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燃え〈ルナ〉よ剣‼️~コミュ障少女。ぼっち生活を死守するために、お弁当と燃える剣で冒険者たちを守ります~  作者: みちのあかり
朝食と冒険者さん(4日目)

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第49話 閑話 赤いローブのルナ?

【三人称】


 ルツィナが帰ったのに気がついた三人は、お互いなぜここに他の二人がいるのか不思議に思った。


「私は孤児院の修復について、神父から事情を聞こうと思って来たのですよ」


「私は……ルツィナが今日も料理を作りに来るのか確認に来たのだが……。どうやらこれで終わりみたいだね」


 ディアマントの寄付に対して、自分の欲望丸出しなギルド長。


「わたしゃ、依頼を受けてな。ほれ、お前の店で宝石を売った少女と取り引きをしてな」


「なんだと! どこにいる! 名前は!」


 ギルド長が魔道具屋に詰め寄る。


「ん? うちの客に何か用かのぉ?」


 魔道具屋は、ギルド長を覗き込むように牽制した。


「まあ、何を買ったかはそのうちわかることだから教えてもいいがね。孤児院への寄付として、魔道具のコンロとオーブン、それに向こう10年分の交換用魔石だね」


「「はあ?」」


 宝石商が慌てたように魔道具屋に言った。


「いくらだ! 私が500万の寄付をしても、あの少女がその何倍もの価値の寄付をするとなれば……。何を考えているんだ? 何を私に求めているんだ?」


 コンロだけでもかなりするということは知っている。ましてオーブンなど……。王都の貴族街の高級店でも、導入すれば噂になるというのに。


「ああ。寄付ではなく貸与だったねぇ。所有権はあくまでその少女にあるそうだ。転売や移動されないためにそうしたんだろう。まったく……かしこい少女だわぃ」


「孤児院に、何かつながりがあるのか?」


 ギルド長は魔道具屋に尋ねた。


「知らん。事情まで聞く義理はないさね。まあ、名は刻印してほしいと言うから、聞いたが」


「教えてほしい。名は何と」


「うちの上客だ。そう簡単に教えられんね」


「悪い話じゃないんだ。感謝と報酬を贈りたい。それと、ギルドに現状報告をしてほしいんだ。こちらからも頼みたいこともある。とにかく、連絡をつけたいだけだ」


「ほう。こちらの情報が欲しいと。なら、そちらは何を寄こすんだい?」


「情報?」


「ああ。売り物には現金、トップクラスの情報には何が似合うと思っている?」


「……」


「そうだねぇ。大負けにしよう。さっきの少女の情報を教えな。どこかで見た気もするのだが。そういやルツィナって言ってたね。どこの子だい」


 ギルド長は、思わず名前を口に出したことを後悔しながら、しかしルツィナと冒険者の少女の情報を秤にかけていた。


「ダンジョン近くの弁当屋だよ」


「おや、うちの客の娘か。引っ込み思案で中々顔を出さない。そうさね、そろそろ弁当屋のコンロは、魔石の効力が切れる頃だが。親父が来たら話を聞こうか」


 ルツィナの父がいないことを言うべきか迷ったギルド長だったが、魔石が切れそうなことを伝えればいいだけと考えなおした。


「ルツィナは今、私たちと専属契約を結んでいる。菓子を作らせようとしても無駄だわ」


「おや、そうかい。冒険者ギルド専属か。うまいことやったね。まあ、うちは菓子屋じゃない。定期的に菓子を売ってもらえるように頼んでほしい。どうかね」


「……聞いておこう。それで、少女の名は? どこに住んでいる」


 ルツィナが嫌といえば、菓子は渡すことができない。身元は答えたのだから教えろ、と詰め寄った。


「どこに住んでいるかはわからん。まあ、そこら辺の宿を転々としているのだろう。刻印にこう記すように言われている。『赤いローブのルナ』とね」


「赤いローブのルナ、か。やはりルナでよかったんだ」


「ギルド長、私にも菓子を卸してはくださらないだろうか! それも至急に。宝石を売った夫人に、孤児院への寄付を促すために。宝石をまだ持っている赤いローブのルナ様が高額な寄付をしたこと、それと

孤児院の関係者がこれほどの菓子を作ることができること。それがあれば、調理室を増築させることができる」


「「ほう。それになんの意味が?」」


 二人は宝石商を睨みつけるように見ながら聞いた。


「オーブンをどこに置くつもりだ? 鍵がかかり、安全で使いやすい調理室があれば……あの少女、ルツィナの腕がどれほど奮われるか。私は見てみたい。そして味わってみたい。あの少女の本気の料理と言うものを」


 熱く語る宝石商の言葉は、ギルド長と魔道具屋の胸に響いた。

 そして、味わったことのない絶品料理を、なんとしても食べたいという思いがあふれた。


「ディアマント、そいつはやめとけ」


 魔道具屋が言うと、宝石商はすぐに反応した。


「なぜだ!」


「貴族を巻き込んだら、なんだかんだで連れて行かれる。情報は秘匿するものだ。調理室ぐらい我々三人で作ることができるだろう。神父を巻き込んでわしらだけで楽しめるようにするのがいい。そうは思わんか?」


 定期的に寄付を続け、情報を抑える。料理は、高額寄付者へのお礼。ルツィナには、何か別に恩恵を与えればいいだろう。現金でも立場の安定でも新しい調理器具を取り寄せても。


 三人は、その方向で合意した。

 そのことを現実にするため、神父の元に向かうのだった。


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