣が俺の気持ちを代弁してかそう言った。……ただ、彼女がこの調子じゃ、怜と仲良くなんてなれるのだろうか?

「むー! ちょっとくらい冗談に付き合ってくれてもいいじゃない!」

 やはり怜の反応は不満が表れている。

「とにかく、一緒に出掛けない?」

 杣は話題を変えるように言った。俺たちはとりあえず杣の提案に従って、彼女の向かう場所へ歩いていくことにした。彼女はどこに行くかを教えてくれなかったので、どこに行くのかはよく分からないが。そういえば、朔が杣について少し聞いてきたので、俺は杣の魔法について知りうる限りのことを話したっけな。その後杣が朔に実際に魔法を見せていたし。杣は朔とはそこそこ仲良くできているんだけどなぁ。どうして怜とは気まずくなってしまうのだろうか? 気性の問題か?

「朔君、ちょっと失礼なこと考えてない?」

 ふと、怜が朔に文句を言う。……怜はどうやら朔の考えていることをほぼ確実に予測できるらしい。もしかして、俺は杣の気性の問題を、朔は怜の気性の問題を考えていたのか? 俺は朔に妙な親近感を覚える。

「失礼な、失礼なことなんて考えてないよ!」

 朔は胸を張って答える。まぁ……他人の気性の問題を考えている時点で失礼ではあるのか。俺は杣の気性について考えるのはやめた。

「へぇ。でもさ、今の言い方ってちょっと戸惑ってるように聞こえない?」

 怜は楽しそうに朔の言葉で言葉遊びをする。

「着いたよ」

 俺たちのそんなやり取りなどまるでお構いなしに、杣は目的の場所に着いたことを伝えた。ここは――。

「が、学校?」

 俺はつい声に出してしまった。学校で仲を深める……うーん、あまりピンとこないな。

「学校に忘れ物でもしたの?」

 朔は杣が学校に忘れ物をしてきたのだと思ったらしい。だとして、何を忘れたのだろう? そしてどうして今――。

「特にしてないよ」

 俺が考えている途中で、杣はそう言って足早に学校の中に入って行った。取り残される俺たちだが、杣を一人ぼっちにするわけにもいかないので、俺は杣の後を追うことにする。

「どこまで行くんだろうね?」

 杣の後を追っていると、怜がそんなことを言ってきた。なんだろう、こうして列になって歩いていると、潜入捜査をしているような気分になる。いや、尾行か? そんなことを考えていると、杣が図書室の中に入っていた。つい潜入捜査の気分になっていた俺は、まるで隊長になったかのように右手を挙げて跡に続いて来ていた二人を止めた。

「べふっ!」

 急に朔が叫び声を上げるので、少し驚く。

「朔君、急に止まらないでよ!」

 どうやら怜が朔にぶつかったらしい。彼女は怒って……いる、のか? むしろこの状況を楽しんでいるように思える。

「いや、僕たち急に止まったくらいで激突するくらいのスピードにはなってないからね? ついでに、迅が止まれっていう合図は出したし」

 どうやらこの事故は俺のせいらしい。……いくらなんでも今の雰囲気が潜入捜査みたいだったから、というしょーもない理由でこんな事故を起こしたなんて言えない。俺は少し考えてから、

「俺、そんな合図出したか?」

 後ろを振り向いてとぼけて見せた。おかげで朔はこれ以上追及することはなくなり、

「杣は今何してるの?」

 と聞いてきた。俺は安堵の溜息を心の中で吐きながら、

「杣なら図書室に入ったぜ」

 と言う。正直、あそこで嘘を吐いたこともしょうもなく、なんだか朔に申し訳ない気分になる。

「失礼しまーす……」

 朔が一番最初に図書室に入り、それに続いて俺と怜が図書室に入る。図書室にはやはりあのフードを被った少女がいた。俺が軽く手を振ってみると、彼女は少しだけ顔を伏せて頷いた。

「うん、来てくれてありがとう。それじゃあ、みんなその辺りで読書でもしててくれるかな」

 杣がそう言った。……彼女は何がしたいのだろう。そう思いながら俺は、

「じゃあ俺は本でも借りるかな」

 とりあえず杣の言うことに従っておくことにした。

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