第十一話
あー早く魔法を使いたいわ。
あれから一週間、四方八方から貴族のパーティーなんかに呼ばれて凄く大変。
王に次ぐ権力者の娘って肩書があるし、行方不明だった私がひょっこり戻って来たんだから、色々な場所で祝ってくれるのはいいんだけど、ダリアの話しだと後一ヵ月はスケジュールが埋まっているみたい。
それまで剣の稽古は自主トレーニングだけだし、お城にも行く暇が無いわ。
「ダリア、今日は何処へ行くのかしら?」
「ラルバ男爵のパーティーですが……」
「あら? どうかしたの?」
「パーティーをするラルバ男爵の屋敷ですが、その町には最近になって子供が失踪する事件が複数ある様です。 しかも少し遠いので帰るのは一晩泊まり、次の日の明け方になります。 その様な危険な所へアイラ様を向かわせる訳にもいきませんし、キャンセルしておきましょう」
「待って! 私は今刺激を求めているのよ! ずっと退屈なパーティーばかりだったから欠伸が出っ放しよ! そのパーティーに出席しましょう!」
「駄目ですよ、何が刺激ですか! 今日は大人しくお屋敷で過ごして下さい。 沢山教材も御用意してありますので、私が見て差し上げます」
「ダリア、お願い! 私をラルバ男爵のパーティーに連れてって!」
「いくらお願いしても……なんですかその目は?」
「お願い、ダリア」
「仕方ないですね……それでは私も着いて参りますので、準備してください」
あら? ダメもとで頼んで見たけどあっさり許可してくれたわね。
実はダリアって私に甘いのかしら?
そう言えば厳しくされた記憶は無いわね。
主従関係だからあまり強く言えないのかもしれないわ。
ダリアが自室に戻って着替えて来ると言うので待っていると、いつもと違う服装をしたダリアが部屋に戻って来た。
騎士っぽい服装をしていて、男装をしている女騎士って感じでカッコイイわね!
「ダリア! 私もその服を着て行きたいわ!」
「主に対してこの様な格好はさせられませんよ……ドレスを着ていて下さい」
「武器も持っていくのね」
「危険な可能性がある場所へ行くので、アイラ様の護衛を務めさせて頂きます。 こう見えて私は騎士でもありますから」
ダリアってただの召使いの一人だと思ってたけど、騎士だったのね!
普段召使いの格好をしているのは、襲われても相手が油断する様にとかそんな感じなのかしら?
ダリアと馬車に乗り込んで、馬車が動き出す。
「よいしょっと!」
「アイラ様、馬車の中で横になるのは危険ですので、お止め下さい」
「ラルバ男爵のお屋敷は遠いんでしょ? ずっと座ってたらお尻が痛くなっちゃうわ」
「我慢してください。 椅子から落ちたら怪我をしますよ」
「それじゃあ落ちない様にダリアが支えててくれればいいわ」
「……分かりました。 それではこちらへ」
やっぱりダリアは私に甘いわね!
ダリアの差し出して来た手を掴むと、その手を引いて私の体を引き寄せてくれた。
そのままお姫様抱っこみたいな形になったけど……ずっとこの態勢でいるつもりなのかしら?
「ダリア? 膝枕とかでいいと思うんだけど、この態勢で大丈夫なの?」
「アイラ様は軽いので問題ありません」
「ふーん。 ダリアは私に凄く甘いわよね?」
「アイラ様はとても可愛らしいので……お願いされるときいてあげたくなってしまいます」
「あら! 私の魅力にメロメロなのね!」
「メロメロですよ。 今もアイラ様を膝の上に抱き、とても幸せな気分です」
「カインは膝の上に乗せてくれなかったわ」
「そうですか。 カイン様の膝の上には乗ってはいけませんよ」
「あら? どうしてかしら?」
「実は私、カイン様の事が嫌いなんですよ」
「どうして!? とってもいい人だと思うんだけど?」
「アイラ様の前では見せていないでしょうけど、陰では凄く兄の様に振る舞うんです。 この間も久しぶりに一緒に風呂でも入ろうとか言いだしてご一緒しましたが、ずっとアイラ様のお話を聞きたがろうとするので困ってしまいました」
「一緒にお風呂に? もしかして恋人同士だったりするのかしら?」
「いえ、私は普通に女性が好きなので、カイン様はちょっと……」
「ああ……ダリアは女性が好きなのね! でもカインはダリアをお風呂に誘うって事はダリアに気があるのかもしれないんじゃない?」
「いえ、カイン様も女性が好きなはずなのでそれは無いですね」
「ダリアは……男の人なの?」
「はい、女装をしておりますが、男性です」
ポンポンとダリアの胸元を弄ってみると、良い胸板をしている。
キリッとした顔立ちも男性だと思うと、ぐっとくるものがあるわね……
「い、いいのかしら? 主に対して欲情してるって……事よね?」
「可愛らしい方だとは思っていますが、流石にそれは無いですね。 アイラ様は意識されているのですか?」
「当然よ! お着替えだって手伝って貰っているし、意識しない訳ないじゃない」
「不快なら別の召使いに交代致しますけど、どうなさいますか?」
「不快じゃないわ! でも、私が欲情したらどうするつもりなのかしら?」
「止めて下さい。 バーンアストライド公爵に殺されてしまいます」
思わぬダリアの告白に驚いたけど、この感じだと私の事を性的対象としては見てない様ね。
でも、今後成長していく私にドギマギしていくのを見るのも楽しそう!
その時にまた揶揄ってみましょ!
そこで燃えるような愛が芽生えても、それはそれでありだと思うし!
周りに沢山イケメンもいるし将来が怖いわぁ……
結婚が出来る歳になったら、私を奪い合ったりするのかしら?
もしかしたら私、また刺されちゃうかもしれないわね。
でも、私はこの生き方を変えるつもりは無い。
だって、私の気持ちに嘘なんてないんだもん!
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