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ヒーローテスト 2

 体育館でクラスメイト達が適当に立っている中、真由は、一人、ジャージ。

 「鈴美。ジャージ、貸してくれてありがと。」

 薄いグレーの生地に、青いラインの入ったジャージ。

 「いーよ。単に、持って帰るのを忘れてただけだから。」

 鈴美は、白い半袖、半ズボンに青いラインの入った、体操着。

 真由は、ため息をついた。

 「せっかく頑張って来たのに。もう一日休めばよかった。」

 値を書き込むためのプリントの隅をいじくりながら、口を尖らせると、

 「どーせ。後から一人でやることになるよ。今、やっといたほうがいいって。」

 鈴美が、肩を叩く。

 「そーだけど、さぁ。」

 ーあの枠のことが本当で、本当に、ヒーローなら、凄い結果が出るんだろうけどね。ー

 一瞬、黒い枠に書かれていた内容が、真由の頭をよぎるも、今の今でも、そんな、体の変化は感じない。

 胸いっぱいに吸った息を、真由は、盛大に吐く。


 「説明は、以上だ。始めてくれ。」


 前で説明していた先生の声が開始を告げ、鈴美が、真由の背を押した。

 「さっ。どれからいく?」

 「家に行きたい。」

 「それは、項目にないからね。」

 はぁ、、、、、、、、。

 真由は、鈴美に背中を押されつつ、トボトボと歩き出した。


 握力

 「んっ!!」

 「えーっと。流石、真由だね。」

 「腕が痛い。」

 「はいはい。」


 上体起こし

 「とりあえず、最後までできたから、よかったじゃない。」

 「明日、間違いなく筋肉痛ーー。」


 長座体前屈

 「腰が、、、。」

 「無理するから。まぁ。お互い様に、女の子らしくないみたいね。」


 反復横跳び

 「「はぁ、はぁ、はぁ、、、。」」

 「休憩しよっか。」

 「、、、。」


 、、、、、、、、。


 二人は、体育館の隅に、座り込んでいた。

 「つかれた、、、。」

 ズルズルと伸びていく真由。

 その横で、鈴美も、疲れた顔で、壁に持たれ足を投げ出す。

 「何とか、今日の分は終わったわね。」

 「体力測定、反対。」

 ほとんど寝そべっている真由の手が上がる。

 「疲れるのは事実よねー。走るのとかみたいに、一つ一つ、別の日にやるとかできないのかな。」

 鈴美が、口を尖らせると、それを聞きながら、

 「でもさぁ。」

 真由が、機嫌が悪そうに体を起こした。

 「鈴美。何で成績が良くなってるの?わたしとあんまり変わらなかったのに。」

 「私。一応、いつも標準内だったんだけど。」

 「わたしとあんまり変わらなかったのに。何で、よくなってるの?」

 聞こえないふりをして繰り返した真由に、鈴美が苦笑しながら、肩を窄め、

 「たぶん、バイトのせいじゃないかな。」

 答えに、真由は、目を丸くした。

 「え?バイトって、パン屋さんでしょ?叔父さんの。」

 「そ。」

 「え?何で?」

 詰め寄る真由を、軽く手で押さえる鈴美。

 「あのねぇ。パン屋って、結構体力いるのよ。」

 「そうなの?」

 「そ。まぁ、私も知らなかったけどね。」

 「ふーん。」

 納得できない様子の真由に、鈴美の目が、ちらりと光った。

 「それで。どう?前にも言ったけど、一緒にバイトやらない?体力もついて、バイト代も入って、一石二鳥だよ。」

 「そういわれると、ちょっと考えるけど、、、。自信ないなのよね。」

 「大丈夫。大丈夫。真由でも十分にできるから。」

 「わたし、一応、ごはん派だし。」

 「バイト先と、好みは別だから。それに、パンが嫌いなわけじゃないんだからさ。」

 「確かに、叔父さんのパンは美味しいし、好きだけどさ。」

 「本当?じゃぁ、いいじゃない。今日から?」

 「もう少し、時間ちょうだいーー。」

 真由は、そう遠くないうちに、バイトをすることになるだろうな、と、思いつつも、今回は、何とか逃げ切った。





 

 平日は、パン屋のバイトに行くことが多い鈴美と別れ、自分の部屋に入った真由は、カバンを適当に放り出し、ベットに腰掛けた。

 目の前、下半分に、黒い枠が現れる。


 >職業。

 >変身ヒーロー。

 >能力。

 >変身 解除前の装備に切り替える

 >解除 変身前の装備に切り替える

 >キメる 色々あり

 > 

 

 上の何行かは意味がわからないし、わかっても、どうにもならないよね、と、思ったところ、黒枠に出てくる文字は、こうなっていた。

 ー何が、職業、変身ヒーローよ。ー

 「運動できなかったら、ヒーローでも何でもないじゃない。まったく。」

 バタンとベッドに倒れ、足をバタつかせる。

 「変身でもしろっ、てこと!?」

 真由の両足が停止した。

読んでいただき、ありがとうございます。


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