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第十四話

 朝一番で私達はラルバ男爵とネムに見送られ、町を発つ。

 馬車の中で私は一人、精神を集中して瞑想(めいそう)する。



 私がまた、強さを求める日が来るだなんて夢にも思わなかったわ。

 あの時の情熱とはまた違った熱い気持ち。

 なんて言えばいいのかしら?

 国民を守りたい?

 ううん、違う。

 私は私に出来る事をしたいだけ。


 強くなって守れるものがあるのなら、それで満足。

 高望みなんてしない、それで十分!

 


 「馬車の中でその様な座り方は危ないですよ?」

 「大丈夫よ、ちゃんとバランスは取れているわ。 お家に着くころには夕方ね、今日は帰ってお勉強かしら?」



 「いえ、魔法の先生がいらっしゃっているので、ご挨拶を。 その後は何も予定はありませんが、明日の朝から寺院へ行き、開眼式を行います」

 「開眼式?」



 「富裕層でしか行われていない儀式ですが、資質があれば第三の目が開かれます」

 「ええ……目が三つになるって事?」



 「見た目は変わりません。 新たな能力を得られると思って頂いた方が分かりやすいかもしれませんね」

 「新たな能力……ダリアは持っているのかしら?」



 「開眼式は受けましたが、私には資質はありませんでした。 身近な方で第三の目を持っているのはガラティア辺境伯とミケル第三王子ですね」

 「あら、ミケルちゃんも持っているのね! どんな能力なのかしら?」



 「ガラティア辺境伯は足場をイメージしただけで作り出せるみたいですよ。 ミケル第三王子は使い熟せていないので良く分かりませんが、空間を歪める能力があるようです」

 「イメージは出来るけど、二人共よく分からない能力ね。 シャルールはその気になれば空を駆ける事も出来るのかしら?」



 「ええ、出来る様ですよ」

 「それが可能なら、体勢を崩してもすぐに足場をイメージして立て直せるって事よね? とんでもないわ……」



 「アイラ様ならきっと素晴らしい資質を持っていると思いますよ」

 「そうだといいわね!」



 ついに魔法が使える日が来るのね!

 それに、第三の目……私に資質があるのか分からないけど、楽しみだわ!

 


 ◇



 太陽が沈み始めて、真っ赤な夕陽が空を赤く染め上げる頃、ようやく我が家へと辿り着いた。

 屋敷に入ると、お父様が出迎えてくれた。



 「おかえり、アイラ。 無事戻って来てくれたな」

 「ただいま。 心配してくれていたのね、ありがとう! ヨズの実のジュースがとても美味しかったわ!」



 「そうか、それは良かったな。 応接室でアイラの魔法の先生が来ている。 一緒に挨拶をしに行こう。 休まなくても平気か?」

 「大丈夫よ!」



 私はお父様の手を握り、応接室へと連れて行って貰った。

 あら? この人が先生?

 ガッチガチに緊張しているわね……



 直立不動の姿勢で力み過ぎてプルプルと体が震えているわ。

 それに、顔も真っ赤!

 とても若くて誠実そうな男性。

 おかっぱ頭で、赤毛の髪ね。

 年齢は……二十代前半って所かしら?



 お父様が椅子に座って「掛けなさい」と言うと、もの凄く大きな声で自己紹介を始めた。


 「自分は! バーンアストライド公爵様よりアイラ様の魔法指導を仰せつかったアモンド・スクライブと申します! ウィザードの最高位であるスペルマスターの称号を持っておりますが、師に比べればまだ未熟者です! 本日はアイラ様の為にこの命も投げ出す覚悟でやって参りました! よろしくお願い致します! それでは! 失礼ながら席に着かせて頂きます!」

 「私がアイラよ、宜しくね、アモンド」

 「若いメイジが来たのかと思ったが、その年でスペルマスターとは恐れ入る。 スペルマスターと言うのであれば、アイラを任せても心配はいらないな。 ハッハッハ」



 メイジとウィザードって何が違うのかしら?

 それにスペルマスターって何?

 


 私が首を傾げていると、お父様がアモンドに魔法の基礎知識を教えてくれる様に頼んでくれる。



 「魔法の属性は無限にあるとされております! ですが、殆どの人は火、水、土、風のいずれかの属性しか使えず、生命力を活性化させる陽の属性や、(いかずち)の様な特殊な属性を使える人は特別視されております! どういった魔法の属性を持っているのかはマジックアイテムで判別可能で御座います! こちらがそのマジックアイテムです!」



 アモンドがトランプの様なカードの束を机の上に置き、(てのひら)をカードの上にかざして力を込めると、カードがシュシュッと時計回りに飛び出してくる。

 六枚あるわね。



 「今飛び出して来たカードが自分の魔法属性であります! 火のカードが一枚と、土のカードが二枚、そして風のカードが三枚になります! 自分は風の魔法が一番得意です! ご理解いただけたでしょうか?」

 「ええ、分かり易くて良いわね。 でも属性は無限にあるんでしょう? カードに無い属性はどうなるのかしら?」



 「カードに無い属性の場合、不明のカードが飛び出します!」

 「不明のカードね! わかったわ、私もやっていいかしら?」



 アモンドが「勿論です!」と言って、私の前にカードの束を置いてくれた。

 手をかざして力を込めてみる。

 あら? 一枚だけ? それにカードの絵柄が赤い丸の中にXって書いてある……



 「不明のカードですね……それでは、こちらのカードを使ってもう一度同じ様にして下さい」



 アモンドは新たなカードを懐から出し、私の前にその束を置く。

 さっきと同じ様に、手をかざして力を込める――あら?

 今度は沢山カードが飛び出してくる。

 数えて見ると、二十三枚あった。



 「全部不明のカードだけど色が違うわね。 三と五が二組、一と二と四が一組づつあるわ! つまり、私は七つの属性が使えてそのどれもが不明と言う事よね?」

 「は……はい! だいたいあってます! 正確に言えば、魔法と認められるレベルでの習得可能な属性が七つあると言う事になります!」



 「なるほどね、それじゃあ早く魔法を使ってみたいし、何から始めればいいのかしら?」

 「そう……ですね、とりあえずこちらの本に書かれている魔法をイメージして練習しておいて下さい。 こつとしては全身を脱力させると体全体から魔力の流れがあるのを感じ取る事が出来るはずです。 それを操ろうとすれば魔法を使うこつが掴めると思います。 そして自分はアイラ様のお持ちになっている属性があまりに特殊なので、師に相談して参りますので、また後日訪れさせて頂きます」



 「わかったわ! 暇さえあれば練習しておくわね! それじゃあアモンド先生今後ともよろしくね!」



 アモンドは「はい、よろしくお願いします」と言って部屋を出て行った。

 不明のカードが飛び出してから急に元気がなくなったわね。



 不明だからどんな属性なのかは実質わかっていないし、それが七つも種類があるんだから混乱しちゃったって感じかしら?

 師に相談するって言ってたし、だいたいそんな所ね!



 明日は早くから出かけるけど、寝るまでに少し魔法の練習をしておきましょう!

 


 自室に戻った私は、ベッドに横たわり、魔力の流れを感じる為に全身を脱力させた。

お願い。


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