第12話 警察署を護らねば!後編(ラン視点)
「こちら、"ペンギンザクザクラッシュ違反で逮捕します"ですよ~」
「"開けましてお菓子くれなきゃメリークリスマス違反で逮捕します"なのー」
午後十二時を過ぎた頃、警察の休憩時間なのか大勢人が波のように押し寄せ行列が出来たなの。
警察関係なくわざわざここまで足を運んで来てる人までいる始末なの。
お正月ってこんな暇人で溢れてるなの?
まあそんな事よりも。
「リンさんランさん似合ってますね警察服、わたしとお揃いで嬉しいです」
「もう何回も聞いてるなの」
「ふふっこれ気に入ったわ、シャキッとした気分になるの」
私達は警官コスプレさせられた上に何故か休憩中のマコが客側じゃなくて店員側にいるなの。もう転職すればなの。
リンなんか、その長身とお胸故にサイズが合わない所為で、上着が浮いてお腹が出ちゃってるなの。
おへそがこんにちはしてるなの。
「あなたの心にバ~ンッ☆よ!」
「そんなダサいサービス精神いらないなの、鮭のお下がり着て三十路でも移ったなの?」
「ばっきゅーん!」
「ダサ度MAXなの!」
リンは純粋なせいか、すぐ周りに影響されるなの。
私が軌道修正しないとリンはいつか痛い目見るなの。
手を拳銃の形にしてウインクしながらフッと息を吹き決めポーズを取るリンに、並んでるお客さん全員がグハッっと演技するなの。
もうそう言うのいらないなの。
ノリが無駄に良いのは何でなの。
「あ~うちのお願いちゃんと聞いてくれたんだ~嬉しぃ~! さあ寄って寄って、写真撮るから」
発言がいちいちな鮭の登場なの。
大人しく川を泳いでろなの。
「鮭川警視長! お疲れ様です!」
お辞儀したマコのおでこに、ショーケースに置いてあった千手観音の腕がぶっ刺さるなの。
ごめんね千手観音、千手観音の腕がとっても可哀想なの。
あ、マコなんかほっといて。
「三十路なの」
「二十代ッ!」
念の為挨拶はしておくなの。
これで鮭は優雅に滝登り出来るなの。
顔はキラキラしてるけど、お財布が赤い長財布のブランド物で、そこに妙なキャラクターのキーホルダーが付いてる感じがもうそれなの。
「二十七たす三は三十路~って撮るなの」
「そんな掛け声ないよ!」
「チェキ代で一枚千円なの……無言で五千円渡すななの、冗談なの」
お金を怪しく取り出すのは、三十路というよりおじさんみたいなの。怖いなの。
「二十~って言えばいいんですか?」
「私達十代よ?」
マコとリンの発言に。
「えぇ!? アナタ十代なの!?」
と大袈裟に手を慌ただしくして驚く、画がうるさい三十路。黙れなの。
「まだこのやり取り続けるなの?」
何枚かパシャパシャ撮った後、鮭は標識チョコを三枚投入した色々刺さりまくりな千手観音パフェを片手に笑い出すなの。
「ねえ見て見て鈴木君、このパフェイケてるよぉ~腕一本お裾分けッ! アハッ何その顔~ハッハッハッ」
列に並んでいた警察らしき人物を巻き込む三十路。
背中をバシバシしながら一人で笑うその姿はもう三十路を超えて……
「鮭おばさん、購入したら横にズレるなの。お客さんの邪魔になるなの」
「おばッおばさん言うなあああ!!!」
その後順調に標識チョコ入りの商品が売れ、標識チョコが全て無くなるまで販売出来たなの。
後に標識チョコを作って別売りにして販売することに決定したなの。
そして今日も日本の安全は鮭おばさん達によって護られてるなの。
めでたしめでたしなの。




