蚊帳の外
「失敗作…?」
「アァ!そうだよ!そうだった!こいつらも俺もアイツの作品なんだよ!ハー、スッキリした!いや、何であんなやつ忘れてたんだ?一度会ったら二度と忘れられねーだろ、あんなん」
「オイ、アンタだけで完結すんなバカ」
「でも結局、何でキレてたのかは思い出せねーな…何でだっけ…?」
「人の話聞けよ、なぁ」
思考に没頭するバケモノに『聖水』を食らわせようとして、ふと誰かが来たことに気がついた。ここは開けた普通の道である。人が来たからにはバケモノの正体がバレかねない行動はできない。後で『聖水』の風呂にでも叩き落とすことを心に決め、『聖水』を懐に仕舞った。
来た人間に関しては適当に挨拶でもしてスルーしようとしていたが、何やら様子がおかしい。とは言っても、盗賊たちのような狂人じみたおかしさではなく、単に何故か真っ直ぐにこちらに向かってきている、という心当たりがない類いのおかしさである。
「ゼェ、ハァ…失礼!ここで悪魔憑き…理性のない狂人を見なかったか!?」
声を掛けてきたのはローブを羽織った男だった。体力がないのか肩で息をしている。
「そこの塊だよ。一応、『聖水』は掛けておいたけど」
「なっ!?きみはエクソシストか!それにここまでの損傷…暴走した悪魔憑きは手が付けられないというのに…!」
「それは僕じゃないけど…そんな強かった?」
「ア?俺が失敗作に負けるわけねーだろ」
「──!もしや、あのマッドサイエンティストの関係者か!?敵対の意思はなさそうだが…」
男が驚きで目を見張る。警戒するように片足を引くが、目は期待や希望に彩られていた。
「マッドサイエンティスト…アァ、そういやアイツ、そんな風にも呼ばれてたな」
「やはり……!他にも科学者、博士、シエティと呼ばれていたが、合っているだろうか?」
「そうそう!てか、コードネームも変わってねーな」
「組織のことも知っているのか?!それは僥倖だ!組織のリストにきみたちの名はなかった…出会ったばかり不躾だが、頼みたいことがある!」
「何だ?」
バケモノと意気投合し、その勢いのまま頼み事とやらをしようとする男を遮ったのは少年だった。
「あのさぁ…何の話?」
唯一意味を理解できていない少年が訝しげに首を傾げた。
やっとこいつの話出せた




