初めての街巡り(後編)
修学旅行で良く見掛けたやつ
1エンドル = 1円です
ヨシムネはキャロラインの手を引き、銀細工の店の前へ連れて行った。
「何が良い?キャロ?」
「あ…ぇ…ぁ…どれに…」
彼女は自分が高価な物を買う立場になった事が無かったのか、いざモノを目の前にすると、どう言葉を発して良いか分からないようだった。
「キャロが好きだ!と感じた物で良いよ!」
「!」
「わ、わかりました…ではコレを…」
彼女が指差したのは竜が剣に巻き付いた形のペンダントだった。
中心には小さな宝石が埋め込んである。
(彼女らしいな)
「すいません。店主さん。コレを下さい」
「はい。12万エンドルになります」
(確か手持ちは15万エンドルか…)
ヨシムネは店主に銀貨を渡す。
金を受け取るなり店主が話し掛けて来た。
「お客様。良いセンスですね。その小さな宝石には呪い避けの効果が付与されています」
(買う前に言ってくれよ)
「魔法都市エクサルミディオンの魔術師がエンチャントした一品で、組合発行の認証書付きです」
(キャロ?魔法都市エクサルミディオンって?(ボソボソ))
(に、西大陸最大の魔導都市国家で、8人の大魔道による話合いによって運営されています(ボソボソ))
店主は聞こえないフリをしながら、笑顔で丁寧に商品を包装している。
「はいどうぞ」
「ありがとうこざいます」
ヨシムネは商品を受け取り、包装の上から感触を確かめる。
「どうぞこれからもご贔屓に」
店主に見送られながら、ヨシムネとキャロラインの二人はその場を後にした。
二人は噴水の前にある木ベンチに座る。
「……」
キャロラインは耳を真っ赤にさせながらこちらをチラチラ見たり、周囲を見回したりしている。
(耳がピコピコしている…)
ヨシムネは包装を丁寧に剥がすと立ち上がり、ペンダント上からそっと彼女に掛けてやった。
(何か、良い匂いがする)
キャロラインの髪から良い匂いがふんわりと漂ってくる。
「とてもキミに似合ってるよ、キャロ」
「ひゃ、はい…」
彼女は口籠もりながら返事をする。
(自分を風呂場へ強引に連れこんだ彼女は一体何処へ…)
その時、ぐぅ~っと言う音が聞こえた。
キャロの顔が真っ赤になる。
どうやらこの音の出所は彼女の胃らしい。
「あ~お腹減ったなぁ~…キャロ?良いトコロ知らない?」
「!!」
「はっ、はい!知ってます!行きましょう!ヨシムネ様」
今度はキャロが慌ててヨシムネの手を引っ張って行った。
1ドル1円の世界を見てみたい




