第31話 ゲーム大会を護らねば!中編(ラン視点)
全国大会の勝者を決める、ペチペチゲームが始まったなの。
ステージの遥上空にランダム召喚されて、パラシュート降り立つ場所を決めるなの。
壊れた建物は見た目が怖いから、マシな見た目の建物の屋上に着地するなの。
このゲームの初めに取るべき行動は、宝箱探しなの。
宝箱は色々な武器が出てくる面白要素なの。好みの武器を集めてレッツペチペチなの。
私達ゲーム選手は、ヘッドホンをつけながら仕切りのある場所でプレイしてるなの。
さっきまで聞こえてた司会者のうるさい雑音が消えて良きアイデアなの。
きっと皆司会者を視界に入れたくないんだなの。納得なの。
ただリンが見れも聞きも出来ないのが残念ポイントなの。
「ラン選手が早速アイテムボックスを見つけたようですねー!」
「ボックスチャレンジよ!」
宝箱を開けると、とっても豪華な効果音が鳴るなの。
あ、武器が出てきたなの。
「なんとこれは豪運! 今バージョンで上方修正された武器、PP98だー! 環境トップクラスの強武器であるサブマシンガン、開始序盤で見つけるとは中々」
そんな向こうで盛り上がっていることも知らずに、
「いらないなの」
私はポイ~~と投げ捨てるなの。
煌びやかな光沢を放つかっこいい武器だけど、操作が難しいし遠くを撃てないからハズレなの。見た目100点性能0点なの。
「え、、、嘘? ラン選手PP98を捨てたあああ!?」
「ランちゃんは手に馴染む武器しか使わないようね。一応サブ武器として手に入れて置くのが無難なんだけど、サブで持っておく概念を知らないんだわ」
「知らないって……しかも初心者でも扱いやすいはずの武器を……ではラン選手はひとつの武器で挑むおつもりですか?」
「一本勝負ですね! 流石男前、いや女前ランちゃんよ!」
とりあえず宝箱探ししまくるなの。
隣の建物に移っては開けて、また探しに行くなの。
あ、何処かで銃声が聞こえるなの。物騒な音なんだなの。
階段を駆け上がった先に見える四角い物体、四つ目の古びた宝箱を開けるなの。
「あーッとこれは残念。出てきた武器は69式狙撃銃ですね、大抵のスナイパーライフルが脳天を狙えば一発で仕留められる中、このスナイパーライフルは三発も必要とされる、今環境では遅れてしまった性……」
「やったなの」
「……え?」
ようやく私のお気に入り武器を手に入れたなの。
遠くまでペチペチ撃てて、数もたくさん撃てる楽しい武器なの。見た目が素朴なのも逆に良き味が出てるなの。
「ランちゃんはお気に武器を見つけたみたいで満足そうね! 試し撃ちでペチッと撃ってるわ」
「……マジですか」
宝箱探しも終わったし、何しようか……あ、鳥さんが飛んでるなの。
ナイスタイミングなの。
窓から見える鳥目掛けて銃ペチ、お肉ゲットなの。
群れをなしてるからペチ放題なの。鳥にはごめんなさいなの。
「な、なんとラン選手ッ鳥を撃ちまくっています! 鳥の体力であれば69式狙撃銃でも一発、連続で狙撃出来る利点をここで発揮しています! 鳥肉を使って料理するみたいです」
「美味しそうな鳥さんね!」
きっとリンは美味しそうとか言ってるはずなの。
水族館で泳ぐ魚を見て、美味しそうと呟くタイプなの。
なんならこの前言ってたなの、狂気なの。
よし、今度はお料理タイムなの。
このゲームの醍醐味は銃の他に料理でもバトル出来るところなの。
宝箱は武器の他にランダムで料理に使う材料が入っていて、その材料を使ったり、さっきの鳥みたいに動物を狩ったりして料理するなの。
運良くガスバーナーが手に入ったから、これで焼き焼きするなの。
「ガスバーナー……カセットコンロや電子レンジを手に入れた選手がいる中、ラン選手はハズレクジを引いてしまいましたね。フライパンが無い中、ただ床に置いて焼けばもちろん木製の住宅が燃えてしまいます」
カセットコンロじゃなくて助かったなの、アレ上手く使えないし何より怖いなの。
ボンベが爆発するんじゃないかとヒヤヒヤしちゃうなの。
じゃいつも通り。
「ええ?」
「野生感あっていいわね!」
銃の上にお肉を置いてバーナー焼き焼きなの。
たまにこれで壊れちゃう銃があるけど、私のお気に入りのこれは無駄に頑丈で諸共しないなの。
へへ、普段パフェとか甘いパンを作ってるから、お肉調理はゲームであっても新鮮で良いなの。
リンにも試して貰いたいくらいなの。
牛肉を焼いて胡椒とかぺぺッとして完成なの。
ステーキを調理すると、ポケットにシュンって収納されたなの。
ゲームあるあるの、ポケットに絶対入らないでしょのやつなの。これは考えないことが大切なの。
宝箱で銃も見つけて、料理もして、あとはやることはひとつなの。
「ランちゃん、潜伏モードに移ったわね」
必殺一人暮らしマコなの。
ぼっちで部屋の中でひたすら過ごし、時間をた~くさん消費するなの。
これで私が床に大の字で寝そべってる間に、誰かが勝手に争って数を減らして行く算段なの。
なんて賢い作戦なの。
「それにしても、鳥肉ほったからしにしてるのは何故かしら? アイテムボックスから出てきた貴重な牛肉をもう使っちゃうなんて」
「他の選手がいるか警戒しているのでしょうか?」
暇すぎて、目の前の机の傷跡を追いながら空気お絵描きしていると、ヘッドホンから足跡の音が微かに聞こえるなの。
ゲームに戻るなの。
この方向は……しめしめなの。
窓から銃口を出して、鳥肉を拾おうとするおバカさんに狙い撃ちなの。
相手は気づいたけどもう遅いなの、相手の頭に三回命中させてジ・エンドなの。
お仕事を終えたらまた大の字に戻るなの。
「こ、これは卑怯……いや、画期的な戦法と言うべきなのでしょうか!? ラン選手、建物にこもって鳥肉を餌に対戦相手を狩っています!」
「しかもランちゃん、床に寝そべることで、些細な振動を感知しているのね。空気から伝わる振動だけを頼りにしないのは、プロ中のプロよ!」
マコごっこを決め込んで、足跡が聞こえた方向を警戒してペチペチ。
この作業を繰り返すだけ、なんて簡単なゲームなの。
鳥肉の山だった場所が、いつの間にかキャラクターが落としたアイテムの残骸になってるなの。
ペチって動かなくなったキャラは、持ち合わせていたアイテムを落として消えちゃうなの。
その落としたアイテムを拾おうとするおバカさんがまた釣れちゃうなの。
名ずけて鳥肉ホイホイなの。
時間がどんどん経って、あのじわじわする赤く透き通った壁が迫って来たなの。
「ダメージゲートが迫って来ました! ステージ中央に向かわなければ、ゲートに飲み込まれ、継続ダメージをくらいゲームオーバー。特にラン選手はダメージゲート侵食地に未だ滞在中です。これは逃げるのに間に合うのでしょうか?」
壁が通り過ぎると、キャラが痛い痛いって言って死んじゃうなの。
ただここまで来ると、他のプレイヤーがいなくなるから安全に鳥肉とアイテムの残骸を拾えるなの。
必殺マコを中断して建物を去り、調理前の鳥肉に近づくなの。
転がった武器の上に鳥肉を綺麗に並べて。
「なんとラン選手! ここに来て調理を開始しました!」
必殺両手ガスバーナークッキングなの。
フライパン代わりにした武器は全部壊れちゃうけど、操作知らないし使わないしで問題なしなの。
なしなし言っててラップ出来そうなの。えと、なし、なしなしで、ナーシだYO!!
鳥肉をこんがり焼いて、骨付き肉の完成なの。
あ、こんがり鳥肉とか諸々拾ってたら、あのじわじわ透明壁の中に入っちゃったなの。私の操作するキャラが謎のペチペチを受けてるなの。可哀想なの。
「ランちゃん大丈夫かしら? このままじゃ安全地帯に逃れる前に倒れちゃうわ!」
私の状況を見護るリンは、あわわ~って心配してるに違いないなの。だけど安心するなの。
「な、ラン選手、鳥肉を食べながら逃げています! 少量しか回復しない骨付き肉を、数で補って命を繋いでいます!」
この為の鳥なの。
あわよくば、中央でバッティングした残り少数のやからがペチペチし合って、ボロ雑巾になったところをノコノコやって来た私が一網打尽にするなの。
ヒーローは遅れてやってくるんだなの。
気づいたら、私含めて残すは三人になってるなの。
二人が争っているところが見れなくて残念だな~なの。
「そろそろ終盤、多くの修羅場をくぐり豪華な装備を纏った、さわがしくしやがれ選手。自慢の腕と料理スキルで戦うDAISUKE選手。ダメージゲートと共に中央に迫るラン選手の三人! 果たして誰が勝者になるのか!?」
続きはCMの後なの。




