ガッツリ大盛りデカパイメイド
作者は猛暑と労働のせいで6㎏痩せました
4足カツオってなんだよ
「腹が減った!こういう時は街の南西に行きましょう!」
キャロラインの歩みが言葉と共に早くなりだす。
「…確か安くて美味い定食屋が多いんだっけ?」
「はい!オークのトンカツ大盛とか最高ですよ!」
(オーク!??食べれるのアイツら!?)
「オークは家畜化してない野生動物みたいな物ですからね。最初に食べれる事を発見した人はエライですよ!勲章物です!」
「確か猟師の間でも人気が高い獲物だとか…」
(改めて文化の差に驚かされるなぁ…)
「ただ、養殖には成功してないらしいんですよねぇ…でも繁殖力が強いから値段は安いままなのが良いですね!」
(オークを養殖しようとしたが人怖い…)
「では、失礼をば」
ヨシムネは彼女に抱きかかえられる。
「内壁の上を走って行きますので、しっかりとお掴まり下さい!」
またもや彼女は家屋や塀を足場にして、高い建物の屋上に着地すると、そこから内壁に向かって大きくジャンプした。
(キャロの髪と首元から良い匂いがする…)
ヨシムネは一歩間違えたら即死の状況にも関わらず、メイドの匂いに夢中になっていた。
「秘儀!ナンバ走り!」
キャロラインは何事か技名を叫びながら内壁上を疾駆する。
内壁上の衛兵は驚いたそぶりも見せず、カードゲームに興じている。
「さぁ!飛び降りますよ!しっかり掴まってて下さい!」
「うん!」
彼女は内壁から飛び降りると、近くの建物の屋上に着地し、さらに低い建物へ飛び移って南西区画の目抜き通りに着地した。
「ありがとう!キャロ!」
「いえ、どういたしまして。腹が空いてたからかなり飛ばしましたけど、大丈夫でしたか?」
「大丈夫だよ。気を遣っていてくれてたんだよね?」
「…もう、ヨシムネ様ったら…」
キャロラインはニヘニへと笑う。
「さ、さあ!あそこの緑色の看板がある店です!」
二人は店の前まで歩いて行く。
看板には『ガッツモリモリ食堂』と太字で描いてある。
「メニュー表が出てるね」
「ええ…むむっ!今日は大盛り特別割引デーじゃないですか!」
「良かったね!キャロ!」
「ええ!今日出掛けて正解でした!」
「じゃ、入りますか!」
キャロラインが先導して店のドアを開けてくれる。
店の中からは香ばしい揚げ物の匂いが立ち込めていた。
「おう!キャロじゃねぇか!今日は朝市で良い肉が安く手に入ってな!お前さんみたいな奴の為に大サービス中だぜ!」
中から料理服を着た壮年の男性が出てくる。
「一応聞いてやるが、注文は?」
「オークと4足カツオのカツ特盛二つでお願い!」
「オーケー!!承ったぜ…ってそこの坊主はまだ小さいじゃねぇか」
「坊主!食えるか!?」
キャロラインが『あっ、やっちゃった』みたいな顔でこちらを見てくる。
「…行けます!」
「良し!良い根性だ!坊主は将来デカくていい男になるぞ!」
「マリネ!飲み物のオーダーを頼む!」
「はいはーい!」
奥から、ヨシムネとそう変わらない歳の女の子が出てくる。
「おきゃくさま!のみものはいかがなさいますか!?」
「あっ!マリネちゃん!元気だった?」
「はい!おかげさまで!きゃろらいんさん!」
「じゃあねぇ、アイスビールを一丁と…あっ、ヨシムネ様は何になさいますか?」
キャロラインがドリンクのメニュー表をヨシムネの目の前に差し出す。
「僕はレモネードでお願いします」
「はい!ごちゅうもんうけたまわりました!」
「あいすびーるとれもねーどひとつずつですね!しょうしょうおまちください!」
マリネはスタスタと店の奥へと入って行った。
(どう見ても5歳、6歳ってあんな感じだよねぇ…ヨシムネ様が特別出来が良いのかなぁ?)
キャロラインはお手拭きで手を拭きながら、メニュー表を観察しているヨシムネを見る。
(…ま、いいか!かわいい事には変わらないし!)
「…?どうしたの?キャロ?」
「いいえ、なんでもありませーん。ヨシムネ様かわいいなって」
「ちょっ、こんな店の中で…」
ヨシムネが慌て始める。
「やっぱりかわいいですよ」
キャロラインは笑いながら、ヨシムネを見つめていた。




