20年目の新エンディング
新たな体制により国が落ち着いたころ、僕は悪役公爵領を訪ねました。
悪役令嬢さん、何をしていたのですか?
「ヒロインさんの事績をまとめていたのです」
どうしてですか?
「彼女の行った政策は、現代ではうまくいきませんでした。でも何百年かしたら、この国を救うヒントになるでしょう」
そうでしょうか?
「ええ。彼女は早すぎた革命家として、後世高く評価されるでしょう」
そういうものかもしれませんね。
「それよりも・・・先日、頭を扉にぶつけるという間抜けなことをしたのですが」
頭大丈夫ですか?
「それは大丈夫なんですが、前世のことを思い出しました」
前世・・・ニホン人だったときのことですか?
「ええ、実は新たな乙女ゲームが始まろうとしているのです」
は?
悪役令嬢さん曰く、(僕は半分も理解できません)
その乙女ゲームは同じ製作会社によって作られた。この世界を舞台とするゲームです。
失脚した王族の令嬢 “アリシア” は、優しかった母を生き返らせようと悪魔と契約して行動します。実はそれは悪魔の罠で、アリシアは『死霊の女王』という魔王を現世に呼び出す生贄です。
王の娘 “シャルロット” は仲間とともに、アリシア討伐と『死霊の女王』復活阻止のため旅立ちことになる・・・というものだそうです。
「魔王君臨エンド、王国崩壊エンド、人類滅亡エンドなど、核兵器規模の地雷満載のゲームでした」
なんですかそれ! 悪魔とか魔王とか、想像上の存在がこの世にいるんですか?
さすがにないでしょう〜
「でもヒロインさんに娘がいます。“アリシア”様です。陛下にも姫殿下がおられます。“シャルロット”様です。幼馴染さんもご存じでしょう」
・・・
「あらゆる悲劇を回避するため、私のすべての知識を託します。幼馴染さん、あなたには『チートキャラ』になっていただきます」
チートって・・・未だに意味わかんないんですけど・・・
「それと気になることが・・・」
まだ何か?
「これは、後日発売されたファンディスクで明らかになるのですが、『死霊の女王』の名前は、■■■■と云うらしいのです」
???
ヒロインvs悪役令嬢 ーー第三の幕が上がる?
おしまい