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Qこのメンツでスニーキングミッションができると思うか?

「ここがアジトだ」


「何と言うか…普通のお店?」


街中の雑貨屋の前の路地に隠れながら、ヒソヒソと会話をする。パッシが組織内で賞金首のような状態になっているらしく、隠密行動が必要となった。パッシはフードを被り、顔を隠している。


「表向きは、な。地下に広がる空間が本拠地だ。作戦はこう。きみたちが最初に店内で暴れ回り、敵の戦力を削ぐ。ぼくは隠し扉の位置も地下の構造も把握しているから、潜入して違法行為の証拠を見付け出す。それさえできれば、後は騎士団に根本まで叩いてもらうだけで良い。だが、例え騎士団でも博士の脅威的な兵器には対抗できないだろう。ぼくが証拠を見付ける間、可能であれば博士の抹殺も頼みたい」


「えー、俺アイツに会うのかよ」


「アンタ、キレたときの記憶はまだ戻ってないんでしょ?博士とやらに会えば記憶も取り戻せるかもしれないんじゃない?」


「ま、そうかもな」


「何と、きみは記憶喪失だったか!そのような大変なときに声を掛けてしまってすまない!」


「いや別に、コイツずっとこうだから気にしなくて良いよ」


「それお前が言うやつじゃなくね??」


「てか、そんな大声出したら…」


「なぁ、無視か??なぁ」


主張が鬱陶しいバケモノをビンタして、店の方を窺う。


「いたぞ!No.84だ!!捕らえろッッ!!」


「そりゃそうなるよね!!!知ってた!!!!」


「おわ~~!!すまない!!立案者のぼくが作戦を台無しにしてしまうとは!!!」


「なぁ、聞いてんのか?なぁ」


「いやもうアンタ状況見ろよ!!!さっさとこいつら殺すよ!!!」


「しょーがねーなー。んじゃ、やるかぁ」


その後は乱戦だった。


奥から無尽蔵と思われるほどの敵が現れ、殺しても現れ、殺しても現れる。


組織の人間が手を斬り落とそうと剣を振りかぶった。パッシが大岩で潰して殺した。


歪な悪魔が食い破ろうと口を開いた。少年が『聖水』を投げ込み殺した。


首輪を着けた魔法使いが涙ながらに火を放った。バケモノがそれ以上の火で飲み込み殺した。


現れた者を殺して、現れたモノを殺して、現れた物を殺して。


殺して、殺して、殺して、殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して。


「No.84!貴様ァ!!組織を裏切りおって!何が不満だ!?我が組織は貴様ら魔法使いを上手く使ってやっただろう!?飯も金も女もやった!なのに何故!!」


偉そうな人間が叫ぶ。一番近かったのはパッシだった。


「──ぼくはそんなもの、一度だって欲したことはない!!!!!」


風の刃が人間の首を刈り取る。魔法使いでもない人間はあっさり死んだ。


奥へ、奥へと進む。進んで、殺して、疲れて、殺して、怪我をして、殺して、一緒に仕事をした同僚も、友情が芽生えていた仲間も、迷いは殺して、殺して、殺して──


──そして、そのときは来た。


「あった!これさえあれば…!」


パッシが書類をくしゃっと握り締める。それから慌てて紙のシワを伸ばして、大事に抱え込んだ。


「は、はは…!やっと、やっと自由だ……!小さい頃から、ずっと、夢見てた、自由……!!」


パッシはポロポロと涙を溢す。ずっと、耐えてきたのだ。物心が付く前に魔法を使って、両親から捨てられた。組織にはそう聞かされてきた。


親の顔なんて覚えていなくて、子供を捨てた親なんてロクなもんじゃないと、むしろ捨てられて良かったと意地を張って、それでも寂しいものは寂しくて、辛いものは辛くて。


初めて命令で人を殺した日、あまりの恐怖に眠れなかったのを覚えている。


死は身近にあった。死んでいく奴隷仲間。死因は飢えか、怪我か、処刑か。分からなかった。知る必要はなかった。


殺しに慣れて、使い捨ての駒ではなくなった。見かけの生活が豊かになっても、全く満たされなかった。


与えられた餌も美味しくなかった。味がしなかった。


そんな中、先輩がドーナツを買ってきてくれた。


次の日に先輩は死んだけれど、もう顔も忘れてしまったけれど。


それでも任務中に内緒で食べたそのドーナツは、泣くほど美味しくて、忘れられなかった。


だから、組織を辞めたら絶対に、パッシはドーナツをお腹いっぱい食べるのだ。


「ク、ソッ!チクショウ…!」


これからのことに思いを馳せるパッシに、水を差す呻き声が聞こえた。


「ア?何だ、まだ生きてたのか」


「ヒッ!バ、バケモノ…!」


バケモノを見て、怯える人間。


それだけなら、いつものこと。


「──何でお前がここに…!?くたばったと思ってたのに……!」


それだけじゃなかった。ただ、それだけ。


「ア?」


「クソ、クソッ!博士だか何だか知らねぇが、こんなバケモノを野放しにしやがって!責任取って死にゃ良かったんだ!!無能がッ!」


「……」


それは、予測不可能だった。


「ア、」


呆けた声が、隣から聞こえた。


「ア~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッッッッッッッ!!!!!!!!」


次いで、拠点内に大声が響き渡った。


「うっるさ!!何!!??」


「どうかしたのか!?」


少年の非難の声も、パッシの心配の声も無視してバケモノは廊下を駆け抜けた。


A無理


キリが良い話数で終わらせたくて駆け足気味です

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