深夜馬車大国なの?やっべぇ国来ちまったなぁ、おい(前編)
頼むから出して
深夜バスは本当の本当にキツイんだ
馬車でとか正気じゃない
~アリサカ邸~
アマネ勧誘後。
「と、いう事で!」
アナトがいきなり召喚魔術で大きなサイコロを持ったフクロウ型の使い魔を呼び出した。
(なんか何処かで見た事あるなそのサイコロ…)
「このサイコロには目の代わりに数と行き先が書いてあります!!」
(…んん?)
ヨシムネをは使い魔が持っているサイコロに対して、目を細めた。
4の数字が見えたが、そこには深夜馬車という文字が書いてあった。
「!?」
(なんだ!?深夜馬車って!?おい!)
冷や汗を掻き始めたヨシムネをよそにアナトが説明を始める。
「えーっとですね、このとぼけた顔がチャーミングな使い魔が投げるサイコロの面によってこれから行く場所を決めたいと思います!」
アナトは目をキラキラさせながら、熱弁を始める。
「まず1の数字は…ワクワク魔導飛空艇で南洋諸島へ一直線コース!」
「2の数字は…船で王都まで遊覧の旅!」
「3の数字は…グリフォンで北の大地一直線!シクマの離宮見学コース!」
「そしてぇ…4の数字は深夜馬車でハクタ行きでーす!」
「5は…魔鉄道で地峡を渡り、カリトット自治共和国まで魔導列車の旅です!」
「6は振り直しで!1~5が出るまで何度も振りますよ~!」
アナトは鼻息荒くサイコロを振る動作をした。
キャロラインとアマネは喜びながら、小さく拍手をしている。
(逃げ場ナシだぁ…)
「さ!使い魔のコイズミ君!サイコロを振って下さい!」
フクロウの使い魔のコイズミ君がサイコロを空中から地面に落とした。
運命のサイコロはタテやヨコへランダムに転がりながら、数字を変えて行く。
(4はいやだ…4はいやだ…)
サイコロは一瞬6になり掛けたが、2になっていく。
(よし!良し!ヨシ!)
だが、無情にもサイコロは傾きを変え4になった。
(絶句)
「はーい!4が出たので深夜馬車でハクタ行き決定ー!拍手ー!!」
キャロラインとアマネはおおーっていった感じで拍手している。
ヨシムネは呆然として転がったサイコロを眺めていた。
「そうですかそうですか…ヨシムネ様も深夜馬車の良さが…」
アナトが後ろから胸を押し付けながら、微笑んで来た。
絶望感のせいで胸の感触が良く分からない。
「はい。よーくわかってます。わかってますとも…」
アナトはニコニコしながら次の言葉を繰り出した。
「出発は今夜ですね♡」
(なぜだ。どうしてなんだ。おわりだ)
「「おー!」」
キャロラインとアマネは2人で盛り上がっていた。
「先生…」
「?」
「酔い止めとクッションを持って行っても良いでしょうか?」
ヨシムネは遠くを見ながら呟いた。
短めだけど勘弁して
深夜馬車は乗ってからが本番だから




