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第十七話

 「ところでロキシー、ロアナと言う女性に心当たりはあるからしら?」

 「伝説の勇者ロアナの事でしょうか?」



 「物語を知っていると言う事かしら? それじゃあ面識がある訳では無さそうね」

 「あの月の精霊と唯一契約を成し、その脅威を封じ込めた人物ですから知っていて当然です」



 「月の精霊?」

 「おや? 月の精霊をご存知ありませんか?

  では、なぜ彼女は勇者と称えられているのでしょう?」



 あら?

 なんか話がおかしいわね?

 月の精霊を封じ込めた人物?

 魔王を倒したから勇者になったんじゃないのかしら?



 「正直物語そのものをちゃんとは知らないのよ。

  魔王を倒したから物語として現代でも勇者として称えられているんだけど、ロキシーの話しも聞かせて貰えるかしら?」

 「成程、それでは私の知っている彼女の物語を少しだけお話させて頂きましょう。

  一応、魔王については心当たりが無いわけではないのですが、分からないと言う事にしておいてください」



 「わかったわ!」 返事をするとロキシーは月の精霊について語ってくれた。



 月の精霊は謎に包まれた存在であり、神と同等の力を持って突如としてこの世界に姿を現した。

 神の加護によってあらゆる生命は繁栄し、悠久(ゆうきゅう)の時を過ごしていたけど、月の精霊はそれらを忌み嫌い、破壊の限りを尽くした。



 直接世界に干渉が出来ない神はその座から引き下ろされ、月の精霊によって世界は争いの絶えない滅亡を辿るだけの世界へと変貌してしまった。

 そんな絶望的な環境の中で、月の精霊と契約を結び、封印したのがロキシーの知るロアナだと言う。



 なんだか話が分からなくなって来たわね。

 同じ日本人であるロアナに興味が湧いたと言う事と、ロアナと私の第三の目の能力が同じなのだとしたら、なんて思って聞いてみたけど、深入りはしたくないわね。



 でも、乗りかかった船ってわけで、今度お城へお邪魔した時にでもジャービス第二王子からロアナの残した文書を見せて貰って、シャルールからも少しだけお話を聞きましょう。

 ロキシーへの土産話くらいなら丁度いいと思うわ。



 「話を聞かせてくれてありがとう。

  それじゃあ、もう一つ質問があるんだけど、私の他にもロキシーロキシーにはお客は来るのかしら?」

 「ここを訪ねて来られたのはアイラ様で15人目になります」



 「そんなに!?」

 「ですが、少し曖昧な所でもあります。

  このお店ではお客様を思い、死んでいった方々の記憶が通貨になりますので、通貨をお持ちでない方のほうが多くいました。

  三回以上ご利用されたのは一人だけ。

  あと、通貨を持ってはいましたが、利用されなかった方は一人だけいました」

 


 「なるほどね。

  この店ではって事は他にも似た様なお店があるのかしら?」

 「ええ、御座います。 私の店よりよっぽど繁盛しておりますよ。

  ただ、あちらの通貨はここと違った物になりますし、アイラ様がそちらを訪ねる事は出来兼ねますが……」



 よっぽど繁盛している?

 気にはなるけど、カインを待たせているしお話はまた今度にしましょう。



 それじゃあ買い物をするかどうか……って迷う事なんてないわね。

 私の事を思ってくれていた人達が残してくれたお金ですもの。

 大切に使わせて貰おうと思う。



 「そろそろ一旦戻ろうと思うんだけど、最後に商品を見せて頂けるかしら?」

 「当店は原石を取り扱っておりますが、現在商品棚に並ぶものは御座いません。

  全てオーダーメイドですから」



 「あら、原石なのにオーダーメイド? しゃれてるわね。

  どんな原石を作って頂けるのかしら?」

 「そうですね……それではまず、原石をお見せ致しましょう」



 ロキシーが私の胸の中から、沢山キラキラ光る原石を取り出して商品棚の上に丁寧に並べていく。

 形も大きさもそれぞれ違って、私が見てもなんなのか良く分からない。

 


 「こちらはアイラ様が現在お持ちになっている原石になります」



 そう言って一つひとつ、ロキシーはこれが何の原石なのかを説明していってくれる。



 まず説明してくれたのが凄くよく磨かれて、綺麗な光沢のある原石。

 ここまで綺麗に磨かれた原石は素晴らしいと私を褒めてくれた。

 その原石は剣技の才能を表している。

 決して大きくは無いけど、学生時代ずっと磨き続けた私の大切な才能って事ね。



 こんな感じで原石とは、その人物の持つ才能を表しているみたい。

 そして、大きくても磨かなければ宝の持ち腐れになっちゃうみたいだから、原石を購入したら頑張って磨かなきゃね!



 自分の事だし、私の持っている原石が何なのかは大体ロキシーの説明と一致していた。

 ただ、魔法の属性と第三の目の原石については元々私の持っていた能力では無かったから、ロキシーの話しを聞いてそれがなんなのかを把握出来たわ!



 まず、第三の目の能力は異空間を操る能力。

 成長すれば異空間に部屋だって作れる様になるみたいだから、色々と使い道がありそうだわ。



 そして、ここへ来たみたいに、意識を特殊な空間へと移動させる事も出来るみたいだけど、ここへ来たのはたまたまらしく、一度ここへ辿り着いた事でいつでもここへは来る事が出来るみたいだけど、運が悪ければ一生かかっても何処へもいけなかったりするんだとか。

 


 魔法の属性についてはどれも珍しいらしく、興味深そうにその性質を語ってくれた。



 破軍(はぐん)の原石。

 剣に魔力を宿し、相手を破壊する属性であると同時に、味方の能力を魔力によって底上げする属性。

 名の如く、軍単位での能力向上も可能。



 武曲(むこく)の原石。

 あらゆる武装の技量を魔力によって底上げする事が出来る。

 本来なら経験によって得られる技量を、魔法の力によって過去からその経験を抽出して自らに宿らせる属性。

 


 廉貞(れんちょう)の原石。

 統率系の魔法属性で、大勢の味方への指示をする時などに魔力を消費する事で伝達を確実なものに出来る。

 他にも士気を高める力も宿している。



 文曲(もんこく)の原石。

 武曲(むこく)の原石と似た様な属性だけど、こっちは自分では無く、味方への支援。

 自分の味方の技量を魔力によって補填する。

 ただし、こっちは武装に関しての技量だけではなく、あらゆる技量を魔力によって引き出す事が出来る。


 禄存(ろくそん)の原石。

 強力な光を操る属性。

 暗闇を照らしたり、目つぶしをしたり出来るんだけど、体の傷や病を癒す光の属性でもある。

 清浄の効果もあって、アンデッドにも効果があるようね。



 巨門(こもん)の原石。

 防御に特化した属性の魔法が使える。

 その気になれば軍全体を守る壁を召喚する事も出来るみたい……

 


 貧狼(とんろう)の原石。

 静寂と月の加護を得る属性。

 気配を消したり、特定の音や匂いを聞き分けたりする事が出来る魔法属性。

 例の如く、軍単位で行える。



 私に将軍になれって事かしら?

 それに、これ全部魔法よね?

 全ての属性を満足に扱うには相当な魔力量が必要だと思うんだけど……

 しかも、これ全部任意で発動する魔法なのよね。



 それに……お父さん……

 運命はどう転ぶか分からない。

 けど、この属性の能力があったからあの時、お父さんは私を連れて走りだしたのかな……?

お願い。


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