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依頼内容

「とりあえず、水でも飲んで落ち着きなよ」


青年の尋常でない様子を気遣うかのように、少年は瓶を手渡す。


「あ、ありがとうございます。………ッ!」


「…どうかした?」


「いえ、…その、いただいた身で言うのも何ですが、この水、苦くないですか……?」


「……そう?まぁ、好みは人それぞれだよね」


さきほど悲痛な叫びを上げた青年の顔は青ざめ、汗をだらだらと垂らしていた。一刻を争う事態なのかもしれない。


だが、人混みの中で悪魔関係(この手)の話はしたくなかった。隣に爆弾を抱えているのもある。少し人気のない場所に移動し、改めて尋ねた。


「で、悪魔に連れ去られたって?」


「はい…」


焦っているのか分かりにくい説明の要点を整理すると、以下の通りだ。


まず、青年の名はマクア、恋人はコミと言うらしい。


そして、コミが悪魔に狙われた点は二つ。


一つは、マクアがその悪魔に恨まれているから。

もう一つが、コミ自身が聖職者の家系だからだ。


どうやらその悪魔とは因縁が深く、度々ちょっかいを掛けられているようで、その度に撃退をしていたら恨まれたとのこと。要は逆恨みである。


「耳が痛いね」


「…?」


「何でもないよ。続けて」


コミは聖職者の家系、とは言っても本人に浄化や聖なる力の類いはない。それでも、聖職者は悪魔に目の敵にされている。聖職者の親族であるというだけで悪魔から皆殺しにされてしまった例も少なくないのだ。


だからこそ、マクアは切羽詰まっていた。


連れ去った悪魔の伝言役からは「一人でくればコミだけは傷つけず解放する」と言われたが、悪辣な彼がそんなことをするはずがない。性根の汚い彼ならば、一人で来た自分を嘲笑った上でコミ諸共いたぶるぐらいのことはするとマクアは断言した。


コミがいつ傷つけられ、弄ばれるかも分からず、とにかく近場の退治人に依頼しようとしていたところ、出会ったのが少年だった。


「もちろん、報酬はお支払いします。お願いです。どうか、あの悪魔を討ち滅ぼし、コミを助けてください…!」


「そうだね、悪魔を殺すのはエクソシストの本分だ。その依頼を受けよう」


「あぁ、ありがとうございます…!」


話が纏まったところで、不満げなバケモノが一匹。


「お菓子は…?」


「手伝ってくれたら好きなの一つ買ってあげるよ」


「やる!!!」


バケモノを扱い方を学んだ少年だった。


少年は聖職者だけど聖人じゃないから、報酬はキッチリ貰う

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