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目が覚めると私は特急列車の車窓からすぐに外の景色を確かめた。しばらくは呆然と景色を見ていたが、それがやがてヨーロッパのとある街であることに気がつくと、やはり私は来てしまったのかとまた呆然としてしまった。
セントラルステーションでキャリーバックとショルダーを持って、列車から降りると私はまだ眠っているのになぜこんなに軽快に足が運べるのだろうかと不思議に思った。然しそれは眠っている夢を見ているのだとすぐに気がついて、不思議と不思議と思わなくなった。まだ夢の中であるなら何でもありだと思いながら、この日ここへやってきたことも実はなんの信憑性もない不確かな事実ではないかとことさら、見るものすべてに不信感を持った。予定ではこれから私はとある友人に会いに行かなければいけないのだが、ヨーロッパの石畳の町並みはどうしてこうも歩きづらいのかと思うと、軽快だった歩みはヒールに思い切り踵が押し当てられるので、今度は歩き方を気にしなければならないことを夢なのに不思議と思った。夢ならば別段そんなことに苦労しないようなイメージを持ちたい。しかしそう思えば思うほど足はどんどん重く感じられて歩くのも嫌になって、セントラルステーションの目の前にある公園の芝生に腰を下ろした。




