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そうなってから気がついたけれど、どうやら友人は私のことを迎えにもこないだろう。絵葉書にあった住所をグーグルマップで検索すると駅から少し遠いけれど確かのその場所を示したので、案内をシリーに頼んで数年分食べた非常食のゴミを公園の隅にあるゴミ箱へ突っ込んだ。
セントラルステーションから東の道を数ブロック行って南へ真っすぐ行けば良い。多分私はたどり着ける。なんとなく自信があるようでないのはもう数年も友人を待ったせいだ。私はすでに口をなくしていたから誰と話せるわけではないけれど、筆談くらいはできるだろう。そもそも私はこの国の言葉があまりわからない。ともすればなぜ私はこんなところに来てしまったのだろうか。しばらく歩くと広場についた。そこは市場でたくさんの露店が並んでいる。そして、私と同じように露店の並びを行く人たちは体の一部がなくなっている。これは数年前から全世界で流行りだした難病で私はまだ口だから良かったけれど、肘や足先といったところをなくすと生活に事欠くので、困っている人がたくさんいるらしい。私は食事がうまくできなくなったから、全てミキサーで砕いた流動食を喉の穴から詰め込んで生きている。生まれつきであるから、別段不自由はないけれど、目がない人などは、そこらじゅうを触りながらどうにか生きている有様で、傍から見ても困る。




