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燃え〈ルナ〉よ剣‼️~コミュ障少女。ぼっち生活を死守するために、お弁当と燃える剣で冒険者たちを守ります~  作者: みちのあかり
朝食と冒険者さん(4日目)

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第46話 フライパンを鍛えます

(で、どうするのよ? 夕方にはシルルさん来るんでしょ)


 そうです。もうじきお昼です。

 孤児院では、朝と夕方にしか食事が出ないと言っていますが、朝ご飯があれでは……。


 夕ご飯のためにミルク味噌スープを作って帰ろうと思ったのに。


(ああ。野菜と肉を入れたら、ごちそうになるね)


 でもダメです。与えるだけならよかったけど、教えるなら、ありふれたもので作らないと。


(そっか。ルツィナにしか手にはいらないもので覚えたら、再現できなくなるもんね)




 それに、基本を飛ばすと上手くならないから。


(大変だね、教えるの)


 本当に……。とりあえず、かぼちゃはたくさん収穫したから、孤児院にはかぼちゃをおすそ分けしておきましょう。

 放っておいても問題ない丈夫な野菜だしね。


 料理を覚えたいって言っても、覚えなきゃいけないことはたくさんある。包丁を始めとした道具の使い方。火の管理。食材の特徴。


 あ〜! どうやって教えたらいいの〜!


(ルツィナはどうやって覚えたの?)


 私? 私はお父さんから、少しずつ。


(じゃあ同じようにしてみたらいいんじゃない?)


 お父さんと同じように? 私が?

 えっと……どんな風に聞いたっけ?



「じゃあ……今日から、しばらく……見学して、ください。勝手に作っては、いけません」


 頑張って話さないと。


「はい! 天使様」


 って、天使様やめてって言ったよね。


「次、天使様……って言ったら、破門します。師匠、と呼びな、さい」


(お〜! 師匠か。いいね!)


 お、お父さんから習った時、そう言ってたから。


「お師匠様。……これでいいですか?」


「いい、です。では、始めます」


(お〜! 師匠っぽい)


 私はお父さんから言われたことを口に出した。


「料理をしたいのなら、まずは感謝を示しなさい。『神に感謝を。食材に感謝を。道具に感謝を』 はい、繰り返して」


「神に感謝を。食材に感謝を。道具に感謝を。これでいいですか?」


 お父さんを思い出したら、すらすら言えた。


「そうです。感謝の気持ちがあれば、全てを丁寧に扱えます。包丁も火も食材も、丁寧に扱わなければ、自分や他人の身を傷つける凶器に変わってしまいます」


 そうだよね、お父さん。


「はいっ!」


 うん。浮ついていた瞳が、真剣な目の色に変わったみたい。


 これなら、ちゃんと教えても大丈夫、だよね。


 私は、さっき買ってきた調理器具を次々に出した。


「これは、私から孤児院への寄付です。これらを使って料理をするのですが、私が許可したもの以外は、勝手に使わないように。雑に扱うのもダメです。いいですね」


「こんなにたくさん。はいっ! 分かりました。師匠」


 うわ〜。キラキラした目で包丁を見ているよ。触らないでね!


「ルツィナ様、こんなに!」


 神父様、いえ、あの……。


「私が! 使う、必要が、あるので……」


 いいから、貰って!


「寄付、です」


「あっ、ありがとうございます。ルツィナ様」


 あ〜! 涙目にならなくても!

 え〜と……そうだっ。あれしなきゃ。


「カナさんっ! かまどに火を入れて」


 いつも使っているから、できるよね。


「はいっ! すぐに火をつけます」


(何するの? 料理?)


 ううん。フライパンを鍛えるの。新品だからね。


「新品の、フライパンは、使う前に、高熱で焼いて、油慣らしをします。フライパンだけです。鍋は同じことをしては、いけません。覚えておいて、ください」


 新品のフライパンなんて、この先手にすることもないと思うけど。知識として覚えて。


(ああ。そういやあったね。テフロンばっかりでやったことないや)


 テフロン? なんですか、ルリ?


(ははっ、知らなくても大丈夫。忘れて)


 はあ。まあいいです。


 薪代わりの小枝を追加し、火力を上げた。フライパンを火にかけ、真っ赤になるまで焼き続けた。


 一度火から下ろし、鉄の色を戻す。

 油を多めに入れ、また火にかける。


 フライパンを傾け、縁に当たるように油を回す。

 熱くなった油が陽光に照らされ、七色の光を反射している。


 そこら辺に生えていた草を投入し、フライ返しで炒めた。


 本当は野菜クズ使えばいいんだけど、ここらの雑草、ハーブが多いし、いいよね。

 あっ、薬草や魔法草も入ってる。


「こうやって、焼いたあと、油を入れて回すと、鉄の表面に、油の膜が、でき、ます。錆を防ぎ、焦げ付きを防ぐために、必要な工程です」


 いつの間にか、他の子どもたちも集まっています。


 真似させないように、神父様にお願いしなくては。


 フライパンは、一度冷ましましょう。


 せっかく熾した火です。もったいないから、かぼちゃを煮ましょうか。


 さあ、料理を始めますよ。

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