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72話 白馬の王子様

視点コロコロ変わってすみません。

どうしてもここはリリアン視点がよかったので‼


では、初のリリアン視点です‼

私、リリアンは転生者だ。


10歳の時、別の世界から来たっていう人の伝記を見つけて私のことだって思った。

難しい言葉もあったけど夢中で読み進めて、全て納得がいった。


私は自分が特別なことはずっと知っていた。

他の人よりも可愛いし、何よりこれから他の人が言うことを事前に分かったりすることがあったから。


そして、その本がきっかけで全て思い出した。

私が転生する前の世界、日本の乙女ゲームにこの世界はそっくりだってことが。



18歳になったら、王国の王子様が私をこの怖い世界から助けてくれる。

物語に居るみたいな白馬の王子様が、颯爽と現れて私のことを見初めてくれる。助けてくれる。


……??

助けてくれる??何から?


ズキン‼

あぁ駄目、こういうことを考えていると頭が痛くなってくる。

これがゲーム補正ってヤツなのかな?


15歳の時、ウィルに会った。

彼は傲慢悪女と名高いセイラン様と婚約させられてとても悲しんでいた。


そっか、悪役令嬢だった‼


私にとっての怖いものは悪役令嬢で、その悪役令嬢に虐められてそこをウィルに助けてもらうんだった‼


彼女は一歳年下。だからゲームは来年か再来年なんだけど……。


「あの、大丈夫ですか?」


ついついその落胆ぶりが可哀そうで、声をかけてしまった。

話してみるとやっぱりウィルはとても良い人で、この人が私を助けてくれるんだって思うとすごくすごく嬉しかった。


ウィルと少し仲良くなってから一年後、悪役令嬢セイラン・アーヴィンが入学してきた。

話してみてもすごく傲慢、でも……。


私を虐めない。

何で⁉どうして⁉このままじゃウィルと‼ウィルと結婚出来ない‼‼

誰も、この怖い所から助けてくれない‼‼‼


そうやって焦っていると次の年、やっとゲームが始まった。

悪役令嬢セイランは私を虐め始め、他の攻略対象キャラも順調に私のことを好きになっていく。


ウィルとも婚約出来た。

……でも、何で?怖いことが無くならない。


怖いことって何?ううん、そんなことどうでもいい。

ウィルは白馬の王子様じゃなかったの?誰が白馬の王子様なの?


そう思っていると第二王子のカイゼルが出てきた。

そっか、隠しキャラか!


だったらカイゼルかケビン、もしくは私の知らない隠しキャラが助けてくれる。

それなのに、誰も助けてくれない。

どうして??




「―女様‼聖女様‼‼」


気がついたら、私は涙を流しながら寝ていたらしい。

侍女の一人が血相を変えて起こしてくれた。

「どうしたんですか?」

「カイゼル殿下が‼カイゼル殿下が学園にいらっしゃるとの情報が入ってきました‼‼」


「え……」


『もしカイゼルが従わない様なら其方の首は撥ねる』


瞬間、陛下の言葉を思い出して背中に寒気が走った。

このことが陛下に伝われば私は死んでしまう。


「イヤァァァァァァァァアアアア‼‼‼」

「聖女様‼気をしっかり‼聖女様‼」


「聖女様‼まだ陛下はこのことをご存じないはずです‼今日陛下は遠方の視察に行っていますから戻って来るまでに何とかすれば‼」


私は侍女の言葉を聞いて泣きながら馬車に乗り込んだ。


どうしようどうしようどうしよう‼‼

このままじゃ本当に死んじゃう!!


「ウィル‼ウィル~‼」


馬車の中でどれだけ叫んでも私を見捨てたウィルは現れない。

当たり前だ、だって彼は白馬の王子様じゃなかったんだもん。


御者から着いたと言われて私は走り出した。

今は放課後、たくさんの生徒が行きかう中、目立つ金色の髪の毛が視界の隅に入った。

その隣にはカイゼル。


「カイゼル‼‼」


私はカイゼルの前に土下座をして、地面に額をこすりつけた。


彼に力押しで魔法を使うことは何度もやった。

でも本物の聖女の力には敵わなかった。


「カイゼル‼‼ごめんなさい‼聖女だなんて嘘ついてごめんなさい‼‼謝るから‼‼何でもするからお願いします‼‼洗脳されてください‼‼お願いします‼‼


もう聖女だなんて嘘言わないから‼‼」


泣き叫びながら彼に縋りつくようにした謝罪。

ひどく不格好なその謝罪にカイゼルは驚き、そして、その返答をしたのは彼ではなく……。


「聖女が……嘘?」

「今言ったよな、しかも洗脳って何だ??」

「どういうことだ??でも俺達は聖女が絶対にリリアン様だと思って……」

「私達が、洗脳されていた??」


ザワザワと広がっていく不信感、そして明らかな敵意。

顔を上げて周囲を見ると、目の前には驚いたカイゼルそれ以外の生徒は皆怖い顔をして私を見ていた。


「どういうことだよ、リリアン様‼まさか、本当に……」

「ごめんなさい、私……皆を魔法で洗脳していた。本当は光属性じゃなくて闇魔法だし、治癒の力も」


無いの、そう告げる前に周囲の目つきが変わった。

私を殺しそうな程に睨んできている。


「ふざけんな‼‼俺達を洗脳ってどういうことなんだ‼」

「てめぇ‼許さねぇ‼‼」


「ちょ、ちょっと落ち着いて、まずは話を聞こう」


吠える生徒達にカイゼルが間に入ってくれた。けど生徒達の勢いは止まらない。


「待ってくれ、事情があるんだ‼衛兵‼そこの騎士も‼来てくれ‼‼」


ウィルも私を庇う様に立ってくれた。でも簡単に男子生徒に押しやられて群衆の奥へと消えてしまった。


「ごめんなさい‼ごめんなさい‼もうしないから許して‼許してください‼‼」

「黙れ‼‼俺達を騙して洗脳だなんて‼」

「おかしいと思ったんだ‼」

「お前のせいで俺は婚約者と別れたんだぞ‼‼」


空気が冷たくなったのを感じて上を向くと、そこには無数の氷の短剣があった。


「キャアァァァァァアア‼‼‼」


無数の短剣は空中で私に照準を定め、私に降り注ぐ‼


パキキキィーン‼‼‼


頭を守るために蹲り、眼を閉じていた私に聞こえたのは何かが壊れる音だった。

痛みに耐えるためにぎゅっと体を抱いていたのに、何も降ってこない。


恐る恐る目を開け、見上げるとそこにいたのは真っ白な悪役令嬢、セイランだった。

氷の塵が彼女の周りに降り注ぎ、太陽光に反射してキラキラと光っている。


男物の制服を着て、髪を高く一つに括った彼女はとてもかっこよくて、安心感がある。


「静まりなさいな!これ以上リリアンに何かするようならわたくしが相手になりましてよ‼‼」


彼女が雄々しく一喝すると、群衆は驚くほどに静かになった。

そして真っ白で強くてカッコいい悪役令嬢は太陽を背にして私に手を差し伸べた。


その姿はまるで……。


「白馬の……王子様??」


面白い!続きが気になる!と思っていただけたらやる気につながるためブックマークや評価をお願いします‼<(_ _)>


既にしていただいた方、ありがとうございます‼




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