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Lonely Liar  作者: Laugh
-Episodeβ-
209/344

-Chapter07-

「な、なんだったんだ今のは……」

 俺は奇妙な感覚に少しの不快感を覚えながら、杣に尋ねてみる。

「私の魔法――『影』の魔法だよ。色々と応用の効く魔法なんだ」

 杣はすぐに答えを返す。ふと、一緒にいたポニーテールの少女が杣に話しかける。

「で、何か有用な情報は手に入ったの? あたしは何も見つけられなかったんだけど……」

 少女の問いにも、すぐに杣は応対した。

「まぁ、なんとか。一つだけは見つけたけど……これ自体じゃあまり有用性は無いかもしれない」

 少女は杣の答えに少し不満を抱いたようで、

「あそこで彼らに見つかることに、どれだけのリスクがあるのか分かってるの? あたしが言えたことじゃないけど、無駄にリスクの高い行動はなるべくやめた方がいいんじゃないの?」

 そんな文句を言っていた。

「そうだね。私もなるべくそういう行動は避けたいのだけれど……そろそろそのリスクも考えて行動しなければならなくなってきているから」

 杣は少女の意見は否定しないものの、彼女は彼女自身の意見を曲げる気はないようだった。

「あんたが何を焦ってるのか分からないけど……あたしに迷惑がかかるようなことだけは止めて欲しいわね」

 少女も無理に杣の行動を止める気は無いようだった。

「二人はどんな関係なんだ……?」

 俺は二人の奇妙な関係に疑問を抱き、質問をした。

「まぁ、協力関係ってところかな……」

 杣は少し考えてから俺の質問に答える。

「協力……か。まぁ間違ってないわね」

 少女も少し間を置いてから頷いた。

「とりあえず今日はこの辺りで。あたしには少しやることがあるから」

 彼女はそう言うと、足早にこの場所から去って行った。

「やることって何だ……?」

 彼女の名前を聞くのを忘れたことに気付きながら、俺はそんな疑問を口にする。

「互いに隠し事はしてるから、散策はしない約束なの。だから迅もあんまり彼女のやることについて気にしすぎないでね」

 杣は彼女とあの少女の関係について少し話しながら、散策をしないようにお願いする。俺は勿論と頷くが、

「なぁ杣……互いにってことは、杣もあの少女に隠し事をしているのか? もしその隠し事が俺にも隠してるなら……俺に話してくれないか?」

 杣の隠し事が気になって、俺はそんなことを聞いた。別に彼女が隠し事をしていないならいいのだが、杣の表情を見ていると、どこか俺に言えないような何かを抱いているような気がする。

「ごめんなさい……これは誰にも言えないことだから」

 杣は頭を下げて謝った後で、彼女の隠し事は俺にも明かせないことを明らかにした。――彼女の力になってあげたいのだが、その彼女からそう言われては何もすることができない。

「あまり思いつめないでね。別に私のことは気にしなくてもいいから」

 杣がそんなことを言ったので、

「そんなこと言わないでくれよ。俺は杣の彼女だろ? 確かに出会う前はただの他人だったかもしれないけどさ……でも、今は違う。だからさ、少しでいいから話してくれないかな?」

 俺はつい感情が強くなってそう言い返してしまった。すると杣は、

「――ごめんなさい」

 顔を背け、そんな言葉を口にした。何に対する謝罪だったのか、彼女の表情が見えないままでは、俺ははっきりと分からなかった。

 翌日、杣は俺の家にやって来なかった。またあの少女と何かをやっているのだろうかと考えながら、俺は適当に町をぶらつく。母さんが少し心配そうに声を掛けてきたが、俺はなんとか笑顔でごまかして外に出た。母さんに心配をかける訳にはいかない。そう思いながら学校の方へ向かうと、

「――あ」

 ふと、フードを被った少女と出会った。確か、病院で出会ったな。

「あの、この間は、どうも……」

 少女の方から先にお辞儀をしてきたので、俺もお辞儀をする。

「いやいや、あの時は大丈夫だったかい? トイレに行ったきり戻ってこなかったみたいだけど……」

 俺は当時の状況を思い出して答えると、

「え、あ、はい……」

 少し恥ずかしげに俯いてそう言った。

「もしかして君、この学校に用事があるのかな?」

 俺は特に聞く必要のないことを少女に聞く。すると彼女は少し頷いて、

「はい……私、図書委員、なので」

 と答えた。杣ほど小さくはないが……比較的小柄な彼女、しかも学校の制服を着ていない彼女が、この学校の生徒であり図書委員であるとすぐに信じることは出来なかった。

「俺も一緒に行ってもいいかな?」

 いくら暇とはいえ、出会って数回の少女にそんなことを尋ねては引かれてしまうのではないかと言った後で気付いたのだが、

「え? ……あ、はい……」

 彼女は特に否定することなく頷いた。俺はそんな彼女の反応にほっとすると同時に微妙な疑問を抱きながら、俺は彼女の後について学校の図書室へ向かった。

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