ヒーローテスト 4
ベットから立ち上がり、タンスに向かうと、一つの引き出しから、ジャージを取り出す。
体力測定の時に、鈴美に借りたものと同じデザイン。
真由は、普段このジャージを部屋着に使っていた。
「と、これだけじゃあ駄目ね。」
別の引き出しから、下着を取り出し、
「靴下もね。」
更に、別の引き出しから、靴下を取り出して、ベットの脇に戻った。
真由は、手に持った服一式をベットに置くと、今一度、扉と窓のカーテンを確認して、
「変身。」
すぐさま、ベットに置いた服一式を着こんで、
「解除。」
制服に戻った。
もう一度、扉とカーテンの確認。
深呼吸して、
「変身。」
ー、、、。そう言うことね。ー
真由は、ジャージ姿になっていた。
「解除。」
制服に。
「変身。」
ジャージ姿。
「解除。」
制服に。
ー、、、。もしかして、ちょっと便利?ー
もう一度。
「変身。」
ジャージ姿。
「つまり、帰ったら、いちいち着替えなくてもこの姿になれる、って、このよね。」
ー意外と便利?ー
「解除。」
制服に。
「、、、。」
さらに、もう一度。
「変身。」
ジャージ姿。
「解除。」
制服に。
ーやっぱり便利かも。ー
「だって、どんなに疲れて帰っても、一瞬で、部屋着。」
ぐっ、と、拳をつくり、
「いいじゃない。」
よしっ、と、気合が入った表情。
が。
ゆっくりと崩れていき、真由は、再び、ベッドの縁に腰かけた。
勢いよく息を吐いて、項垂れる。
「つまり、何なのよこれ、普通、こんなこと出来ないよね。」
はぁーーー、と、再び、勢いよく息を吐く。
そのまま停止。
どのくらいか時間が流れ、真由は、時間をかけて、顔を上げた。
「まっ。考えてもわからないし。ちょっと便利なぐらいで、何にもなさそうだから、いいか。」
あっさり立ち直ると、立ち上がった。
「あれ?結局、凄い運動能力、みたいなのは無い、って、ことなの?」
真由は、首を傾げると、再び、
「変身。」
ジャージ姿。
軽く、体を動かしてみる。
ー全く、変化なしね。ー
重くも、軽くもなく、いつもと変わらない体の動き。
ちょっと早く、体操もしてみる。
ー変化なしっ!ー
そこで、
「解除。」
制服に。
真由は、ベッドの縁に座り直して顎に指をあてると、上目になって天井を眺めた。
ーて、言うか。どう見ても、ヒーローの運動神経じゃないわよね。なのに、職業。ヒーロー。どーなってるの?ー
既に、真由の心中は、変身できる異常性は、気にならなくなっていた。
「まぁ、でも。変身、解除はわかったから、残るは、、、。」
もう一度、いつの間にか消えていた枠を見えるようにすると、書いてある文字を見直す。
>職業。
>変身ヒーロー。
>能力。
>変身 解除前の装備に切り替える
>解除 変身前の装備に切り替える
>キメる 色々あり
>
ーキメる 色々あり。よね。ー
「だいたい、キメる、って、意味がわからないよね。」
真由は、んんん、っと、考えるも、思いつかない。
「でも、実際に変身、まぁ、瞬間着替えよね、が、出来るみたいだから、間違いなく、何かできるんだろうけど、、、。」
腕を組んで、勢い、首を傾け、真由は、知識の中にある、ヒーローについて、思い出してみる。
「変身するでしょ。とにかく、敵と戦うでしょ。」
「敵なんているの?」
思わず呟いて、真由は、頭をかいた。
「置いといて。」
ー戦う、ってことは、運動神経が良くないと戦えない。じゃなくって、勝てないよね。ー
「負けが確定してるじゃない。」
黙り、何かを脇に置く動作。
ー敵もわからないし、今、重要なのは、キメる、が、何か?だから。ー
ヒーローの、一連の動作を思い起こしてみる。
ーそー言えば、それっぽいポーズをとる、って、キメる、って言うよね。ー
「じゃあ。どんなポーズをすればいいの?」
口を尖らせながら、むーっと、思いふけった真由は、部屋の真ん中に移動した。
扉とカーテンの確認。
おもむろに、思いつく数個のポーズをしてみる。
ーヤバ。誰も見ていないのがわかってても、メチャクチャ恥ずかしいんですけどーー。ー
思いつつ、真っ赤になりながら、一通りのポーズをやりきるが、結果は。
ー何にもないんですけど。ー
まだ、頬に赤みを残したまま、真由は、顔をしかめた。
「だいたい、ポーズなんてわかりようがないし、それなら、ポーズの登録でもつくってよ。もぅ。」
真由は、また、腕を組んだ。
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