第35話 友達を護らねば!(ラン視点)
私の両親は私が幼い頃に命を落とし、一人になった私は孤児院で過ごして来たなの。
孤児院での生活は、決していいものとは呼べなかったなの。
イメージと違って、環境はびっくりするほど整っていたけど、人間関係が悪かったなの。
多分、その点で言うと学校も孤児院も変わらないなの。どうしても、小さな社会ができるといじめというのは発生するものなの。
私は人より物事を知らないし、人との距離感も分からなかったから、すぐに孤立してしまったなの。
そこからは早かったなの。
私は孤児院の一部の子供達から、いじめの標的にされたなの。
もちろん大人は注意するだろうけど、私は言えなかったし、いじめも発覚しなかったなの。
漫画でいう、殴る蹴るみたいなわかりやすいものではなく、口頭で言ってもギリいじめでは無いのでは? と思わせるグレーゾーンを的確に狙った陰湿なものだったなの。
そんなある日、私が気を病む前に救世主が現れたなの。
「久しぶりね! 覚えてる? 近所の公園で一緒に遊んでた私よ!」
私を引き取って家族として迎え入れる場所が見つかったなの。
その家庭の一人娘が、リンだったなの。
公園で遊んだことがあるとか色々言ってたけど、私自身は覚えていなかったなの。
もしかしたら、ただの口実だったかもしれないなの。
それでも私は嬉しかったなの。
久しぶりに誰かと喋ったし、たくさん笑うことが出来たなの。
声に出して笑うことを忘れかけていたくらい、笑って無かったものだから、初めは変な笑い方してたのを今でも覚えているなの。
リンは私が家に来てから、料理を趣味にしていたなの。
なんでも私がリンの作った料理を美味しそうに食べる姿が嬉しかったみたいなの。
中学生でもエプロンの似合うリンは、こんなことを言って来たなの。
「ランちゃんって私と同い年だけど、とっても可愛いから妹みたいね!」
「妹じゃないなの」
「じゃお姉ちゃん?」
「もっと違う気がするなの」
「うーん、奥さん?」
「最終的になんで奥さんに落ち着くなの。一番遠くなっちゃってるなの」
はははと笑いながら、フライパン返しをしているリン。
私は、そうやって無邪気に笑ってるリンが好きなの。
ずっと傍で見ていたい、一緒にいたい。
ただそれだけなの。
「私はリンの友達。ずっと一緒にいられるような、大切な友達なの」




