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何故なら、彼はエクソシスト

マクアは隙間風に吹かれて散った灰の傍に寄った。


「……」


何か思うところがあるのか、マクアはカーサルだったものを少し見つめるも、少年が近づいてきたのを見てそちらへ向いた。


そして、説明をすべく話を切り出す。


「…すみません、驚きましたよね。実は、こういう事情でして」


「……」


「俺は魔法の制御が下手で、こうして一回きりの最大火力しか出せないんです。それに、人間形態だと魔法の反動で死にかけてしまうので、人化を解かなければならないんです」


「……」


「コミを命懸けで助けてくださったあなた方なら信頼できます。今まで隠していてすみませんでした」


頭を下げ、謝罪する。依頼した側が隠し事をするなんてという思いがあったマクアは、ここでしっかりと誠意を見せなければならないと考えた。


「あーあ、やっぱりね」


一つ、マクアの悪かった点を挙げるとするなら。


「確信まで一歩手前だったけど、自白してくれて助かったよ」


正体を明かした相手が悪かった。


「──ゥ、グゥ……!ど、して………」


苦悶の表情を浮かべ、カーサルと同様にマクアは灰と化した。


「あぁ、良かった良かった。『聖水』を飲ませても大丈夫だったけど、力を使った後は弱体化するみたいだね」


「依頼主だろ、良いのか?」


「悪魔は殺す、当然だろ?」


何を言っているんだ、という目で少年はバケモノを見る。自分の行動に何の疑問も感じていない目だった。


「報酬貰えねーけど?」


「それはちょっと困るね。まぁ、そこまで切羽詰まってるわけでもないし、まだ大丈夫かな」


「──ぁ…あ…や、ぅ……」


そこで、女の声が聞こえた。コミが傷付いた体を引きずり、マクアの灰をかき集め、泣いていた。


マクアが死んだ。彼はコミの恋人だった。愛し合っていた。昨日までは、コミの手料理を食べて、「美味しいよ」と嬉しそうに笑っていた。


そんなマクアが、今はただの灰になった。


「う……ぅああああああああっっ!!!!」


少年に一矢報いようと、コミは床に散る大理石の破片を手に取って振りかぶった。


「あ、」


それすら、少年には届かなかった。


バケモノの腕がコミの体を貫く。ただでさえ疲労を蓄積していた体は限界を迎え、コミは破片と命を落とした。


「?何でアンタが彼女を殺すんだ。何か気に触ったのか?」


「ア?だって、手伝ったらお菓子買ってくれるんだろ?」


「いや、僕は悪魔を殺せればそれで良いんだけど…。でも僕を殺しに来たんだし、いっか。うん、助けてくれたのは素直に感謝するよ。ありがとう」


「クッキーにしようかな~、それとも久しぶりに……」


「もうお礼のこと考えてる??まぁ、買うけど……」


二人は廃墟を後にする。残ったのは灰と女の死体。


バケモノの記憶を取り戻す旅をしている二人には、関係のない話だ。



二章完結!


悪って何だっけ??

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