表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
39/88

そういえば

第一話に繋がる話の前の話。

 いつものように保育ルームに来ていた平太(へいた)は、ふと初枝(はつえ)に訊かれた。


「そういえば、結構長くお手伝いしてもらってるけど、どうして平太くんは保育ルームに来てたの?」


 平太は読み聞かせていた本から顔を上げて、初枝を見た。


「あー……えっと──」


 と平太は苦笑いする。

 すると平太を囲んで本を読んでもらっていた四人の中で、(たつ)が口を開いた。


「せんせーが、平太とはじめてあったときよりまえに、おれらは平太にあってるんだぞ」

「そう。せんせーが、はじめてあったひの、まえのひ」


 と(かおる)も言う。


「平太お兄ちゃん、こわかったんだよ」

「うん……ことばが、いまとぜんぜんちがってた」


 と(あや)(あん)は思い出して、少し暗い顔をする。


「あの時は子どもが嫌いな時だったし、今より全然子どもへの見方が違ってたから……仕方なかったんだって」


 と平太はあわあわと手を振る。

 そんな平太を見て、初枝は訊く。


「へえ。聞かせてくれる? その時の話」

「え……」


 平太は引きつった顔をして固まる。


「言えないほどひどいことでもしたの?」

「いやぁ……どうでしょう──」


 と平太は斜め上に視線を泳がせる。


「平太ひどかった! な、薫」

「うん。ひどかった」


 と辰と薫が頷く。彩と杏もこくこくと頷いている。


「そんなひどかったか……?」


 と平太は不安になる。


「うん。『ガキ』とか『バカ』とか、いろいろいってた」

「そうだな。いまもたまにいうけど、ぜんぜんちがってた」


 と薫と辰に言われ、平太は小さくなっていく。


「めつきもわるかったよね」

「うん。するどかった。キツネみたいだった」


 と杏と彩にも言われ、平太はもっと小さくなる。


「余計気になるわねぇ。平太くん?」


 と初枝は笑って平太を見る。

 そんな初枝に向かって、


「いやいや、聞かなくて大丈夫ですよ」


 と平太は手を振る。

 だが、初枝も引き下がる気はないらしく、


「平太くん。いつかは話さなきゃだめなのよ? それに、子どもたちを預かってる側として、聞く権利はあると思うの。あと、私が手伝いを頼んだんだし、聞いておくべきだと思うの。だから、話してくれる?」


 と今度は真剣な顔で言う。


「う……。……えっと……はい……」


 と真剣な顔でそんなことを言われたら、平太は戸惑いながらも頷くことしかできなかった……。


「それで、平太くんは何をしたのかしらね?」

「……えっと、それは……、ですね……──」


 と平太は改まって、思い出すように話し始めるのだった──




長くなりそうなので、切りました。

次回、第一話に繋がる話を。(なぜ平太は保育ルームに来ていたのかと、初めて遭遇した時の話)


休日投稿です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ